本事例の事業所（以下「事業所」という。）の社内は、エレベーターが完備され、エレベーターを降りてから近い部屋を障害のある応募者との面接会場にしている（写真参照）。
面接会場内も広めの部屋であり、車いすで面接を行えるように配慮している。出入りに関しては、社員が扉を開けて誘導し、移動に配慮をしている。

障害者の募集に関しては、ハローワーク・民間の職業紹介事業所を通じて広く行っている。また、ハローワーク主催の障害者合同面接会へも積極的に参加している。

事業所では障害のある社員の担当者は所属長としているが、担当者は課内の全ての社員の業務指導と相談に応じている。各担当者は、障害のある社員についても、他の社員と区別することなく接することを心掛けている。

事業所では「文書ファイルを床に置かない」「物についても下に置かない」等のルールを定めており、半年に一度の文書管理検査もあり、徹底されている。そのため、車いすや杖の使用者が移動しやすい環境となっている。
また、執務室をはじめ、廊下等もゆったりとした設計であり、車いす使用者であっても社員同士のすれ違い等に支障はない環境となっている（下の写真（左）は廊下の様子）。
また、ドアの開け閉めの際に車いすに乗った人とぶつからないように、ドアの向こうに人がいると知らせてくれる光センサーをドアにつけて危険を案内している（下の写真（右）がセンサー）。

対象者に確認した上で、車いすを使ってちょうど良い高さの机が配備されている。
座席は、執務室の中でも広いスペースのある席にしている。
コピー機等の使用する機械も手の届く所に配置している。

執務室に行く際に段差がある場所は、スロープを設置して、車いすでも通れるように配慮している(写真左）。身体障害者用トイレも完備している（写真右）。

社内冷暖房を完備している。その上での体温調整は各自に任せている。

対象者の勤務時間は、8時40分から17時20分までで事業所の通常勤務時間での勤務。障害のある社員はいずれも同様の勤務であり、なかには十年以上も勤務しているものもいるが、支障なく勤務している。
通院に関しては月1回の通院のための有給休暇を担当者（所属長）が許可している。担当者は、休暇の取りやすい環境を作っている。

障害のある新入社員が配属された部署の社員に対し、所属長から障害のあること、障害状況と配慮が必要なことについて周知を行っている。

・会社としての社員との定期的な相談体制は、一般社員に対しては、年に2回所属長が行うこととなっているが、障害のある社員に対しては所属長が年に4回とよりきめ細かく行っている。
・更衣室も広さを確保し車いすなどでも利用しやすくなっている。社員食堂についても同様で、いずれもエレベーターでのアクセスが容易である。