事業所名

JOHNAN株式会社（旧社名：株式会社 城南電器工業所）

所在地

京都府宇治市

事業内容

環境・福祉商品の開発 省力化設備の設計 電子部品の製造・加工

従業員数

250名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	1	人事
内部障害	1	総務
知的障害	1	検査・組立
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の背景
3. 取り組みの内容他

事業所外観

1. 事業所の概要

「半導体」の将来性を信じた昭和37年4月、宇治市にて創業。以来「ものづくり」企業として、半導体・AV機器、プリント基板などの加工、また治具や検査機、組立などオリジナル商品の開発・販売を行っている。数ミクロンの世界から始まる「ものづくり」への取組みは、未来に向けた大きな第一歩であると確信している。

近年では持続可能な社会に貢献するためにも「環境・福祉・安全」を企業目的とし環境関連事業・福祉関連事業に着手している。

また企業として何ができるのかを考えた結果、平成16年にバリアフリー型の新社屋を構えた。ビジネスとしての「福祉」だけではなく、「福祉とはなにか」を企業全体で考え、障害のある方と共に働いていける環境を目指している。

2. 障害者雇用の背景

福祉関連事業としてリハビリ＆コミュニケーションソフトの開発も10年以上前から行っていた。従来から障害のある方の雇用には取り組んでいたが、養護学校でのつながりや紹介で決して積極的なものではなく、今後の検討事項でもあった。新社屋を建築する際にも、企業目的でもある「環境・福祉・安全」を真剣に取り組んでいく決意としてバリアフリーを取り入れた。戦力として共に働ける場を提供したいという思いから採用に取り組み始めたところである。

3. 取り組みの内容他

（1）具体例・従事業務

現在3名の方がそれぞれの状態に合わせて業務をこなしている。内部障害（中途障害）で総務業務を担当しているAさん、養護学校から紹介を受け（知的障害）、検査・組立て業務担当のBさん、そして今回ご紹介する肢体障害で人事業務担当の荒井さんである。

当社は大手メーカーの下請けであり、同じ業務が長期間続くことは稀であり、このため、現場で作業することは大変困難な場合がある。また従業員も障害のある者と共に働くということに慣れていなかったため、従業員への意識付けのためにも本社人事部が主導となって雇用していくこととなった。

人選には行政、学校、有料紹介会社など幅広く視野を広げ、選考を重ねた。そこで採用したのが荒井さんである。荒井さんは2007年6月に採用し、グループ会社のヘッドカンパニーである本社人事部に配属。人事業務全般、主に給与・社会保険関連業務の戦力としてテキパキ業務をこなしている。

（2）取組みの効果

従業員が一緒に働く仲間のことを理解するために、外部講師を招き、障害者雇用に関する勉強会を行った。勉強会を開催することにより、決して特別扱いすることなく、お互いを尊重し高め合う仲間として受け入れられる心の準備が整ったといえる。

また、荒井さん自身も積極的に飲み会などにも参加し交流を深めている。今では、自分自身が広告塔になり積極的にアピールすべきだと提言している。また、新入生研修でも講師として、自分自身の体験談をもとに「城南電器工業所が目指す福祉」について熱く語っている。

（3）取組みの効果・本人コメント

第一人者として荒井さんも色々不安はあったかと思うが、今では会社全体的に違和感なく障害を共有しつつある。

本人も就業意識が高く、やる気に満ちて日々の業務に携わっている。容赦なく外回り業務にも行かされている。また、研修やセミナーにも積極的に参加し、人事労務担当として日々勉強中である。そんな荒井さんの一日を追ってみる。

＜ある一日＞

＜荒井さんのコメント＞

早いもので入社して1年半が過ぎました。人事部に配属になりましたが、この間次々と色々な雇用形態の方が入社され、今ではちょっとした先輩の立場になりました。その方たちの入社手続きは私が行いました。部内にも後輩が入りましたが、入社前の説明を受けたときに「車いすに乗った荒井くんという人がいるけれど、容赦なしにハローワークにもどこにでもどんどん行かされているから。部員は何でもするというのが基本だから」と言われたそうです。確かに・・・行ける場所はどこでも行かされますし、ついでと言いながら買い物や経理の振込も頼まれます。入社前に今後の障害者雇用についてのプランなどを説明され、今後の障害者雇用の為の道程を会社と共に作っていくのだと緊張しました。未経験でのスタートでしたが、幸いにも皆さんの理解もあり、自分自身日々成長を感じながら奮闘しています。私自身障害者雇用は、ボランティアであってはいけないと感じています。働く以上戦力でなければ意味がありません。自分がさらに成長していくことで他部署の理解を深めていき、次の障害者雇用につながるよう知識・行動・健康管理など決して努力を惜しまず、頑張っていきたいと思います。