事業所名

有限会社田代商店

所在地

香川県観音寺市

事業内容

古着販売から始まり、衣類資源のリユース・リサイクルを事業展開

従業員数

67名

うち障害者数

7名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害	2	ウエス梱包業務、粗選別業務
肢体不自由	2	ウエス裁断業務、粗選別業務
内部障害
知的障害	2	ウエス裁断業務、粗選別業務
精神障害	1	清掃業務

目次

1. 取り組みの背景
2. 取り組み事例
3. 全体としての評価

ホームページアドレス

http://www.tashiroshouten.co.jp/

事業所外観

1. 取り組みの背景

祖父が昭和初期より古着販売を取り扱ってきた。昭和43年頃から徐々に父（田代幸男氏）が、事業を拡大発展させてきた。昭和50年頃に環境問題がクローズアップされ、3つのR（Reduce、Recycle，Reuse）が喧伝されるようになったことを受けて、衣類資源のリユース・リサイクルに本格的に力を入れた。昭和63年、有限会社田代商店へ社名変更すると共に、輸出にも注力し、工場倉庫の建設整備等業容を拡大させた。現在では、年間数千トンを処理する中四国では有数の事業規模となっている。

障害者の雇用促進は環境企業として会社の理念ともマッチしており、経営者は今後とも積極的に取り組む方針である。また会社の近くに養護学校、作業所が立地していることから先生や指導員との交流も長く、職場実習やトライアル体験で協力していた実績がある。本格的な採用は事業の拡大に合わせ10年前にスタートし、5年前から採用を増加させ現在は7名となっている。

2. 取り組み事例

a．障害者雇用への取り組み

・ 経営者の障害者雇用への理解が深かったため、10年前から採用がスタートした。現在は7名で男性3名、女性4名で20代から40代まで適材適所で活躍している。

・ 社長の障害者雇用に対する考え方は、工場長はじめ各リーダーに浸透している。各担当業務は、グループで仲間と協力して和気藹々とこなしている。

・ 障害者とはいえ年齢相応の感性を持っていることから、女性の感性、20代の若者の感性や40代の感性を持ったベテランとのコンビで古着のリサイクルが可能かどうかという重要な判断を任されている。また重要な判断をしていることで障害者自身が働き甲斐ややりがいを感じ、生き生きとした職場となっている。

b．職場配置と教育指導

・ 本人の希望を優先しているが、家族の了解、ジョブコーチの意見等も参考に職場配置をしている。しかし実際に働いてみて不都合な場合もあり、その時は臨機応変に対応している。経営者は「障害者本人が会社へ来ることが楽しい」ということをモットーにしており、基本的に本人の希望を尊重している。

・ 障害の内容や程度に応じた適材適所の職場配置をしている。ペアやグループで従事する仕事が多く、健常者と一緒に和気藹々とこなしている。

・ 教育指導は、工場長をはじめ各部署のリーダーが中心となってOJTで指導している。また職業生活相談員を既に1名養成しており、さらに1名追加で養成予定である。仕事面での指導のほか職業生活全般の相談にのりアドバイスしている。

・ 家族と事業所・行政が一体となり教育指導することを重視している。

c．職場内での人間関係

・ 業務内容からも健常者と障害者が混在している職場であり、工場長、各部署リーダーを中心に障害者への理解も浸透して和気藹々と仕事をこなしている。

・ かつては懇親を深めるための花見、社内旅行、新年会、忘年会と活発であった。最近は仲間同士でのカラオケ、ボーリング、食事会等が中心で健常者、障害者の区別無くコミュニケーションが図られている。

d．健康面への配慮

・ 個人個人の体調に十分注意を払っている。

・ 特に知的障害者、精神障害者については、かかりつけの医者との連絡を密にしている。薬の変更時等には、情報交換や注意事項など打ち合わせ対応している。

e．家庭との連携

・ 経営者自身が職場での問題解決のほか、家庭との連絡を密接にすることを重視しており、重要事項は必ず両親を含めて相談することを基本にしている。

・ 事業所側でも従業員の中から職業生活相談員を既に1名養成して指導に当たっており、さらに1名追加で養成予定である。職場の問題以外にも気軽に相談にのり解決を図っている。

・ 会社での情報も家族に伝え、健康管理を含め家族が中心になり連携協同して支援体制を図っている。

ウエス作業

ガードレール付の
ベルトコンベア

特別仕様の裁断機

各作業所の集中管理

工場内作業風景

3. 全体としての評価

当事業所は、環境企業として事業を拡大させると同時に、障害者雇用についても企業理念ともマッチすることから、着実に雇用を増加させ積極的に取り組んでいる。

障害者といえども健常者と変わらない能力を障害以外の点では有しており、適材適所で活用して大きな戦力となっている。当社では20代の若い感性と40代の感性のコンビで衣類資源のリユース・リサイクル分類の重要部分を担当している。

社長、工場長や各リーダーを中心とした事業所、本人とその家族、関係する行政との3者の連携・協力・合意を基本にして障害者の雇用を着実に推進している。