合同会社セグチパッケージにおける障害者雇用の現状
1. 事業所の概要等
| 代表者： | 会長 瀬口 高雄 |
| 設立： | 昭和47年12月 |
| 作業内容： | 紙器の梱包作業、検査作業 |
| 勤務形態： | 正社員 8：30～17：15（1時間休憩） 週40時間勤務 休日 祝祭日、第2・4土曜日 |
| 障害者雇用の経緯： | 昭和50年から障害者雇用に取り組まれている。当初から障害があっても雇用することへの抵抗はなく、ハローワーク（公共職業安定所）のアドバイスにより、人手不足の解消策として取り組んできた。 |
| 他機関の連携状況： | 東京都心身障害者福祉センターの利用：多くの社員を紹介され、雇用につなげている。 |
| 特別支援学校からの実習受け入れ： | 学生の社会経験として、職場環境を提供している。 |
| 南埼玉病院からの社員受け入れ： | 医者からの依頼で、精神障害者の自立支援として雇用した経験がある。 |
| 瀬口会長の「生活寮」運営経験： | 約20年間、瀬口会長やご家族が生活寮の運営に携わってきた。その経験もあり、相談機関や役所をフル活用しなくても、社員の就労・生活に関する相談やきめ細かい支援が実施できる環境を提供している。 |
| 各種助成金の利用： | 社会保険労務士やハローワークと相談して、使える制度を利用している。 |
| 社内イベント： | バス旅行などを行っている。 |
| 採用について： | 主に知的障害者を雇用する方針。その中でも、若い労働力、自閉症などが望ましいとの考えであった。 |
2. 取り組みの内容
（1）業務紹介
紙の箱づくりは、まず打ち抜き機で型を取る
打ち抜き機で仕上がった紙の箱
山折り・谷折りをつける機械に紙をセットする
山折り・谷折りは、スピーディに機械で流れていく
山折り・谷折りが完了した紙を検品する
検品後、箱詰めする
検品～箱詰めは、ペアで手際よく行っている
箱詰めを丁寧に行う姿
（2）業務における工夫点
① 作業を覚える際は、社長・工場長からのOJTがある。
② 一人ひとりのレベルに合わせて、厳しく業務方法を伝える。
③ OJTが厳しい分、毎朝会長がコミュニケーションをはかり、社員へのフォローを徹底している。
3. まとめ
セグチパッケージを訪問して感じた2点を挙げ、まとめとする。
① コミュニティーワークとしての障害者雇用
昭和47年から知的障害者の雇用を始め、自然な形で進めてきた瀬口会長の手法を一言で言うならば、「コミュニティーワーク」である。
社会資源や使える制度が乏しい時代の中で、先駆的に知的障害者を労働者として採用した瀬口会長。その実践は社員が安心して働けるよう、町会長を勤めて地域の第一人者となり、障害者雇用の基盤づくりを展開してきた。
現在は学校・商店街・警察・病院など町内各地で、「瀬口さんのところで働いている社員さん」と認識され、社会で当たり前の姿として受け入れられている。
この取り組みから、瀬口会長のベースが地域貢献であり、社会全体で障害者雇用を支える視点が備わっているところを垣間見ることが出来る。
②就労支援＋生活支援
障害者が働く上で、うまく働けるよう環境を整えていくことは当然である。それに加えて瀬口会長は、社員の生活面に関しても相談に乗り、共に取り組んできた。
例えば、社員の父母が亡くなった際は、精神的サポートに加え、本人ができなかった洗濯の世話や、区役所への複雑な提出書類の申請に対しても助言してきた。
またお金がないのに夜遊びをして、最終的には病院に搬送された社員への対応も一つひとつ丁寧に対処してきた。
障害の有無に関わらず、まずは生活面が安定することで、いい働き方ができる。このことを知り、実践するセグチパッケージの今後も是非注目していきたい。
亨アンケートのお願い
皆さまのお役に立てるホームページにしたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いします。
なお、事例掲載企業、執筆者等へのお問い合わせや、事例掲載企業の採用情報に関するご質問をいただいても回答できませんので、あらかじめご了承ください。
※アンケートページは、外部サービスとしてユミルリンク株式会社提供のCuenote(R)を使用しております。
