2010年度作成

事業所名

株式会社明林堂書店

所在地

大分県別府市

事業内容

書籍等販売業

従業員数

656名

うち障害者数

10名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	3	入荷商品の整理及び返品作業
内部障害	1	入荷商品の整理及び返品作業
知的障害	4	レジ作業・接客
精神障害	2	レジ作業・接客

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用取り組みの経緯
3. 雇用の安定と継続のための取り組みの内容・効果
4. 今後の展望

1．事業所の概要

(1)事業の内容・企業理念

書籍・雑誌等(一部CD)を販売している。

九州を中心とし、山口・広島・島根県まで出店している。現在71店舗(内九州地区59店舗(内別府エリア7店舗:別府エリア本店・鶴見店・ゆめタウン別府店・JR別府店・ゆめタウン中津店・日出店・青山店))。

「本を通じて地域社会の発展や、人々の心豊かな暮らしに貢献する」を企業理念として、お客様に喜ばれる事業を積極的に進めている。

(2)障害者雇用の状況

障害者数10名(内別府エリア5名◎)

障害者数の詳細　(＊は今回取材の別府青山店の2名)

肢体不自由	3名  店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)
内部障害	1名  店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)  ◎ゆめタウン1
知的障害	3名  バックヤード作業全般(商品入荷確認・返品作成)  ◎鶴見1・中津1
	1名  店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)
精神障害	＊1名  裏方作業全般(商品入荷確認・返品作成)  ◎青山2/td>
	＊1名  店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)

(3) 仕事の内容・工程・仕事の状況

①S男：バックヤード作業全般(商品入荷確認・返品作成)

入荷  梱包解除→ハンディターミナル(バーコード)で検証→検品終了・ラックに入れる→(店員が店頭に運搬)

返品  返品商品をデータ入力→箱に詰める→送れる状態に梱包・伝票挿入→青いバンドで縛る・伝票宛名を貼る→所定の位置に収める→(運送会社が配送)

・ 「今日の新刊」が8箱・「売れた本の補充」10箱(1箱30kg程度の重量)が1日の標準の仕事量、週刊誌等の発売日はプラスアルファになる。

・ 冊数、伝票のチェックは従業員が再度することはない。本人の自己責任である。

・ この仕事を初めて1年になる。今では商品入荷確認・返品作成の仕事では社内No.1である。

・ 人から話しかけられるのが苦手で、時折店内の仕事をしているときにお客様に話しかけられると赤面し戸惑いを見せるので、周囲の人が対応していたが、今では他の従業員を呼ぶことができるようになった。

②K女：店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)

・ 通常の店舗でみられる店内作業全般→レジ・商品整理・接客応対・金銭の受け渡し

・ 人と話し合うことは苦手であるが、レジ程度の接客時間であれば、さほど問題ではないが自信がないため、下を向いて仕事をすることが多い。

 

2．障害者雇用取り組みの経緯

障害者雇用に本格的に取り組むようになったのは、平成14年頃からである。それ以前では、店長経験者が中途聴覚障害になった後も継続雇用された例がある。雇用に際しての人材発掘には「障害者職業センター」に協力を依頼し採用を進めていった。センターから最初に推薦されたのは知的障害者のA氏で、バックヤード作業であればということで受け入れてみると「あまりにも真面目で、期待以上のものがあり」バックヤード採用の拡大を始めた。

ただし採用していく過程では、店舗での採用が進まない時期もあったが、障害者雇用促進の各種講習会に参加するなどして障害及び障害者雇用の理解のための研鑚を深め、他方研修で得た知見を社内全体に還元する努力を進めることにより、徐々に採用数を増やせる状況となり現在に至っている。

3．雇用の安定と継続のための取り組みの内容・効果

（1）障害者雇用の形態　～本社一括採用～

障害者雇用は、各店舗の初期負担がない形で本社一括採用を原則にし、配置されている。

（2）障害・障害者雇用の理解のために各種講習会への参加とその成果

①サービスの向上に寄与

書店のサービスの善し悪しは、接客の際の質量の善し悪しである。ここ別府青山店では、2名の障害者が配置されたとき、これまでの各種講習会受講の研修成果が活かされた。「2名をバックヤード作業全般(商品入荷確認・返品作成)と店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)の戦力に育成できれば、他の従業員2名も売り場サービスに回せるではないか。」メリットであるという発想に立ち、雇用をした結果、2名とも立派に戦力として活躍し、サービス向上に貢献している。

②障害の状況・程度を理解した指導その1

精神障害者は丁寧に仕事に取り組み、思考能力の高い人が多い。しかし、長時間の労働が苦手である。そこで青山店では労働時間を徐々に延長する方式で、心身に急激な刺激がかからない勤務態様を採用した。

現在の労働時間はS男:12:00～18:00　K女:11:00～18:00である。

雇用率のカウントには30時間/週が必要だか、それが確保できるようになった。

③障害の状況・程度を理解した指導その2

K女はコンビニでレジの経験があるということなので、ハローワークの手続きを経て採用したものの、接客が苦手ということであった。店長はセンター派遣のジョブコーチに相談し、本人が嫌でなければ『実習生』のプレートを胸につけるよう勧められ実施した。以来彼女は生き返ったように積極的になり、自信に満ちた態度で店内作業全般(レジ・商品整理・接客応対)に精励できるようになった。

4．今後の展望

組織として障害者雇用を別府地区の担当エリア長に理解してもらい、エリア内7店舗の採用促進に協力があり、各店舗1名の採用をめざし努力している。別府地区がモデルケースとなるように実績を作り、将来は別府地区のみならず、大きな店舗に必ず一人の雇用が実現できるよう頑張りたい。

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