(1)　事業所概要
　日本フルハーフ株式会社（以下「同社」という。）は、昭和38（1963）年に日本軽金属株式会社といすゞ自動車株式会社の折半出資により米国フルハーフ社の技術を導入し設立された。物流ニーズに応えるべくトレーラから大・中・小型トラックまで、ドライバン、温度管理車、ウィングルーフ、荷役省力化機器などの輸送用機器の製造を主要業務としている。豊富な経験と確かな技術で高品質な商品を生み出す生産体制を整え、国内に5つの生産拠点、3つの直営サービス工場と250か所以上に及ぶ提携サービス工場を展開している。　また、地球環境に優しい技術を常に追求するとともに、環境保全を十分に意識した生産活動を通じて環境保護に取り組み、豊かな社会の実現、維持に貢献している。なかでも厚木工場は「ばらの咲く工場」としても地域住民に親しまれ、ばらの植栽を通じた環境活動を行っている。
　 「誠実な企業活動で社会へ貢献し信頼を得る」、「従業員の満足、チャレンジできる企業風土をつくる」という企業理念のもと、社員の多様性を理解し、皆が活き活きと働ける健全で明るい会社を目指している。

(2)障害者雇用の経緯
    同社では以前から障害者雇用に取り組んでいたものの、障害者雇用の経験が乏しいために障害者に合った職域開発、雇用管理などのノウハウがなく、ハローワークの合同面接会に参加してもマッチングがうまく図れず採用に至らなかった。また、採用しても障害のある社員への対応を配置した職場任せにしていたこともあり、定着がうまくいかないこともあった。そのため法定の障害者雇用率を達成できない状況が続き、平成24（2012）年にハローワークから障害者雇用率達成指導（以下「指導」という。）を受けることとなった。
    指導を受ける中でハローワークの雇用指導官から神奈川障害者職業センター（以下「職業センター」という。）を始めとした支援機関を紹介され、障害者雇用について勉強するとともに、すでに雇用している障害のある社員の業務を基にした新たな職務の創出を行うことから本格的な取組をスタートした。