2009年度作成

事業所名

株式会社 みずなし本陣

所在地

長崎県南島原市

事業内容

火山学習施設、土産品店、レストラン等を有する観光施設

従業員数

37名

うち障害者数

6名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由
内部障害
知的障害	6	厨房内での盛り付け、皿洗い、施設内の清掃、草刈、食事の片付け
精神障害

目次

1. 事業所の概要と障害者雇用の理念
2. 障害者雇用の経緯と現状
3. 取り組みの内容
4. 取り組みの効果

1. 事業所の概要と障害者雇用の理念

（1）事業所の概要

雲仙普賢岳噴火災害を通じ、自然の驚異とその爪痕を後世に残すと共に、災害からの経済復興・観光振興を目指して平成11年4月、土石流で流失した被災地跡に「道の駅」の運営会社として開業した。島原半島の観光施設として、地域内の特産品、イベント等の情報発信機能や人的交流の拠点として役割を果たすと共に修学旅行、一般団体、個人客層まで幅広く受入れ平成20年度の入場者数は約50万人の実績となっている。

（2）障害者雇用の理念

障害者雇用を通じて、地域社会との連携強化が可能と考え、また、障害者の安定雇用が企業としての社会的貢献の一つの推進策と位置付ける。

2. 障害者雇用の経緯と現状

（1）障害者雇用の経緯

平成14年、地域内の障害者福祉施設より「当時、長崎県障害者雇用促進協会・現在、長崎県雇用支援協会」の利用を勧められ、協会の業務や障害者雇用にかかる支援内容等の説明を受けると共に、助言によりハローワーク（公共職業安定所）へ求人提出を行い、同年12月初めて知的障害者1名の雇用を実現した。その間にもハローワークで勧められた職場適応訓練等の制度を活用し、15年4月には新たに5名の障害者の雇用をすることが出来た。訓練中途に病気療養で採用までに至らなかったり、自己都合退職者が生じるなどもあったが、障害者職業生活相談員の配置や障害者職場定着推進チームを設置し職場の改善等を図りながら現在では雇用数は知的障害者6名（うち重度5名）となっている。

（2）雇用状況と業務内容

当社の従業員37名（平成21年7月現在）の内、6名の知的障害者を雇用しているが年齢の幅が大きく27歳から54歳までとなっている。また、障害の程度も重度障害者が多く、雇用支援協会の提案で障害者介助等助成金の活用や、障害者職業センターのアドバイスを受けながらジョブコーチ支援を利用するなど、従業員の教育と平行しながら雇用継続出来る環境づくりを目指している。
現在職員の勤続年数は7年から1年未満となっている。

業務内容については次の通りである。

性別	年齢	障害の種類	採用年月	業務内容
男	53	知的障害（重度）	平成14年4月	食器の洗浄と収納・盛付け
女	52	〃       （重度）	平成15年4月	〃
男	27	〃       （重度）	平成15年4月	〃
男	54	〃       （重度）	平成19年4月	清掃（施設の内外）・除草
男	52	知的障害（軽度）	平成21年5月	〃
女	39	知的障害（重度）	平成21年5月	〃

1）作業工程

①食器洗浄作業、収納・盛付け（男性2人・女性1人）

白衣に着替え・手の消毒  →  小鉢類の盛付け  →  食器の下洗い  →  洗浄・乾

燥機に食器を入れる  →  食器棚に収納  →  片付け・厨房内の清掃

②清掃（施設の内外）・除草（男性2人・女性1人）

作業着に着替え  →  トイレの清掃  →  屋外のゴミ箱回収  →  団体用食事の後

片付け（必要時）  →  駐車場等施設周辺のゴミ拾い・草取り  →  後片付け

2）労働条件

労働条件はパート形態を採用し、勤務時間は午前9時から午後3時～4時までの間で1日5～6時間程度。一週間の勤務日数は4～5日。賃金は時給628円。

3）生活の拠点

自宅：1人（男）グループホーム：1人（女）

通勤寮：4人（男3人・女1人）

4）通勤方法

自宅通勤の1人は自転車通勤を基本としているが、他の5名は公共交通機関（バス）を利用している。今年入社の2人はバス通勤に対する不安があり、当初ジョブコーチの支援を受け訓練を実施、現在は各々バス通勤を行っている。

3. 取り組みの内容

職場定着に向けての取り組み

1）障害者・健常者の相互理解

当社が雇用している障害者6人の内、3人は勤続6年～7年経過し現在も意欲的に仕事に取り組んでいる。感想を訊ねても「会社に来るのが楽しい」、「皆で仲良く仕事が出来る」「これからもこの会社で長く働きたい」などの声が聞かれる。これは障害者同士の人的関係は勿論、当社の一般従業員との間においても相互の信頼関係、コミュニケーションが構築されている結果と受け止める。

2）各関係機関との連携

雇用支援協会・ハローワーク・障害者職業センター・福祉施設等の関係機関との連携を保ちながら様々な支援体制の下、障害者の職場定着に取り組んでいる。

4. 取り組みの効果

障害者の雇用を通じて、当社従業員も障害者が仕事に取り組む姿勢（努力、勤勉性 など）に接し、障害者に対する考え方や理解力が整った職場環境となっている。また、 障害者も自らが一生懸命に仕事に取り組むことによって、職場に適応しようとする姿 勢が感じられる。これらにともない、従業員、障害者相互間の信頼関係・協調性が芽 生え良好な関係を構築している。

一方、当社は島原半島内の観光施設として集客しているが、福祉施設関係の方々の 利用も多く受入れている。その際の接客マナー等、受入れ態勢においても障害者雇用 を通じて学んだノウ・ハウを実践に生かしている。

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