明るい職場の環境作りと福利厚生の質の向上を目指す
~障害者も安心して働ける職場作り~
- 事業所名
- ハリソン興産株式会社
- 所在地
- 愛媛県今治市
- 事業内容
- ハリソン東芝ライティング株式会社の福利厚生業務の受託
- 従業員数
- 42名
- うち障害者数
- 3名
-
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 1 緑化管理 内部障害 1 郵便物の集配、トレーニングジムの運営管理 知的障害 1 緑化管理 精神障害 - 目次
1. 事業所の概要
・事業内容
ハリソン東芝ライティング株式会社の福利厚生業務の委託
・従業員数
総数42名 うち雇用障害者数3名 雇用率11.90%
身体障害者 | 知 的 障害者 |
精 神 障害者 |
担当業務 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
視覚 | 聴覚 | 肢体 | 内部 | |||
旅券の購入手配 | ||||||
1 (2) |
郵便物の集配 トレーニングジムの運営管理 |
|||||
駐車場・社宅・食堂等の運営管理 | ||||||
教養講座実施 | ||||||
校内清掃 | ||||||
1 (4) |
1 (4) |
緑化管理 |
※( )内は配属されている従業員の総数
・沿革
昭和55年 | 事務所をハリソン電機(現:ハリソン東芝ライティング株式会社)内に設置、福利厚生関係事業を開始。 |
昭和63年 | 現住所にハリソン興産ビル完成、ハリソンクラブ運営開始。 |
平成5年 | OA機器の販売及びメンテナンス業務を開始。 |
平成9年 | 家庭電化製品その他の販売業務を開始。 業務用消耗品・販売品の購入業務、保険業務を開始。 環境測定の事業開始。 |
平成10年 | トレーニングジム完成。 |
平成11年 | 営業業務を委託。 |
平成12年 | 名刺印刷業務を開始。 |
平成13年 | 旭町駐車場完成、運営開始。 ハリソン東芝ライティング株式会社の従業員用の駐車場・社宅・寮及び食堂の管理業務委託。 |
2. 取り組みの経緯、背景
ハリソングループは、地球環境に優しい省エネルギー・環境調和型の「光」製品、人に優しい安全で使いやすい「光」製品の開発を通して、産業機器用光源分野の企業として成長してきた。その中で、社会の中で共存できる企業としての社会的貢献への意識が高まっていった。特に、グループ全体での障害者雇用に対する意欲や理解は高く、現在も多くの障害者が活躍している。また、従業員一人ひとりも障害者雇用を重要なものと捉え、障害の有無に関係なく、共に働こうという考えである。
ハリソン興産株式会社としても、雇用の意思があり、親会社であるハリソン東芝ライティング株式会社から委託されている緑化管理や軽易作業ならできるのではないかと考え、公共職業安定所(ハローワーク)や派遣業社に依頼し、平成19年に障害者3名を採用することとなった。
3. 取り組みの内容及び効果
(1)障害者雇用の取り組み
『障害の有無に関わらず、高齢者も女性もすべての人々が、ありのままの姿で自立し、普通の生活を営み、社会活動に自由に参加できる。』
これは、ノーマライゼーションの理念である。
この事業所では、週1のミーティング等を通して、全従業員が障害者雇用に対して共通認識をもつことや、ノーマライゼーションの理念の更なる理解を推進している。また、個人レベルでのボランティア活動も盛んで、従業員は、幅広く障害者と共に生きることを考え、人と人とのつながりを大切に、日々業務に取り組んでいる。
◎ チームワーク
働きやすい職場とは、他の従業員を信頼し、気軽に相談ができ、休憩中には他愛もない話があふれ、皆が周囲に思いやりをもてる場所ではないだろうか。
この事業所では、誰もが働きやすい職場を目指し、チームで工夫しながら対応している。緑化管理の部門では、安全面から健常者と障害者が一対一ないし、一対複数で必ず行っている。業務において何らかの困り感が生じた場合は、本人と実際に現場で働いている従業員たちが、チームで試行錯誤しながら改善方法を考え、また、それを上司に報告するなど、皆でよりよい環境作りを目指している。また、コミュニケーションについては、互いに理解し合いたいという思いをもってカバーし合っている。
