事業所とジョブコーチは連携しながら以下の配慮等を行った。

1．作業手順の定着等に向けた配慮（ジョブコーチとの連携支援）
・言葉のみでの作業指示では、意図することをスムーズに受け取れず、確実な作業内容の理解までには数回の繰り返し指示が必要であったため、指導担当の従業員（前出の担当者）をつけ、担当者はジョブコーチの助言を受けながら、対象者と一緒に作業を行い具体的なモデリングを行うことでスムーズな作業手順の定着が図れた。
・メモをとる習慣は採用当時から身についていたが、メモをとることに集中し過ぎてしまう場面が見られたため、ジョブコーチから対象者に効果的なメモの取り方について助言した。また、担当者とジョブコーチが相談しながら、対象者に応じたメモやマニュアルを作成し提示することで、確実で効率的な作業遂行につながった。

2．職場内の対人コミュニケーション、人間関係構築に向けたジョブコーチ支援
・場面に合せた言葉の選び方、対人距離の取り方についてうまく対応できないことがあったため、具体的な表現方法、適切な立ち位置や声掛けのタイミングなど、その都度必要な助言を行った。
・質問や確認が確実にできるよう、方法やタイミングについてその都度アドバイスを行った。また、担当者側には分かりやすい指導方法についての助言を行った。

3．安定した勤務に向けた家族との連携
・事業所での作業状況や気持ちの安定度合い等について、必要に応じてジョブコーチから家族に伝え、精神面でのサポートを依頼した。また、家庭での様子も伺うことで、支援に役立つ情報交換や意見交換を行うことができた。

4．今後の支援
・対象者の希望により、今後は障害者就業・生活支援センターに登録し、就業面と生活面でのサポートをしてもらうことを検討中である。

・これまで、いろいろな仕事を覚えること、人間関係に苦労をしたこともありましたが、信頼できるジョブコーチや上司に支えてもらいながら10年間仕事を続けてきてよかったと思っている。

・今後は困ったことがあれば自分から積極的に相談して解決していけるようになりたい。

・仕事の面においては、周りの人をサポートできるようになっていきたい。