事業所名

新潟ワコール縫製株式会社

所在地

新潟県新潟市

事業内容

婦人用衣類及びスポーツウェア製造業

従業員数

214名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	1	アイロン掛け
内部障害	0
知的障害	2	シール接着等アイロン転写及びタグ付け等検品作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯、背景
3. 取り組みの内容（活用した制度、助成制度等）
4. 取り組みの効果（取り組みを実施したことによる効果）
5. 障害のある従業員の声

事業所外観

1. 事業所の概要

（1）事業所の特徴・内容

大手アパレルメーカー株式会社ワコールの子会社として昭和49年（1974年）4月創業した。

操業開始後、35年を経た現在は、年間売上高24億6千万円、パーソナルウエア（パジャマ、ブラジャーなど）430千枚、ウェルネス（スポーツ用タイツ CW-X、ブラジャーなど）250千枚合計680千枚となっている。

土地は9,730㎡、建物は4,660㎡である。外に物流センター1,125㎡がある。

情報システムを取り入れ、社内ネットワークなどを利用している。

（2）経営方針

・ 愛される商品を作ります。

・ 時代の要求する新製品を開発します。

・ 大いなる将来を考え正々堂々と営業します。

・ より良きワコールはより良き社員によって作られます。

・ 失敗を恐れず成功を自惚れません。

（3）組織構成

220人（本社・工場 200人、物流センター 10人）

2. 障害者雇用の経緯、背景

（1）経緯

創業時には障害者の雇用はしていなかった。

昭和58年頃、地元中学校の推薦で知的障害者を雇用したことが始まりであった。

その後、身体障害者も雇用し、順次、障害者を雇入れ、現在は3名の障害のある従業員が勤務しており、平成21年4月1日付で1名を採用する。

（2）障害者の従事業務、職場配置

作業風景

3. 取り組みの内容（活用した制度、助成制度等）

①障害者作業施設設置等助成金

製品照合確認管理システムを導入したことにより、製品を流せば機械が自動的に支障物を検出し、製品バーコードを貼り付けることにより、知的障害のある従業員も担当できるようになり、障害者の職域が拡大した。

② 重度障害者介助等助成金

業務遂行援助者の配置により職域の拡大ができた。

③トライアル雇用制度

トライアル雇用期間中に障害者職業センターのジョブコーチ支援を利用した。その効果は、「社員が障害者に対し接し方が分からないことがあったが、ジョブコーチのアドバイスを受けて助かった。」という。

また、ジョブコーチの支援で「作業日報」を作成して、本人が記入している。本人が作業の確認と反省を記入し、指導する社員のコメントを交換している。家族に対する職場での様子の報告にも役立っている。この、「作業日誌」は、トライアル雇用が終わった今も続いているという。

ジョブコーチ支援期間が終了した後も、定期的にフォローアップとしてジョブコーチが来所している。

④ 特定求職者雇用開発助成金

⑤ 新潟市の障害者雇用助成金

⑥ 障害者職業生活相談員

社団法人新潟県雇用開発協会の実施する「認定講習会」を受講した者を1名選任している。

作業場

作業日報

4. 取り組みの効果（取り組みを実施したことによる効果）

① 障害者を受入れる際には、配置する職場の管理者に事前に伝えており、周りの社員には特別扱いしないよう指導している。

会社では、福利厚生・健康管理として健康診断は年1回実施し、忘年会・社内旅行・クリスマス会等を実施しているが、従業員みんな参加し楽しんでいる。

特に、重度知的障害者のCさんは、イベントの何日も前からとても楽しみにしており、他の社員もつられて気分が盛り上がることがある。

② 障害のある従業員が配置されている職場の担当者のスーパーバイザーは、A常務が担当しており、業務外の問題等が生じたとき、家庭との連絡などに取組んでいる。

③ 当社向かいに、障害者施設「工房はたや」があり、軽作業の業務を発注している。また、業務以外でも交流を持つようにするため、社内行事に「工房はたや」の人たちも招待して、地域との交流を図るとともに、社内での障害者への理解を更に深められるよう努力している。

④ 障害者の雇用の促進等に関する法律改正により、当面、労働者数201人以上300人未満以上の企業にも納付金制度の適用が拡大されるが、当社は雇用率を達成しており法令遵守が出来ている。

5. 障害のある従業員の声

「働く喜び」  B さん

私は昭和59年3月養護学校高等部を卒業して、新潟ワコールに就職しました。今年で25年目になりました。私達障害者は、とても恵まれている会社に働いています。ワコールには、数人の障害者がそれぞれの職場に配属されています。みんな頑張って、働いています。ワコールの会社は、下着やCWXや、水着やパジャマやネグリジェなどを作ってます。私の仕事は最初の頃は、芯貼りで裏に芯を貼ってロータリーアイロンで流す仕事でした。毎日の、仕事の中で失敗やミスを出さない事です。班長さんに、迷惑をかけない事です。私は、25年も勤続出来るのも、非常に良い会社の環境です。休日も多くて、みんなとよく日帰旅行に行くのが楽しみです。今は、百年に一度の不況の時代です。私はこれからも勤務できるように一生懸命に仕事を頑張ります。