互いに尊重し、皆で協力しながら何かをやり遂げる意識の高さは、ハリソングループが長年社会的貢献に力を入れてきた成果であり、従業員一人ひとりのモチベーションの高さである。
◎ 共に生きること~ぱたぱた販売を通して~
雇用とは直接関係はないが、ノーマライゼーションの理念から、障害者とかかわる機会を設け、従業員一人ひとりの意識の向上を図るねらいの1つとして、平成20年11月からぱたぱた販売が開始された。また、共に生きる者として、障害者の方々の自立と社会参加を応援するという意もある。
ぱたぱた販売とは、ぱたぱた作業所が行っている障害者の社会訓練活動であり、社内でバウンドケーキ等を販売している。現任の管理部長が以前からかかわっているボランティア活動の関係で、今回の作業所との取り組みが可能となった。このような事業所と作業所とが連携した取り組みの実践は、あまり例がないが、準備から丁寧に進め、実施に至り、現在も活動は続いている。
(2)雇用の効果
どんな人であっても、はじめての世界に入った当初は、周囲の環境に戸惑ったり、緊張したりする。しかし、時が経つにつれ、入ったばかりの人も、元々そこにいた人も、互いに理解し、尊重し、協力し合い、そして、信頼関係が築かれる。
従業員一同、周囲はあたたかい目で見守っており、事業所で働く障害者皆が、他の従業員と信頼し合いながら、共に明るく、元気よく業務に取り組んでいる。そこには、障害者だからという特別扱いは全くない。あるのは、生き生きと働く障害者たちの姿である。なかには、改善提案提出累計が社内で第2位の方もおり、周囲の協力を得ながら、自分の力を最大限に発揮している。
チームでの活動を大切に
◎ ぱたぱた販売
「今日は早く来たから、買えるな。」と笑顔になる人。ぱたぱたを見るなり、指差し、顔がほころぶ人。昼食を済ませた後、買ったバウンドケーキを片手に会話に花を咲かせている人々。
ぱたぱた販売は、月2回で実施しており、それが始まった当初から、従業員の毎月の楽しみとなっている。なかには、顔馴染みとなっている人がいるなど、社内全体に彼らの活動、ぱたぱたは浸透している。また、販売するバウンドケーキやクッキーは、大変好評で、早い時では10分ほどで完売するそうだ。
事業所が始めた一人ひとりの意識の向上を図る取り組み、ぱたぱた販売は、確実に従業員の意識を変えてきている。彼らも、菓子を作り、販売するという自分の仕事を頑張り、買った人の笑顔に、仕事の喜びや達成感を感じ、また一生懸命仕事を頑張る。自分がしたことで誰かが笑顔になる、誰かが感謝してくれるという生きる醍醐味を、また、従業員も彼らの姿から感じ、改めて自分の仕事について考えるのだろう。
ぱたぱた販売の様子
(3)障害のある社員の声
緑化管理では、水遣りや剪定、緑化スペースの清掃、鑑賞用の植物管理など、緑を豊かにするための業務を幅広く行っている。
今回、緑化管理の部門で働いている障害者の方2名、WさんとMさんにお話を伺うことができました。
Q どのような時に、仕事にやりがいを感じますか?
自分たちがしている仕事に対して、他の従業員が「きれいにしていますね。」などと声を掛けて下さった時や、目標にしていたことが達成できた時ですね。それから、新しい何かに挑戦している時、こうしたらどうかなどと、どんどん新しい発想が出てきて、それが起点になって、また何かに挑戦していく、という面白さもありますね。(Wさん)
Q どのような仕事が好きですか?
私は、長く造園業をしてきたこともあり、草抜きが好きです。時には、時間を忘れて没頭してしまうほどです。(Mさん)
Q 働きやすい職場ですか?
この職場は、最高です。まず、現場の指導者も上司も関係なく、誰でも話を聞いてくれるという人間関係の良さです。それから、緑化管理業務では、外作業がほとんどであるため暑さは大変ですが、自分たちのペースで着実に仕事をこなしていくことができる点ですね。(Wさん)
皆、優しい方ばかりでとても働きやすいです。普段からさまざまな相談に乗って下さっていて、伸び伸びと日々の仕事を頑張っています。(Mさん)
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