事業所名

東宝企業株式会社

所在地

鳥取県倉吉市

事業内容

スーパーマーケット

従業員数

232名

うち障害者数

4名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	2	青果物の販売、惣菜物の製造・販売
内部障害	0
知的障害	2	包装パック・値段付け
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要と障害者雇用の経緯
2. 障害者雇用の状況と取り組みの内容
3. 障害者雇用に対する事業場の工夫

事業所外観

1. 事業所の概要と障害者雇用の経緯

（1）概要

東宝企業株式会社は、鳥取県倉吉市を営業基盤とするスーパーマーケット「東宝ストア」7店舗、「新あじそう」2店舗を運営する企業であり、本社は鳥取県倉吉市内にある。

（2）障害者雇用の経緯

「地域に貢献する、サービスの行き届いた人に優しい、信頼される店舗であり続けること」を経営理念としており、意欲的な人材を広く求めている。また、地域の養護学校から毎年職場実習の申し入れがあり、積極的に受け入れている。

2. 障害者雇用の状況と取り組みの内容

（1）障害者雇用の状況

現在の従業員232名のうち、知的障害者2名、身体障害者2名を雇用している。

（2）仕事の内容

知的障害者2名の仕事内容は、加工センターにおいて肉の包装パック・値段付けの作業を行っており、それぞれに1名の職員が指導に当っている。

一方、身体障害者2名の仕事内容は、商品の準備・陳列・販売にわたる作業、惣菜物の盛り付け・包装・陳列・販売の作業をしている。とくに指導をつけての支援は行ってはいないが、筋肉の動かせる範囲内での作業に絞った職掌に従事させており、安全管理面での配慮には気をつけている。

作業現場

（3）職務配分への配慮

小売業において、作業ロットが短いなど障害者の雇用には少々困難な面がある。障害者の能力・身体機能に応じた職務配分に十分配慮する工夫が求められる中、当事業場においては、本人の認識・スキルと周囲の配慮・サポートのバランスがとれていると思われる。

1） 周囲のサポート体制

当事業場の経営理念にある「人に優しい」ということばのとおり、障害者が安心して働ける環境ができている。上司・他の従業員の障害者に対する配慮が、自然と養われている。指導者によるOJT教育もさることながら、周囲の声かけなどのサポートも自然である。また障害者の性格は全員明るいこともあり、他の従業員への活気をもたらす雰囲気にもなっている。

2） 地域への意識・理解強化

毎年、地域の養護学校生徒の実習を受け入れていること、障害者が地域住民との挨拶を含めた積極的なコミュニケーションをとるなど、地域への意識・理解強化を図っている。

3. 障害者雇用に対する事業場の工夫

障害者雇用の考え方は、勤労の意欲があればという姿勢である。

障害者だからといって職務を区別していない。そのためか、現在働いている障害者の勤続年数が長く、周囲との関わりも自然に溶け込んでいるのが窺える。このことは、事業場の全従業員に対する配慮が、障害者雇用の配慮に繋がっているといっても過言ではない。

また、育児休業・介護休業制度など福利厚生面も充実しており、従業員が働きやすい職場環境づくりにも積極的に取り組んでいる。たとえば、創意工夫への気づきを目的に、人事直行型の提案制度を年2回実施している。この制度は、自己申告書に基づき、事業者は従業員と話し合うものだが、職場環境の現状についての各々の意見を、作業的視点から積極的に吸い上げている。これに関連し、障害者がステップアップするための就業の場の提供を積極的に図っている。

グループ統括業務部の人事部長は、「障害者だからといって特別なことを行っているのではない。他の従業員と同様に普段どおりの接し方をしているだけ。」と語っている。職場全体に「何でも話せる」「言いやすい雰囲気」があり、風通しのよい職場環境が障害者受け入れのベースになっているものと思われる。