対象者は障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という。）からの紹介であり、支援センター職員が同席の上で面接を行った。

直属の上司が担当者となり、業務内容の説明や相談の窓口になっている。
障害者だからといった理由で特別扱いするのではなく、必要な時に指導や相談を受けるといった他の従業員と同じように接するようにしている。

良品と不良品の選別業務において、良品との線引きをはっきりしてほしいという要望を対象者から受けたので、写真を使用した正誤表を作成し、明確に分かるようにした。その後、正誤表がなくても正確に業務が行えるようになった。

休憩時間は全従業員共通で、2時間ごとに10分、昼休みは40分の休憩時間を設けている。

・対象者から言葉による自発的な要求や考えが出てきにくいが、紙に書いて伝えることはできるため、意見箱を設置した。意見箱は誰でも使用できるようにし、対象者が気兼ねなく使用できるようにした結果、先述の正誤表作成の要望が寄せられた。また、相談の窓口を上司（担当者）で固定し、誰に相談すれば良いのかを分かりやすくした。
・本事例の事業所では就労支援機関との連携を重視している。対象者以外にも障害のある従業員が働いているが、ある知的障害を有している従業員については、支援センターと密に連絡を取り合いながら、上司（担当者）や周りが悩みを抱え込まないように対応しており、周囲との行き違いや休憩時間外の長時間離席等が発生した際には支援センターとすぐに連絡をとり、間に入ってもらう形で話し合いの場を設けるなどした。