事業所名

グリーン環境株式会社

所在地

徳島県美馬市

事業内容

古紙・家電・古着などのリサイクル

従業員数

16名

うち障害者数

15名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	圧縮機のオペレーター、リフト操作
内部障害	1	計量
知的障害	12	古紙・廃棄物・家電・古着のリサイクル
精神障害	1	家電リサイクル

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯
3. 適材適所で働く障害者たち
4. まとめ

作業所の風景

1．事業所の概要

平成22年6月、グリーン環境株式会社設立。

徳島県美馬市に障害者6名を雇用し、創業。

開業当時は、古紙などを大型圧縮機での梱包作業。

同年10月に家電リサイクルの稼働。

同年12月には古着のリサイクルを稼働。

2．障害者雇用の経緯

グリーン環境株式会社は開業当初、雇用する障害者は6名であったが、平成22年12月末現在では障害者全員で15名の雇用となっており、徳島県西部の障害者雇用に大きく貢献している。

障害者雇用に関しては、美馬ハローワーク、徳島障害者職業センター、障害者就労・生活支援センターなどの関係機関が連携して進めた。

3．適材適所で働く障害者たち

Aさん男性（知的障害者）

段ボールの圧縮梱包作業
機械のコンベア部分に投入する前に普通紙を選別している様子

彼は、真面目な性格で平成22年9月に就労してから12月末までの間、欠勤無く働き、仕事が速く、パワーがあり、朝から夕方まで働いても疲れた顔を見せない。

良く気がつき、お客様が古紙を運んでくると、1番早く車から古紙を下す作業をしている。声も大きく「ありがとうございました。」言う声は気持ちが良い。

Bさん男性（知的障害）

大きなコンベアに古紙（新聞）を投入する作業
ナイロン紐などの不純物が混入しないように確認し、取り除き投入する作業の様子

彼は、小柄な体を生かし良く動く、色々なことによく気が付き、指示を出す前に作業を行っている。休憩時間の従業員同士の会話や交わりは、ほとんど持たない性格だが、仕事中は先頭に立って作業が出来ている。

不純物を見つける作業での、彼の几帳面な性格にはびっくりさせられることが多い。作業中は、明るく『仕事が楽しい』と言う雰囲気が支援時に伝わってくる。童顔でかわいい彼を見ていると癒される。

Cさん男性（内部障害）

大型の圧縮機で圧縮され、梱包された古紙をフォークリフトで移動している様子

彼は、古紙などの圧縮作業の部署でのリーダーである。1日の仕事の流れを組み立て、皆に指示を出しており、入社してすぐにフォークリフトの免許を取るなど、仕事に対しての情熱が感じられる。大型の圧縮機のオペレーターとフォークリフトの運転をしながら周囲の様子に目配りができ、的確な指示が出せるようになってきた。

性格は、温厚で皆から信頼されている。

上記以外に、Dさん21歳（知的障害）と交通事故に巻き込まれて入院中のFさん21歳（知的障害）がおり、やんちゃな性格の若い彼ら2人からは兄のように慕われている。

Gさん男性（精神障害）

家電のリサイクル作業
家電を解体してリサイクル可能な部品取り、金属の仕分けを行う作業の様子

Gさんは、手先が器用なことと家電のことをよく知っているため、家電リサイクルの開始と同時に廃材の圧縮部所から抜擢された。家電の部所は5人で作業しているが、Gさん以外は知的障害者であり、作業の進行状況を確認しながら家電の解体作業を行っている。面倒見が良く、解体作業が難しいと思う人には、近くに行き教えている。

Hさん女性（知的障害）

家電を解体してリサイクル可能な部品を取っている様子

彼女は、人と会話するのが苦手で、会社では全く会話が無い。

コツコツと地道に家電の解体を行い、作業量も多く社長からの評価が高い。

リサイクル可能な部品も残さずに分別ができ、金属などの分別に関しても確実に行えている。家電が始まるまでは、パルプ紙の不純物（ボンド、テープなど）を取り除く作業をしていたが、この作業でも丁寧な作業が出来ると評価が高かった。

Iさん男性（知的障害）

家電リサイクルでリサイクル可能な部品を外している様子

彼は、自閉の傾向があり、こだわりが強いため、家電の解体のような同じ作業の繰り返しは、作業手順を覚えると確実な作業が出来るようになった。彼は家電リサイクルの作業をゲームの延長のような感覚で楽しく行っている。

Jさん男性（知的障害）

古着を圧縮して梱包する作業
古着が入った袋の中身を確認して機械の中に入れる作業をしている様子

彼は、仕事熱心であり毎日元気で楽しそうに仕事をしている。

彼は、ここに来る前には隣町の小さな作業所へ通っていた。一般就労と違って工賃は安い。それでも、頑張っていたようである。

『仕事を評価して貰える』『給料を貰える』ことが彼らの喜びではないだろうか。

他にも計量係（肢体不自由）の女性、家電（知的障害者）女性など、皆生き生きと働いている。

4．まとめ

グリーン環境株式会社では、都道府県労働局の地域雇用開発助成金、特例子会社等設立促進助成金、トライアル雇用を活用して関係機関との連携の元で多数の障害者の雇用に繋がった。

しかし、まだまだ障害者雇用については、事業所の理解が少ないのが現状である。 障害によっては、作業内容を覚えるまでに時間がかかるかもしれないし、対人関係やコミュニケーション面での課題が生じることもある。

もちろん、事業所や関係機関からの何らかの配慮及び作業習得に関わる支援が必要になるだろう。

一方で、真面目・持続性などの長所もある。グリーン環境株式会社のように、障害者が働ける場所を積極的に提供してくれる事業所がもっと増えることを期待する。