障害に配慮した配置で、理想的な雇用を実現
1．事業所の概要
昭和40年4月、石油およびガスの燃焼器具、電気器具の仕入れ販売を目的として、東京都新宿区にガスター販売株式会社を設立。5ヶ月後に埼玉県川越市に川越工場を開設。昭和44年1月、社名を現在のサンポット株式会社に変更。平成13年に花巻第一工場を、平成16年に花巻第二工場を竣工後、平成18年に本社を埼玉県川越市から岩手県花巻市に移転した。
2．障害者雇用の経緯
第二工場が竣工された平成16年、法的義務にしたがって障害者を雇用しようということになり、ハローワークを通して採用。また2名は、入社後に受障した人たちである。
あくまでもきっかけは法的義務の遂行だが、同社は「環境にやさしい製品をつくる」ことをモットーとしているので、「理想像として、従業員にもやさしい会社でありたい、という想いが背景にある」と同社管理部労務総務課の石崎春二課長は話す。
3．取り組み内容
（1）募集・採用
AさんとBさんについてはハローワークに紹介してもらったあと、3ヶ月間のトライアル雇用を実施。
（2）障害者の業務・職場配置
Aさんは、軽度の障害で、今では従業員とのふだんの会話には支障がないという。だが最初は配慮し、単純な組み立て作業の部署に配置した上で、正式に採用となった。以来、担当部門は変わっているものの一貫して組み立て作業を担当。ただし、周りのペースに合わせなくてはならないラインには入れず、ライン横の補助的な作業を担当させている。これは自分のペースで作業ができるようになっているので、本人もストレスなどを感じることなく仕事ができているようだ。遅刻や突然の休みなどもなくまじめで、他の従業員とのトラブルもない。もちろん、理解力など多少追いつかない点もあると思われるが、そのあたりは現場のリーダーがついて指導したり、それ以外の人も教えたりしているという。
一方、透析患者のBさんは、治療のため長時間勤務ができないことから、産廃回収の業務に配置し、真面目に勤務している。
関節に障害があるDさんではあるが、もともと勤務する第一工場の建物がバリアフリーになっているため、支障はないとのことである。
このように4人とも、仕事内容や勤務時間に多少の違いはあるものの、他の従業員と一緒に働き、勤務時間外も交流しているので、石崎課長曰く「彼らを障害者として認識している従業員はいないのではないでしょうか」とのこと。もちろん、困った時には手をさしのべるなどのサポート・フォローは自然におこなっている。
助成金については、トライアル雇用の時に賃金の補助を受けている。
4．取り組みの効果
上記のように、当初より障害に配慮した配置をしているので、仕事の面でも、他の従業員との人間関係の面でも問題やトラブルはなく、「障害のない人と変わらない雇用」を実現している。
またそのため、他の従業員の障害者に対する偏見もないと思われる。
5．今後の取り組み
障害者に限定せず、今後も雇用する意欲はある。
一方で、短期勤務の人材が必要な時が少なくないので、シルバー人材センターを使う機会もあり、今後はその辺りとの調整が出てくる可能性がある。
車いす用のトイレも完備
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