事業所名

学校法人かいけ幼稚園

所在地

鳥取県米子市

事業内容

幼児教育

従業員数

38名

うち障害者数

1名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由
内部障害
知的障害	1	飼育動物の管理、清掃
精神障害

目次

1. 事業所の理念
2. 取り組み内容・効果
3. 今後の課題と展望

事業所外観

1. 事業所の理念

本事業所は、「つよいからだとおもいやりのこころをもつ、生きる力のある子どもを育てます」を教育理念に掲げ、子どもたちの「未来をひろげるお手伝い」をするために、自分でしようとする気持ちを育てる「モンテッソリー教育」、豊かな感性を育てる「造形教育」、強い身体と思いやりの心を育てる「食育」、自然を愛する「環境教育」、未来が育つ「英語教育」、の5本の柱を教育方針とし実践している。

2. 取り組み内容・効果

今回の雇用については、早期委託訓練終了後、2週間の現場実習と3ヶ月のトライアル雇用を経て、平成21年度から管理職員として雇用している。

（1）日常業務に対する配慮

①・⑤  Aさんは自家用車による市外からの通勤であるため、通勤ラッシュを避け、安全に通勤できる出社、退社時間を設定した。

②・③  広い敷地での各作業は、多様であり技術も必要になるため、管理主任であるスクールバス運転手が個別に指導に当たり、Aさんの技術向上を支援している。
車が大好きなAさんは送迎バスの清掃が楽しみの一つとなっている。

④  毎日、職員が交代で行っている意見発表の順番を割り当て、職員との仲間意識を高めている。

健康観察をしている亀

清掃している亀の飼育小屋

大好きな送迎バスを清掃しながら、送迎バスの運転手さんから運転技術を学び、将来大型免許をとる夢を膨らませている

（2）労働条件の設定等

夏休み等の長期休園日があるが、一定の収入を得られるよう年間通して月126時間の勤務時間を設定している。

(3)取り組みの効果

単純作業と、人とかかわる作業がうまく組み合わされていることにより、それぞれの場で集中して仕事に取り組むことができている。

Aさんが大好きな車の運転手を直属の上司にすることにより、毎日、新しい知識を学ぶことができ、素直な園児たちの笑顔が仕事への意欲を喚起し、徐々に自分流の工夫を仕事に加えることができるようになっている。

3. 今後の課題と展望

園長や事務長が、Aさんが今の職務内容をマスターしてしまった後の、仕事への意欲の持続方法をどう工夫するかを今後の課題としてあげていることからも、本人の気持ちを最優先に考え、障害者として特別視しないことを基本とした雇用者側の姿勢が読み取れる。

人間を育てるプロだからこそ障害の有無に関係なく、Aさん自身の誇りや自信をどう育成していくかを課題とした本事業所の姿勢に敬意を表したい。

幼児教育を目的とした事業所における障害者雇用については、まだ始まったばかりであり、職域も限られているが、今後、本事業所の教育の柱に組み込んだ新しい職域を開発されることを期待したい。