事業所名

株式会社ヤマト

所在地

長野県諏訪市

事業内容

精密金属切削部品加工、精密プラスチック切削部品加工、
精密プラスチック成形部品加工、アッセンブリ／組み立て、
自社開発完成品開発／設計／製造

従業員数

70名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	生産管理
内部障害
知的障害	2	製造、品質管理
精神障害

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の背景と現状
3. 取り組みの内容
4. 今後に向けて

事業所外観

1．事業所の概要

株式会社ヤマトの本社は、長野県諏訪市の国道20号線に面しており、諏訪湖まで徒歩1分というところに位置している。工場は、本社工場、下諏訪第一工場、第二工場、第三工場の計4工場あり、国内全域に営業展開をしている。

経営理念として、「明るく、楽しく、元気よく」のもと、「品質を要とし、真心のこもったサービスでお客様満足を目指します」「会社の繁栄と社員が幸せになる企業を目指します」「社会、地域へ貢献できる企業を目指します」を掲げている。

1964年（昭和39年）にメーター類の組立・部品の二次加工からスタートし、その後、設備の充実や業務の拡大、工場の拡大を図り、今やものづくりの基本を全て備えた、底力のある企業に成長してきている。

多種多様な機械設備を装備しており、微細・精密な部品一つ一つから、外部に頼ることなく内部で製作することができる。少量多種のものから量産まで幅広く対応することが可能で、卓越した部品加工技術と柔軟性の高い対応力で、品質・コスト・納期を極限まで追及することができ、お客様のご要望に100％お応えすることを特徴としている。また、自社製の完成製品も製造販売しており、マーケットインの思想をベースに独創性の高いメカトロニクス製品を提供し続けている。

2．障害者雇用の背景と現状

障害者雇用については、特別な考え方や方針はあえて持たず、社会貢献・地域貢献の一環としてごく自然体で臨んでいる。長野スペシャルオリンピックスの際も、同じ考え方で、積極的に協力をしている。

現在、知的障害者が2名、肢体不自由者が1名、作業に従事している。現場の従業員達も、特別扱いをすることなく一般従業員と同じに接している。もちろん思いやりの気持ちを持って接しているが、それは決して特別扱いではなく、当社ではごく当たり前のことである。

1986年（昭和61年）に、特別支援学校からの紹介に応じて、ごく自然に、初めての知的障害者を1名採用した。まず一般の従業員に混じって掃除から始め、次に機械に部品を置く作業を担当したが、初めはなかなか仕事に集中できず、現場では色々な指導や工夫を講じた。しかし、何度も何度も繰返し教えることで、順次色々な仕事を覚え、今では4台もの加工機械を担当し、ボール盤による加工作業なども単独でできるようになっている。本人は真面目で会社を休むことも少なく、明るく話好きな性格で皆に溶け込めている。現在製造職に就いている。

2人目の知的障害者は、品質管理職場で検査の業務を担当している。仕事の理解力はあるのだが、物静かな性格で休みがちであったが、特別支援学校の協力を得て出勤できるようになった。

肢体不自由者の1名は、数年前に脳梗塞によって障害を負ってしまったが、車イスは必要としない。現在は生産管理などの管理業務に着いている。社内の委員会などの色々な役割も担当し、他の従業員と何ら変わらず活躍している。

以上3名の皆さんは、他の従業員に混じって、ごく自然に、当社の戦力として大いに活躍している。

たくさんの機械が並ぶ作業場

機械に部品を設置する作業

生産に関わっている商品（ギア）

生産に関わっている商品
（コネクタ）

3．取り組みの内容

(1)採用について

決まった方法は特にない。

過去の事例から、特別支援学校の紹介をいただき、採用に至っている。

指導上で困ったことが発生した場合は、特別支援学校に相談し協力を得ている。

(2)制度について

給与体系等すべて他の従業員と同じ扱いである。

(3)イベントへの参加

皆で一緒に楽しむ社風があり、決して特別扱いはせず、あらゆる行事やイベントには、皆と一緒に参加している。忘年会や新年会などでは、くじ引きで、会長・社長から従業員までが平等に隣席になるなど、明るく・楽しく・元気よく、を実践している。

よいてこ祭りに皆で参加

(4)指導について

仕事中も休憩時も昼休みも、特別扱いはせず、全従業員が思いやりの気持ちで接する事を基本としている。仕事の直接指導は、現場の指導者がやるが、健康上の心配や私生活の心配がある時は助言をし、問題があるようなら家族とも連携をしている。 　

(5)その他

ハローワークや特別支援学校とは常に連携しており、毎年2回程度の実習生を受入れてきている。

4．今後に向けて

雇用も実習の受入も、社会貢献・地域貢献の一環として前向きに取り組んでいくが、今のところ具体的な目標などは設定していない。

企業を取り巻く環境は厳しいが、会社の戦力として、障害のある人達にも頑張ってもらっている。今の雇用を大切にし、皆で、自然体で仕事をし、イベントにも参加し、やるべきことをちゃんとやることが、一番大事だと感じている。