事業所名

株式会社  村山運輸

所在地

本社：東京都新宿区
府中営業所、国立営業所、八王子物流センター他

事業内容

貨物自動車運送事業、倉庫事業、各種製品加工事業、その他の業務

従業員数

250名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	ピッキング、梱包、フォークリフト運転
内部障害
知的障害	2	ピッキング、検品、化粧品加工
精神障害

目次

1. 経営理念・事業内容
2. 障害者雇用の取り組み
3. 実習・採用について
4. 障害者雇用についての今後の課題

事業所外観

1. 経営理念・事業内容

人材を確保し、育成して、創造性を高め、よりサービスを向上させ顧客満足度を高めて社会に貢献する企業を目指す。

事業内容

（1）貨物自動車運送事業

一般貸し切り貨物運送事業、引っ越しサービス業務、軽車両等運送事業

（2）倉庫事業

荷物保管管理業務、梱包業務、ピッキング・検品・値付業務、ダイレクトメール

発送代行業務、小荷物・貨物の取扱及び取次業

（3）各種製品加工事業

化粧品及び医薬品外品の製品・各種詰合せ作業、シュリンク包装加工、ピロ包装加工

（4）その他の業務

一般及び産業廃棄物の収集運搬業務

2. 障害者雇用の取り組み

（1）障害者雇用の理念

当社は、企業理念にもあるとおり、働くことが可能ならば、障害者も働くことを通じて社会に参加し、社会に貢献、自立していく事を社内に周知している。

（2）障害者雇用の経緯

① 雇用のきっかけ

雇用のきっかけは、地域の特別支援学校である。ハローワーク（公共職業安定所）からの雇用に向けた実習の要請があり、実習体験を通じて雇用に至った。

② 障害者雇用の推移と担当業務

＊ 平成19年3月に雇用したAさん(知的障害者)

地域心身障害者福祉センター・障害者地域生活支援事業所から体験実習を経て雇用。ピッキング作業を担当

＊ 平成20年4月に雇用したBさん(知的障害者)

地域特別支援学校からの紹介により、体験実習を経て、社内調整(議論)の結果、平成20年3月採用を決定。箱詰め、刻印検査などを担当

＊ 平成21年6月に雇用したCさん（身体障害者)

所轄のハローワークの紹介で面接。肢体面で安全作業上問題はないかを確認のための試用期間後採用を決定。ピッキング、梱包、フォークリフト運転などを担当

｛平成22年4月：1名（知的障害者）を雇用内定・ライン作業担当の予定｝

（3）障害者の受け入れ体制

① 体験実習の受け入れ

都立特別支援学校、ハローワークとの連携を密にし、体験実習を積極的に受入れている。

② 職域開拓

特に障害者向けの職域開拓は行っていない。現状の職域（職務）の中で本人の特性等を考慮し、同じ作業（チーム編成による）を担当し、指導のもと、スキルアップを図り、より高度な作業が行えるようにしている。

③ 教育訓練

＊ 挨拶の励行（おはようございます、ありがとう、さようなら、失礼します、お疲れ様です）

＊ 作業においては、本人の特性を考慮したバランスの良いチーム編成を行い、製品の相互確認により、より正確に、きれいな作業が行えるように指導している。

④ 障害のない社員への啓発

障害のある社員もない社員も誰もがその能力と適性を活かしながら働くこと、そのことが、社会貢献であることを朝礼や職場会議で話し合っている。

（4）障害者の育成ポイント

＊ 本人の良いところを引き出す、挨拶の励行、現場に慣れる、適材・適所に配置させること。

＊ グループ（チーム編成）作業に慣れさせ、本人の能力を判断するため、いろいろな作業に挑戦させることでスキルアップを図っている。

（5）支援について（定着支援）

① 社内支援

本人と会社管理者との連絡帳による日々の情報交換を行い、定着についての阻害要因、主に作業に関する課題、同僚との関係などの課題解決に努めている。

② 家族支援

本人の就労・生活状況の情報を会社と家族との連絡帳により共有し、本人の課題解決に努めている。

③ 出身学校の支援

出身学校から定期的な会社訪問があり、本人の情報の共有を行い、必要に応じ先生の指導をお願いしている。

＊ 入社当時の事例

入社時、緊張感からパニックになり、トイレへ閉じこもったので出身学校へ連絡。先生から出勤時のルール（出勤→タイムカード打刻→トイレ→朝礼→作業開始・・・・）をきちんと指導してもらった。その後パニックはなくなった。

④ 地域就労・生活支援センター

本人の課題解決が会社及び家族のみでは困難な場合には、市の心身障害者福祉センターに支援協力を得ている。現在、本人の情報収集のために定期的な巡回が行われており、支援機関主催のイベントへの参加案内などの情報を得ている。

（6）障害者雇用のノウハウ

当社では、障害者雇用について障害者も障害のない社員も区別なく生活していく事が通常なことであり、本来の望ましい姿であると考えている。実際のところ、障害者は担当作業の変更に敏速に対応することは難しい。しかし、特別な対を考えるのではなく障害のない社員と同じ作業手順を一から丁寧に反復して指導している。

（7）助成金の活用

特定求職者雇用開発助成金（特定就職困難者雇用開発助成金）

3. 実習・採用について

実習では、注意事項、作業内容・方法を的確に伝え、確実な作業ができるように指導を行っている。障害者だからということで特別扱いするのではなく大勢の人たちと馴染み、協調して働いていけるか等の適正を見ている。採用に当たっては面接を重視し、質問の意味が理解されているか、質問に対する答えが的を射ているか等の理解力を確認している。

＊村山運輸の障害者雇用についてのポリシー

障害のある社員、ない社員、誰もがその能力と適正を活かしながら働く事に、喜びを感じてほしい。そして、働くことで自己実現し、社会に貢献していることを認識してほしいと考えている。

朝礼

セット詰め作業

箱の組み立て作業

ロット印字機

注意喚起表示と5S掲示

セット作業

4. 障害者雇用についての今後の課題

当社は、顧客よりGMPを遵守した正確な品質の製品の納入を必須条件として求められているため、障害のある社員であっても障害のない社員と同じか、それ以上の作業レベルに達することが必要である。今後、障害を持つ作業者にも障害のない社員と同様に、特に人為的なミスの防止、高い品質を維持するために常に作業手順の見直しを行い、手順の励行と高品質意識の高揚を指導してゆく。