（1）事業所の概要

株式会社タカショー（以下「同社」という。）は昭和55（1980）年の設立で、和歌山県海南市で環境エクステリア（インドアおよび、アウトドア庭園、緑化）に関する製品の企画開発、ガーデン用品の輸出入販売、エクステリア商品の開発設計、CAD、C.G.ソフトウェアの提供および処理業務を行う法人である。

【事業所沿革】
　昭和55年 8月　  和歌山県海南市に造園および庭園資材の販売を目的として株式会社タカショーを設立
　昭和57年 8月　  関東営業所（現：北関東営業所）を群馬県伊勢崎市に開設
　平成 2年 8月      九州営業所（現･九州支店）を福岡県筑後市に開設
　平成 3年 8月      東海営業所（現･名古屋支店）を愛知県知多市に開設
　平成 6年 2月      東京営業所（現･東京支店）を東京都千代田区に開設。首都圏の営業活動拠点として業務開始
　平成 8年 8月      広島営業所を広島県東広島市に開設
　平成 9年 5月      北陸営業所を石川県野々市町に開設
　平成 9年11月     東京支店埼玉出張所（現･埼玉営業所）を埼玉県坂戸市に開設
　平成11年10月    仙台営業所（現･東北支店）を宮城県仙台市に開設
　平成19年 7月     札幌営業所を北海道札幌市に開設
　平成19年 7月     新潟営業所（現･新潟三条営業所）を新潟県三条市に開設
　平成19年10月    本社を海南市内に新築移転し、旧本社を第二商品センターとする
　平成24年 1月     横浜営業所を神奈川県横浜市に開設
　平成24年 1月     新潟営業所を新潟市に移築し、旧新潟営業所を新潟三条営業所に変更
　平成24年 6月　  仙台営業所を宮城県仙台市に移築し、東北支店とする
　平成24年 9月     東京支店北関東事務所を群馬県前橋市に移転し、北関東営業所とする
　平成27年 8月     首都圏営業所を埼玉県戸田市に開設

（2）障害者雇用の経緯

同社における障害者雇用のきっかけは、現在の本社に移る前の本社建物には障害者用のトイレやエレベーターといった設備がなく、ある日、横浜から取引先の車いすのお客様が来社された際に、ご不便をおかけしたことである。

その時初めて自社の環境・設備が、障害によっては不便を感じるものであることを知った。

その上で、横浜から来られたお客様は、和歌山まで自分で車を運転してお越しいただき、仕事をしっかりとこなしている姿を見て、職場の環境さえ整えれば障害者も十分に活躍していただけることを同社の役員は強く感じた。これを契機に、障害者雇用について前向きに取り組み始めた。

（1）募集・採用

ハローワーク、障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センターと相談、連携しながら募集・採用活動を進めている。

本社所在地を管轄するハローワークかいなん（海南公共職業安定所）とは採用面で、また、海草圏域障害者就業・生活支援センターるーと（運営は社会福祉法人和歌山県福祉事業団。以下「支援センターるーと」という。）から定期的に訪問があり、障害のある従業員の就労状況と生活の面について情報交換し、常に連携をとっている。

人事施策では、「人を大切にする会社」を目指しており、パート雇用の方を「フレンド社員」の呼称に統一し、従業員が会社を好きになってもらう取組の一部としている。

人事制度としては、年一回、賃金の変更や勤続年数などの条件を満たす場合にはフレンド社員から正社員登用への道が開かれている。この制度は障害の有無に関わりなくすべての「フレンド社員」に適用している。

 

（2）職場の環境改善及び体制の整備状況

現在の同社本社の建物は、すでにバリアフリー対応で、車いす対応トイレ、エレベーターなどが設置されており、障害者に配慮した施設となっている。

同社は国内各地に拠点があるが、県外の拠点に所属する障害のある従業員に対しても本社と拠点は連携を取り、上司や人事担当者や必要に応じて産業医とのＷｅｂ面談について本人に制度を伝えて、希望があれば実施するなどの配慮をしている。

これらのことに加え、採用する前には支援センターるーとを通じて、必ず実習を実施している。実習をつうじて周囲の従業員に実習生の障害内容や適性を理解してもらった上で採用することとしている。

これにより、同社の従業員はみな障害者を身構えることなく受け入れる雰囲気があり、ピッキング、商品の補充など、毎日決まった業務が主になり、覚えるまで担当者が付き添って指導するなど、一人ひとりに応じた対応をしている。こうしたことも定着につながっている。
　また、入社後に障害を有することとなった従業員のケースで、通勤が困難な場合には在宅勤務の制度も整え、継続就労を実現している。

同社の物流センターは倉庫内でのピッキング、商品の補充などでの作業が主であり、労働安全衛生上では比較的危険度の低い職場ではあるが、様々な障害に配慮した更なる環境改善については今後の課題と捉えている。

　障害者雇用に取り組み始めた当初は、障害者に対する認識や知識が不足していて社内の一部に抵抗もあったが、実際に採用し、業務範囲を明確にするなどの工夫をすることで、思った以上に障害のある従業員が活躍できることが分かった。

　同社はこれからも人材獲得の一環として積極的に障害者雇用を進めて行きたいと考えており、その結果として社会的責任が果たせる企業になっていきたいと考えている。