2009年度作成

事業所名

株式会社西川  大原工場

所在地

千葉県いすみ市

事業内容

冷凍水産食品製造

従業員数

66名

うち障害者数

11名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由
内部障害
知的障害	11	解体1・冷凍4・梱包2・計量4
精神障害

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯
3. 取り組み内容、効果
4. 今後の展望と課題

1. 事業所の概要

（1）事業所の沿革

創業：文久年間
 

昭和29年3月：	千葉県勝浦市に、株式会社西川（本社）を設立
平成13年9月：	千葉県勝浦市に、株式会社西川フーズ（関連会社）を設立、その他、市場事務所・加工事業所・東京営業所及び、大原工場を設立

経営理念：	株式会社  西川は、育てられた地域を大切にし常により良い顧客満足を実現するサービスを通じてお客様と社会に貢献して参ります
基本概念：	わたしたちは、水産加工業者として、「安全で安心な食品」を提供するために、食品安全マネジメントシステムを構築し、定期的な見直しと改善を図ることにより、有効性を継続的に改善します

（2）業務内容

企業の特徴として、1）廻船業→外来船（主にカツオ一本釣り船団）の誘致。2）鮮魚出荷→主力出荷はカツオ・マグロ類で、量販店へ直送販売。3）卸売業→房州地域の大手ホテル・ゴルフ場へ納入。4）加工業→主に輸入鮭の定塩フィール加工。5）輸入業→銀鮭・紅鮭・トラウト等を直輸入し原料販売を行っている。

大原工場には、「トンネル・フリーザー」を設置している。この、「トンネル・フリーザー」は、45分～60分という短時間で製品（定塩鮭フィール）を凍結することができる冷凍庫装置である。

従来の凍結工程は、マイナス30度にも及ぶ冷凍庫の中での作業であったが、本装置は、冷凍庫の中に入ることなく、ベルトコンベアー方式で凍結工程が行なえるため、充分安心して作業ができる。

また、当社では、海外、タイ・中国の研修生及び実習生と日系フィリピンの外国人労働者の雇用を受け入れている。

2. 障害者雇用の経緯

障害者の雇用には、いすみ特別支援学校、いすみ学園、及びハローワーク（公共職業安定所）から採用している。全員、知的障害者である。

当社の鮭加工ラインに「いすみ学園」からの障害者が外部研修というかたちで手伝っていた。

外部研修では、障害者が行なう作業には必ず先生が付いている。一緒に手伝う先生の支援と真面目に働く生徒の皆さんにより、今日の積極的な雇用につながった。

また、当社の社員はすべて現場の経験を経てくるため、障害のある社員の行なう仕事に対しても熟知しており、安全面や環境面での充実を実施している。

基本的には、現在はハローワークからの雇用がメインである。

皆、一生懸命にライン作業の中で働いている。現在、ラインも整備中なので、必要があれば更に障害者の雇用も考えている。

3. 取り組み内容、効果

（1）労働条件等

①労働条件（賃金・労働時間等）
勤務時間はAM8:00～PM5:00  障害者と健常者の差別は無く、完全フルタイムで勤務している。

②昼休み休憩1時間  3時休憩  3時から15分間

③年間休日52日  日曜他祭日、年末年始、年次有給休暇（初年度10日、最高20日）

④賞与は夏季・冬季

⑤定年は65歳とし、本人と相談して再雇用する。但し、1年毎の更新。

（2）取り組みの効果

人にはそれぞれ性格や特徴がある。まず、適正だろうと判断した職場での作業を行い、作業している現場状況をみて、工場長及びライン責任者が適正にあった職場配置を行っている。

大原工場では、人が交差しないような安全性を重視したラインを考慮している。

障害のある社員に対しては、必ず「責任者」をつけている。何かあれば必ず責任者を通すようにしている。

職場で働いている個々が、他の者に「自分が今何処にいるか」が判るように表示するシステムを採用している。

視覚でも判断できるように写真等を貼り付け等の表示の工夫を行っている。

毎週月曜日には、昼礼を全員で行っている。「何をやるか」「何をしてはいけないか」等。昼礼で行なった事項については、工場入口の掲示板に貼りだして、いつでも確認できるようにしている。

4. 今後の展望と課題

全ての基本は「挨拶から」をモットーとして、健常者、障害者、外国人に区別なくコミュニケーションの充実を図ることとしている。

平成19年度に障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用し設備の安全化・高度化により、知的障害者が充分作業の出来る環境を作った。

このことにより、知的障害者の長期かつ安定雇用に貢献できた。

能力評価として、株式会社  西川は「HACCP」を取得した。HACCP方式を取得するため、社長を中心として、関係社員のすべてが外部講習等のHACCP講習を受講してHACCPに対する知識や現場でのルールを学びHACCPを取得している。

最初、「冷凍」「冷蔵」「常温」の区別がつきにくい。これを現場管理者は、根気よく指導している。また、「ここに置くと腐る」という意味がわかりにくいことから、全員が1対1で指導している。

「出来ない」「手が遅い」などのイメージがあるが、真面目で、覚えたら早い。ただし、一生懸命働いてしまうので、休まない等の状況が見られることがある。そのため、現場管理者が様子を見て、休ませたり、顔色をみたりして判断をしている。

社内では誰でもわかりやすい「定置管理の徹底」を行っている。物を取り出したら必ず元の場所に戻すなど、誰もが理解し、行動しやすいルールの明確化に力をいれている。

勤勉で真面目であり、会社にとっては「必要な人たち」である。

福利厚生・健康管理では、年1回健康診断を行っている。食品関係の会社なので、適宜に「検便」を行っている。毎朝、熱があるか、怪我があるかどうか等を「チェックリスト」によって確認している。

すべての基本は「挨拶から」を最重点とし、どの社員もこれをしっかり守っている。研究生・実習生の外国人も同様に日本語で挨拶していた。

2005年9月1日に、民間の国際認証規格である「ISO22000」（食品安全マネジメントシステム）の認証も始まっているため、当社は全社員、全従業員が一丸となり取得を目指して日々努力している。

HACCP等各種認証の取得により、全ての従業員が理解ができる食品安全性コントロールのレベルアップに繋がり、より多く社会に貢献できるであろう。

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