事業所名

株式会社つるや

所在地

愛媛県松山市

事業内容

靴の小売、雑貨の小売

従業員数

276名

うち障害者数

4名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	1	販売
内部障害	1	事務（総務）
知的障害	2	品出し、清掃
精神障害

目次

1. 会社概要
2. 障害者雇用のいきさつと現状
3. 採用後の問題点
4. 効果と今後

事業所外観

1．会社概要

当社は、1948年に靴の専門店として創業。以来、着実に成長を続けてきた。現在は、中四国屈指のシューズストアをチェーン展開する「シューズ事業」、バラエティショップを手がける「ダイソー事業」の2つの事業を展開している。私たちの事業の根底に流れているのは「ふだんを商う」という精神。特別な1日よりも、365日、日々の暮らしに密着した商品やサービスをバランスよく提供することを使命と考えている。そして、「商品を売るのではなく、満足を売る」という気持ちで仕事に取り組み、企業目標と従業員一人ひとりの充実度が一致する企業でありたいと願っている。

2．障害者雇用のいきさつと現状

取り組みを始める以前より、内部障害の従業員を雇用していた。ただ、障害者雇用についての認識が薄いまま、法定雇用率の達成には至らず、その必要性も特に感じないままであった。しかし、会社も成長し、社会貢献をしなければならない、という矢先、障害者雇用の必要性を指導頂いたことから、平成16年に知的障害の人を初めて雇用し、愛媛高齢・障害者雇用支援協会及び、愛媛障害者職業センターの助言・援助を得ながら、現在は、肢体・内部・知的障害のある従業員を併せて計4名の雇用をしている。

業務内容は

①肢体不自由（下肢）の人は、シューズ事業部で販売業務に携わっている。靴のたくさん入った重いダンボール等は他の従業員が運ぶなど以外は、接客や帳票管理等、他の従業員と変わらず業務にあたっている。仕事内容に対する提案もでき、売り場に欠かせない従業員に成長している。

②内部障害（心臓）の人は、管理部（本部機能）で、事務全般の業務に携わっている。年齢は高いものの、これまで当社で培った経験や指導力があり、パソコンも難なくこなしている。通院で勤務スケジュールがイレギュラーになることもあるが、部署全体で調整するようにしている。

③知的障害の人は、ダイソー事業部で品出し中心の業務に携わっている。ダイソーの商品は8万アイテム以上あり、店内での置き場所を覚えるのは、障害を持たない従業員でも大変なことで、置き場所が分からない場合は、速やかに他の従業員に聞くように教育している。また、売り場で作業のため、お客様より商品の場所を質問されることが多いことから、品出し同様、不明な場合は他の従業員に引き継ぐよう、指導している。

商品の品出し

商品の整理・整頓

3．採用後の問題点

お客様と関わる業務が多い小売業において、意思疎通ができるかできないか、これが大きな問題である。その点において、肢体不自由・内部障害の人については問題なく業務に携われるが、知的障害の場合、特に、今までに就労経験の無い人は、お客様との会話の中で、相手の言うことをしっかり認識し他の従業員に伝達することが難しく、結果クレームにつながったという事例があった。改善方法として、「わからないことは自分で判断しない」「他の従業員に必ず聞く」ということを繰り返し教えるとともに、障害者職業センター・福祉施設と連絡のためのノートを作成し、よかった点・直していく点の共通認識を持ちながら、職場だけでなく、普段の生活から社会に適応していく、とういうことを心がけていった。

レジコントロールボード

連絡ノート

4．効果と今後

障害者の雇用を通して、他の従業員も、障害のある人が真摯な姿勢で仕事に取り組む姿から学ぶべきものがあるし、障害者に対してOJTを行うことにより、作業をいかに簡素化するか、また、いかにしてわかりやすく伝えるか、ということを考える良いきっかけとなった。そういった取組みを行うことにより、障害者を事業所内全体で「しっかりと教育していこう」という連帯感・責任感も生まれている。

また、事業所だけでなく本部側でも、当事者の意見に耳を傾けながら、障害者教育のための指針・マニュアル作成を行い、受け皿となる事業所を増やして障害者雇用を増やし、社会貢献できる企業を目指している。