事業所名

株式会社天野金物（スーパーセンターアマノ）

所在地

秋田県男鹿市

事業内容

各種商品小売業

従業員数

204名

うち障害者数

6名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害	1	惣菜部門（弁当・寿司等の製造）
肢体不自由	2	惣菜部門（弁当・寿司等の製造）
内部障害
知的障害	3	青果部門2名、惣菜部門1名
精神障害

目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯・背景
2. 取り組みの内容
3. 今後の展望と課題

事業所外観

ホームページアドレス

http://sc-amano.jp/

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯・背景

昭和7年男鹿市に小さな店舗を開いた。昭和58年の日本海中部沖地震で壊滅的被害を受けたことを転機にホームセンターとして再スタート。その後、アメリカの店舗視察で、田舎の巨大店舗で生活用品全てが揃うスーパーセンターの存在を知り、調査研究を重ねる。平成10年、南秋田郡に東北初のスーパーセンターをオープンした。

現在、男鹿市・秋田市の計3カ所でスーパーセンターを営業している。

地域社会への貢献を企業使命のひとつとする当社では、社会的責任として障害者の法定雇用率クリアをひとつの目安としており、障害者雇用に当たっては、関係機関との連携でトライアル雇用制度など、公的支援を有効に活用している。

また、地域の特別支援学校の職場実習も受け入れており、実習を体験した生徒がそのまま当社での就業を希望し、雇用に至ったケースもあった。

2. 取り組みの内容

障害者の雇用状況は、現在、3店舗に2名ずつ配置しており、うち社員1名、パート5名となっている。6名全員が食べ物を扱う生鮮部門に配置されている。衛生面、鮮度面に注意しなければならない重要な仕事であり、非常に神経を使うが、上司の指示で真面目に取り組んでおり、何ら支障無くこなしている。

障害者の雇用は、主にハローワーク（公共職業安定所）主催の「障害者就職面接会」を利用している。この面接会には、当社での就業を希望する障害者が直接面接に来るが、当日は面接担当者が適性を判断し、後日、役員面接を行った上で採否を判断している。

合計2回の面接で適性を判断しているほか、採用時の配置は、障害者と仕事をした経験を持つスタッフがいる部門としている。特に生鮮部門は年配の従業員が多く、面倒見がよいことからトラブルも少なく、定着率も良い方ではないかと思っている。

採用時の研修は、聴覚障害者の場合、2日間の座学と、配置される惣菜部門の揚げ物実習を指導担当者が付いて1日行った。3日間の研修中は、手話通訳者をお願いしたが、その後は特に問題も無かったため、口話と筆談でコミュニケーションをとっている。

青果・惣菜部門に採用した知的障害者の場合は、ジョブコーチ支援を利用せず、衛生面に特に注意しながら、野菜の配置場所を繰り返し教え、指導担当者とともに、パックと袋詰め作業を実際に行いながら指導している。

障害者を初めて受け入れる際には、コミュニケーションがうまくとれるか、仕事に支障はないか、事故を起こさないかなど、不安が多かったものの、配置する部門へ障害の種類・程度を事前に説明し、周囲の理解を得るようにしたため、従業員の接し方も的確で、そうした危惧も払拭された。他の従業員の話を聞いても、彼らはすっかり貴重な戦力となっており、職場のみんなと仲良くやっている様子が見られ安心している。

惣菜部門でシャリ炊きの準備

惣菜部門で洗い物の様子

3. 今後の展望と課題

厳しい社会情勢が続いているが、一定の障害者雇用枠はできるだけ確保し、障害者の社会進出を微力ながらバックアップしていければと思っている。当社の経営スローガンに「お客様の満足、共に働く仲間たちの満足、効率改善をキーワードに、組織としての知恵を結集する。」とあるが、今後も働く障害者が満足し、やりがいを持って仕事に取り組めるよう仲間として見守っていきたいと考えている。

来年度は、特別支援学校を卒業する知的障害者を、青果もしくは衣料部門に雇用する予定である。