事業所名

日宝綜合製本株式会社

所在地

岡山県岡山市

事業内容

教育図書・記念誌・県市町村史・雑誌・カタログ・手帳・アルバム・カレンダー・事務用伝票類等の製本

従業員数

441名

うち障害者数

12名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	1	入出庫・在庫管理
聴覚障害
肢体不自由	2	製本作業
内部障害	3	製本作業
知的障害	6	製本作業
精神障害

目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯
2. 仕事の内容
3. みんなが働きやすい職場の実現に向けての工夫
4. 今後の展望

事業所外観

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯

昭和49年に同業4社が合併し設立、「日本の宝と言われるような会社を目指そう」という意味をこめて、現在の社名となった。岡山県内に8工場、県外に3工場を有し、東京の多摩に営業所がある。業務内容としては、教育図書・記念誌・県市町村史・雑誌・カタログ・手帳・アルバム・カレンダー・事務用伝票類などの製本を行なっている。

当社は創業当時より、「品質の悪い本は作らない、納めない」をテーマに独自の品質管理を行なってきた。また、最近では社会の流れに対応して、品質及び環境のISO、それに加えてプライバシーマークを認証取得している。技術と品質の向上で顧客の期待に応えていくとともに、微力ながらも地球環境の保全に取り組むことで社会に貢献していきたい。

これからも、“夢をひらき未来を綴る”製本の業務を誇りとして、研鑽を続けていく。

これまでに、障害者雇用優良事業所として平成9年に「岡山市長表彰」を、平成20年に「岡山県産業労働部長表彰」を受けている。

当社は以前から、岡山東支援学校、岡山西支援学校、それに岡山大学附属特別支援学校から、高等部の生徒を現場実習で積極的に受け入れている。

2年生の場合、先生・保護者同伴で一度に複数名の生徒を受け入れ、期間は約3週間。3年生の場合、生徒1人単独で2～3週間の実習を実施。その後、就職希望先として当社を指名してくれれば、トライアル雇用として受け入れ、試用期間後本人の希望（意思）を確かめたうえで、本採用の運びとなる。現在、全社で 12名の障害者を雇用している。

2. 仕事の内容

＜今在家工場＞

工場1階

・Aさん（視覚障害・軽度）の場合

本人が人一倍の努力をして、フォークリフトの免許を取得。

資格を活かして、入出庫の業務を担当。

原材料の入庫、完成品（製本されたもの）の出庫を、フォークリフトを使って効率良く処理していくとともに、在庫管理の業務もこなしている。

また、関連業者（材料・運送関係）へも電話連絡する機会が多いが、社内外にかかわらず コミュニケーションが円滑にとれている。仕事に取り組む姿勢が非常に積極的である。

工場2階

・Bさん（知的障害・軽度）の場合

ラインの横に位置する機械で、上製本の表紙（ハードカバー）の内側への曲げ工程（一つの独立した工程）を担当している。

これは、表紙が時間の経過とともに外側へ段々反り返っていくのを防止するために行なわれているもので、高価格で長期間保存される上製本にとっては、とても大切な作業である。

上製本の表紙の曲げ工程を担当するBさん

・Cさん（知的障害・軽度）の場合

上製本の最終検査及びダンボール箱への箱詰め作業に従事。

人とコミュニケーションが図れる若い彼は、年長の女性パート社員たちと一つのグループの中で働いている。

検査及び包装・箱詰めは連携作業で行われ、一連の製本工程の最終段階なので、品質・数量のチェック等、非常に気をつかう所である。

上製本の最終検査を補助するCさん

＜高柳工場＞

・Dさん（知的障害・軽度）の場合

中綴じ本の丁合機のラインで、女性社員と組んで作業をしている。材料が途切れないよう補充するのに、全体的な気配りが必要である。

また、機械トラブルで乱丁・落丁があった時などは、後処理が少し難しい作業になるが、周りの人と協力しながら行なっている。

作業に少し余裕がある時には、結束作業を掛け持ちしている。

なお、高柳工場で同様の作業についている障害者の従業員が他に2名いる。

中綴丁合ラインで作業するDさん

3. みんなが働きやすい職場の実現に向けての工夫

入社後、研修の必修項目として安全教育用DVDを見てもらっている。このDVDには、身だしなみ、器具の取扱方法、パレットの置き場（扱い方）など、作業をするうえで、注意しなければならないことが収録されている。毎日、作業前にはミーティングで部署リーダーが、その日の予定、注意事項、危険箇所等について説明を行なっている。また、状況により、初めての部署・作業に入る場合にも、その都度、指示・説明をしている。

その他、色々な会社行事（花見、忘年会、社員旅行など）を通じて、部署や役職・年齢を超えたコミュニケーションづくりを行なっている。

会社行事の中でも、みんなが特に楽しみにしているのが、5年に1度（周年行事として行われる）の海外旅行である。これは、平成元年に会社設立15周年記念として、香港・マカオへ社員旅行で行った（総勢227名参加）のが最初で、平成22年で5回目を数える。社員同士の親交が深まり、心も癒され、活力の源ともなっているように思われる。

4. 今後の展望

これからも、従業員一人ひとりが働きやすさとやりがいを感じられる職場づくりを目指し、作業環境の一層の充実に努めていきたい。そして、本を作るという仕事に誇りを持ち、情報文化産業の担い手として「世の中になくてはならない会社」を目指していきたい。