特に配慮していない。

・選考した結果、採用とした者については、本人の了解を得たうえで面接時に聞き取った情報に基づき個別の記録票を作成している。この
　記録票には、現在の症状や体調が悪くなったらどうなるか、SOSのサイン等を記入してもらい、常に体調の変化に気を配り、雇用の継続
　に努めている。本事例の対象者も作成し、活用している。

・採用決定後、本人の了解を得て、就労支援機関への利用登録を行ってもらった。これは就職後の対人関係等での悩みや課題が生じた際に
　は、支援機関の担当者と社内の障害者職業生活相談員が連携し、一緒に面接するなどの協力体制を作るためである。

障害者の採用に際しては、配属先での指導担当者を定めるとともに、入社後1か月間は毎日の就業時に対象者と指導担当社員とが振り返りを行い、本人のペースに合わせて仕事を進め、仕事・職場に慣れてもらうための期間としており、対象者の場合も同様の配慮を行った。

本人のみを対象としたものではないが、外国人などにもわかりやすいことを考慮し、写真などを使った作業マニュアルを作成している。

工場は24時間稼働しているが、障害のある従業員の勤務時間は9時から18時としている。また、本人の希望により短時間勤務も選択可能としており、選択肢を広げ、働きやすい環境を整えている。

特に配慮していない。

・障害のある従業員とのコミュニケーションを図るためのシートを活用して、障害者職業生活相談員が作業内容・体調を確認、相談や指導
　を行っている。シートには日々の作業内容や感想、睡眠時間などの生活状況等を記入している。

・定期的に面接をする中で1年間の目標を作成し、「欠勤しない、挨拶をする」などの目標を立て、目的意識をもたせていることで労働意
　欲を高めたり、配置転換を働きかけたりしている。

先に述べた記録票やシート等を活用して、人事担当者や配属先の指導担当者、障害者職業生活相談員は、障害のある従業員に関する情報（障害特性、配慮事項等）を得て、対応している。

職務に習熟するまでは、現場のスタッフは根気強く丁寧に教えることとしており、また、忙しい時には愚痴をこぼす者もいるが、「君を頼りにしている」「皆が必要としている」等の声かけを行い、周囲からの期待や役割を伝えるように心がけている。