事業所名

株式会社オークワ  メッサオークワガーデンパーク和歌山店

所在地

和歌山県和歌山市

事業内容

スーパーマーケット

従業員数

183名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	商品加工、商品陳列、発注業務
内部障害	1	商品加工、商品陳列、発注業務
知的障害	1	商品加工、商品陳列
精神障害

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯、背景
3. 取り組みの内容
4. 今後の課題と展望

事業所外観（メッサオークワガーデンパーク和歌山店）

1. 事業所の概要

食品スーパー「メッサオークワ」は、スペイン語で食卓を意味するメッサ（MESA）を冠に、こだわりの輸入食材や産直食材、豊富なデリカテッセン等、上質で高級な商品の品揃えでワンランク上の食生活を提供している。

また、西日本で初めてとなる「セルフレジ」を4台導入し、業界でも先駆となる無人レジの導入を果たし、現在43店舗212台が稼動している。

当事業所を含む、「ガーデンパーク和歌山」の施設は、和歌山県初のシネマコンプレックス「ジストシネマ」等が併設され、和歌山の新しいランドマークとして、若者から高齢者まで幅広い層から、人気を集めており、地元和歌山の活性化に大いに寄与している。

オープン  平成16年12月11日

延床面積  3,782平方メートル

売場面積  2,712平方メートル

営業時間  24時間

2. 障害者雇用の経緯、背景

（1）障害者雇用までの経緯

平成16年12月11日、オープン当初から、食料品販売の第一線で3名の障害者が元気に働いている。それまでは、それぞれの系列他店舗で勤務していたが、当事業所の新規オープンと同時に、現在の職場に配属された。

3名は、それぞれ、商品加工、商品品出し業務に従事し、そのうち、2名は商品の在庫状況を総合判断し、発注業務も行っている。

障害者の職場には業務マニュアルが完備されており、各々の業務について障害者が熟知しており、業務遂行上の支障はまったくない。

（2）事業所としての姿勢

満足して働ける受け入れ態勢は、当事業所のオープン当時からすでに構築されている。また、当事業所に配属された障害者は、他店舗で十分な業務経験を積み、各々戦力として元気に活躍している。

受け入れ態勢として、基本的には障害のある人・障害のない人の区別はなく、障害者の適応能力を十分考慮して受け入れ、人事考課も業務の遂行能力を勘案し、賃金面での処遇も同等で、各人の能力を最大限引き出せるような職場環境を構築し、障害者雇用の場を公平かつ平等に提供している。

業務内容についても、スーパー全般の業務の簡素化・合理化に積極的に取り組んでいる。むしろ熟練を要しない業務の簡素化（事務ミス・業務ミスのゼロ化）に向け、日々業務内容の洗い出し、改善を行っている。マニュアル化された職場環境は、誰でも仕事に参加できる環境を作り出し、障害者雇用の職場提供に繋がっている。

企業の日々の業務改善が、業務のムダ・ムリ・ムラをなくし、ひいては障害者雇用を受け入れる職場環境を構築している。

3. 取り組みの内容

(1)業務内容及び障害者の業務

○商品加工・商品品出し・発注業務

各々の食材の担当部門において、商品加工・商品品出し・発注業務に従事しており、日々の業務マニュアルに従って、能率よく、迅速に遂行している。また、その働きぶりは、障害のない人とまったく変わらず、元気に働く姿勢に「喜び」が実感として伝わってくる。
発注業務は、発注内容の結果がその担当食材部門の売上に影響する。
従来、発注業務では、担当者の長年の経験と「勘」により結果が大きく左右されるものであったが、当社では、平成15年6月よりGOT（グラフィック・オーダー・ターミナル）システムを導入したことにより、商品情報、過去の仕入れや販売履歴のほか、天気予報まで、必要な情報をすばやく確認できるようになった。そのため発注業務も担当することとなりその「楽しさ」と「責任」を肌で感じている。

商品加工業務
作業マニュアルに沿って、手早く、食材をカット加工していく

発注業務
季節的やその日の天候を加味し発注業務を行う。
すぐに結果が売上に反映されるので真剣なまなざしで
発注業務にも熱が入る

商品品出し業務（商品陳列）
その日の食材を丁寧に注意深くチェックし、
商品を陳列していく

（2）就業以外のフォロー

当事業所は、従業員数が183名中、3名の障害者が在籍する職場で、すでに職場の重要な戦力の一員としての位置づけを確立しており、毎日の仕事に勤しんでいる。

特段の対応はないが、事業所として、従業員とのコミュニケーションを非常に大切にしている。この障害のある・ないの分け隔てのない対応が、働き甲斐のある、楽しい職場を創出している。

(3)処遇

当事業所では障害者が、労働時間・賃金・福利厚生面を含め、同一の労働条件・職場環境において、重要な一員として職場で元気に働いている。

また、障害のない人とある人が混在する職場であり、お互いによく理解しあう、職場風土が自然体の中で作り上げられている。なんら意識することなく、お互いの立場をよく理解し、同じ職場で仕事に責任と誇りをもって、業務に専念している。

4. 今後の課題と展望

当社は、創立50周年を迎え、「商業を通じて地域社会に貢献する」を経営理念として、現在1府6県に146店舗を展開するリージョナルチェーンの有力企業として、和歌山経済の活性化の重要な牽引役を担う、リーディングカンパニーとしての役割を果たしている。

障害者雇用方針も、平成9年頃から障害者雇用をより一層促進し、よりよい職場作りに取り組んできた。その一つとして、各々の業務内容の業務遂行マニュアルの整備等、業務遂行過程での簡素化・合理化を推し進め、日々努力を重ね、業務改善に努めている。

また、当社で働ける「喜び」が、従業員全員の共通認識として、根底にあることが感じ取れる。ある障害者は、大病を患ったが、大変厳しい「リハビリ」を克服し、元の職場で元気に社会復帰を果たした。個々の障害者が、自立して、また、自らも地域社会に貢献できる役割を担っているとの「自負心」と「誇り」を持って、生き生きと働いている。当社のバックアップ体制が、大いに障害者雇用に貢献し、そのサポート機能が安心して働ける職場環境を構築している。