2009年度作成

事業所名

日本光電富岡株式会社

所在地

群馬県富岡市

事業内容

医療機械の開発、製造、販売

従業員数

500名

うち障害者数

6名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	3	マスキングテープ貼り、プリント基板修理、生産
内部障害	3	営業、印刷
知的障害
精神障害

目次

1. 障害者雇用の経緯と背景
2. 障害者の従事業務、職場配置
3. 取り組みの内容
4. 取り組みの効果
5. 今後の課題

1. 障害者雇用の経緯と背景

もともと当社グループの創業者は、障害があるという理由で働く場のない人があってはならないとして、全国のグループ各社に対して障害者の雇用を提唱している。

当社においても、県内の障害者雇用促進研修や集団面接会に積極的に参加するなどし、障害者の継続的雇用が図られている。

2. 障害者の従事業務、職場配置

1）作業内容：マスキングテープ貼り作業

作業場所：富岡第二工場

プリント板ユニットの製造工程で表面実装部品を実装した後、指定された場所にマスキングテープを張る作業をしている。

2）作業内容：営業

作業場所：ユーザ営業、納期管理  富岡工場

自社開発した医用トランスを様々な分野のお客様に営業活動を行っている。

販売、納期管理を含めお客様に対応している。

3）作業内容：印刷業務

作業場所：印刷室  富岡工場

製品に付属する取扱説明書を社内で印刷しており、本体の生産にあわせて2台の印刷機の設定並びにメンテナンス等を含めた作業を担当し、必要なときに必要数を印刷して生産ラインに供給している。

3. 取り組みの内容

（導入教育）

臨時社員やパート社員を採用した際に、「教育委員会」が中心となり作成した導入教育のプログラムに沿って研修が行われる。総務導入教育、品質基礎教育、配属場所毎の現場教育が数日間行われ、工場内のほぼすべての工程でパソコンを使用するため、導入教育ではパソコンの基本操作を含めて教育が行われる。講習の受講、受講内容を理解したことを確認し、実際に作業できることを確認した後に実作業に参加する仕組みとしている。

（作業能力を見える化）

組立を担当する作業者の能力を表示した「できるシート」を作成し、作業場に掲示している。「できるシート」には、氏名と機種名、そして作業技能力を4段階に分けて記入されている。

4、手順書以外のことも指導できる

3、一人でできる（手順書を見なくともすべて頭に入っている）

2、手順書を見ながら、又は、指導を受けながらできる

1、一部の作業ができる

作業技能力が「できるシート」で表示されているので、各自の技能向上の目標がはっきりとし、就業意欲につながっている。

（職場環境の改善）

障害者や女性が多く働く職場であるため、重量物の運搬について作業負荷を軽減し、効率よく作業できる職場づくりを行ってきた。

具体的な改善として、

・ 作業台の作業面が高さ調整可能なものを作成した

・ すべての配膳台や搬送台をキャスター移動できる。

・ 工場内通路幅は車いすが余裕をもって移動できるように2メートルを確保。

・ エレベーターや障害者用トイレの設置。（助成金の活用）

・ 工場屋外に車いす専用の昇降機を設置。

・ 床にレールのない自動ドアの設置。

・ セル生産を導入し、休憩時間以外でもトイレや給水を自分の判断でおこなえる。よって疲労の蓄積は少なく、仕事に集中することができる。

・ 提案制度を導入し、毎年、作業、業務、作業環境の改善提案が250件以上提案され、提案が検討されることで、年間数千万円に上るコスト削減と職場の環境改善画が行われている。

4. 取り組みの効果

現在は、障害者が工場内にいることはごく自然であり、障害のある人、ない人を意識することなく、日常の業務が行われている。ここ数年は、毎年、養護学校の生徒さんの職場体験学習の受入れを行い、職業体験を通して医療機器を生産する工場の職場で働く機会を設け、作業者と交流を行っている。

5. 今後の課題

（聴覚障害者の雇用）

昨年までは肢体不自由の方を採用してきたが、昨年にハローワーク（公共職業安定所）の紹介で聴覚障害者の方をパート社員として採用した。当初、社外の手話技能者の協力と筆談を使って生産工程の補助作業を担当していたが、体調不良により、半年で退職することになった。今後、聴覚障害者を採用する機会があるとしたら、意思疎通ができるようコミュニケーションをとるための準備をする必要があるのではないかと思う。障害のない従業員が手話技術を身につけてから聴覚障害者を雇用し、活躍の場を提供できたらと考えている。

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