面接時は保護者（親御さん）が同席。

・前述のように対象者は学校新卒者であり、在学中に就職活動を行っている。そうしたことから、採用内定後には当事者・関係者が参加したケース会議が開催された。会議は学校から職業へのスムーズな移行のための会議であり、対象者・保護者・学校・ハローワーク・地域障害者職業センター（以下「職業センター」という。）・事業所の総務担当者が参加。
会議では対象者が作成した「ナビゲーションブック」（対象者の障害特性や得意・不得意、配慮事項等まとめたもの）を基に具体的な配慮事項等が話し合われた。
・対象者は在学中から事業所での就職を視野に入れ、一年間をかけて4回の職場実習を行った（10日間を3回、5日間を1回。実習時間はいずれも8時から15時）。
・採用に際しては、個別の支援が必要と思われたことから、職業センターのジョブコーチ支援が活用された。

全体的な業務指導や相談は配属部署の現場管理者が担当し、具体的な作業指導は先輩社員が担当した。なお、先般社員は知的障害のある社員であるが、十分な知識・経験があり、後輩の指導ができるレベルにあった。実際にも適切な作業指導が行われ、対象者との関係も良好であった。

通常の製造ラインでの作業は処理速度などの点が懸念されたため、製造ラインに入るのではなく、専用（単独）の作業台にて作業する設定とした。そのため製造ラインのペースに影響されることなく自分のペースで作業を行えている。また、休憩などについても本人のタイミングで行けるようになっている。

配属先の部門責任者を通じ配慮が必要な事項については周知している。

検査知識に関する教育ケースを、理解しやすい内容にアレンジし、教育を実施した。作業に必要な検査知識に関する指導・教育方法を、対象者が理解しやすい内容にアレンジして実施した（手順を図示する、指導者が実演して示すなど）。