本事例の事業所（以下、「同社」という。）では、障害者との面接時に、就労支援機関（障害者就業・生活支援センター等）の職員等の同席を得るようにしている。そして本人や職員から本人の強み弱み、配慮事項等を把握し、その内容は必ず記録を残すようにしている。これは入社前の情報を正しく認識し、本人同意の元、配属先の管理者等必要な関係者と情報共有することがとても重要と考えるためである。本事例の対象者（以下「対象者」という。）についても同様の取組を行っている。

障害のある社員が配属された各営業所には障害者職業生活相談員（以下「相談員」という。）の選任と配置を行っている。相談員は月に一度の定期面談を実施することとしている。
本社には障害者雇用に関する相談窓口を設置し、合理的配慮や差別禁止に対する相談専用ダイヤルを設け、障害のある社員と各営業所の相談員のサポートをしている。

業務手順書は、複雑にならないように、ひとつの工程は、写真やコメントを使って一頁にしたものとした。また、そうしたツールだけに頼らず先輩社員が習熟度を細かくチェックし、無理のないペースで本人ができるようになるまで指導している。
さらに、対象者のように疾患を有する社員については、体調の変化も確認するため、普段からのコミュニケーションは怠らないようにしている。

継続的な通院を要する社員の場合は、通院のための休暇がとれるように配慮し、本人にも受診を促している（そのため、本人に通院計画の提示をお願いしている）。
対象者についても定期通院が必要であるため、休暇取得しやすいように配慮している。

障害のある社員については、上司や相談員と連携しながら本人の体調や習熟度を把握し、業務量の調整をしている。
また、まわりに社員が多いと集中力にかける社員の場合には、一人で作業するスペースもしくは、パーテーションなどで集中しやすい環境を作るなどの配慮も講じている。

厚生労働省主催の精神・発達障害者しごとサポーター養成講座の社員受講や、社内での研修会等を行い、障害者雇用についての社員の理解を深める取組を進めている。

本人と相談員とは月一回の定期的な面談を行う等、状況把握やコミュニケーションを図っている。
本社の障害者専用相談窓口の社員に企業在籍型ジョブコーチを取得させ、障害のある社員の指導・支援がより効果的に行えるような体制づくりを目指している。