事業所名

株式会社丸協

所在地

富山県富山市

事業内容

建物の修繕・防水、ビル管理

従業員数

92名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	防水工事
内部障害
知的障害	2	防水工事
精神障害

目次

1. 事業所概要
2. 障害者雇用の経緯と現状
3. 会社の対応
4. 元気に頑張っています
5. 今後の方針と課題

事業所外観

1. 事業所概要

富山市市街地に本社を持つ株式会社丸協は、昭和45年の創業以来着実な発展を遂げ、平成17年に、建物のトータルアドバイザーとして、業務範囲を大幅に拡大した。

事業内容としては、

①塗装、耐震補強、外壁のひび割れ修繕、結露防止など修繕工事

②漏水、老朽化を抑えるためのシリコーン・トスコートやこの会社が開発したオリジナル生樹脂を使った防水工事

③大規模な清掃、エアコン・カーペットのクリーニング、それに、消臭・消毒など日常のメンテナンスを受け持つ総合ビル管理

以上、大別すると三つの事業になる。

事業内容案内版

2. 障害者雇用の経緯と現状

障害者雇用は、コンスタントに進められており、事情があり退職することはあるが、常時5名前後が就業している。

障害者雇用は難しいとされていた建設業にあって、課題を克服しながら取り組んだ先駆けとして高い評価を受けている。

技士、技能士、管理士など有資格の社員が多い現場作業が中心であるが、障害のある社員は、真剣で丁寧な仕事ぶりで貢献している。

現在（平成21年12月）は、建設業界の仕事量減少の影響もあって、障害者の雇用も厳しい情勢となる中で、3名が元気に働いている。

平成11年には、障害者雇用の促進で労働大臣表彰を受けた。

3. 会社の対応

障害者雇用をコンスタントに進めている丸協は、長い経験で、働く環境のノウハウが蓄積されている。

作業現場では、

①障害者が仕事に慣れるまで、マンツーマンでの指導を行う

②作業内容を系統化して、誤りなく順調にこなせるようにする

③作業チーム全体の理解で課題を解決する

などの工夫を日常的に行っている

また、日常的には

①家族との連絡を密にする

②健康管理の指導をする

③必要に応じ家族と相談の上個人生活についても関与する

など全面的な支援を行っている。

癒しの飾りがある事務室

4. 元気に頑張っています

現在就業中の3名は、いずれも男性で、防水工事に従事している。

Aさん  男性  49歳  身体障害  防水工事

Aさんは、平成20年1月の採用で、まだ社歴は2年（平成21年12月現在）だが、これまでも他の会社で防水工事に携わっており、経験は豊かである。

防水工事には、ウレタン、塩化ビニール、合成ゴム、セメント、それに丸協が開発した樹脂注入など様々な工法がある。

Aさんは、下肢にハンデイを持っているが、これまでの経験から多くの作業を理解しており「お客さんに喜ばれる仕事をしたい」「工事が完成した時の達成感がたまらない」と話しており、「できれば独立して仕事をしたい」と意欲満々である。

倉庫の資材

Bさん  男性  40歳  知的障害（重度）  防水工事

採用は、昭和62年3月で、富山県立しらとり養護学校を卒業して、すでに22年の勤続になる。

障害の状況もあり、メインの役割を果たすことは難しいが、どんな指示にも素直に応え、黙々と働く姿は、先輩や同僚から好感を持って受け入れられている。

自宅からバスで通勤しているが、現場へ向かうため朝早く（7時ごろ）からの出発は苦手である。

しかし、家族に迷惑はかけられないと、目覚ましをかけ、寝坊しないように努力してきた。

何といってもうれしいのは「給料日」、楽しみにして元気に働いている。

バス通勤からの解放をめざし、自動車の運転免許をとるのが当面の目標である。

Cさん  男性  27歳  知的障害  防水工事

富山県立富山養護学校を平成12年3月に卒業して、その年の4月に入社。

長く勤めているので、社会人としての生活は、会社とともにある。

防水工事に就いて9年になり、たいていの仕事はこなせるようになっている。

とても明るい性格で、作業現場でも人気者である。27歳の若さでてきぱきと仕事をこなすのが、好評の理由である。

本人にとっても、みんなに好かれているのが大きな励みとなっている。

県東部の黒部市に営業所があるほか、東京事務所があって仕事の範囲は広い。

Cさんは、県外での仕事が楽しみだと言う。青年の好奇心が見知らぬ土地での体験を求めているようだ。

さて、一番の望みは？と訊くと、「結婚したい」と即座に応えた。

県外の仕事に社用車で行くことがある

5. 今後の方針と課題

総務部長  新田  真由美さん

当社は、早くから障害者雇用の道を拓き、多くの方が働いてきた。

長い経験の中で、日常の生活にも気を配ることがあるなど、働きやすい環境作りに努めてきた。

また、丁寧に、根気よく仕事をこなす皆さんの力は、会社発展に大いに貢献してきている。

今（平成21年12月現在）の景況では、会社の労働力に余剰感があり、新規の障害者雇用は予定されていない。

しかし、問題の多い時期にあっても3人の障害者が元気に働いており、引き続き障害者雇用の促進を図る基本方針は変わらない。状況により、増員も考えたい。