お客様満足度地域NO.1カーディーラーを目指して
- 事業所名
- ダイハツ長崎販売株式会社
- 所在地
- 長崎県長崎市
- 事業内容
- 自動車の販売及び整備
- 従業員数
- 329名
- うち障害者数
- 5名
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚障害 1 洗車・納車準備作業 肢体不自由 1 洗車・納車準備作業 内部障害 2 営業 知的障害 精神障害 1 洗車・納車準備作業 - 目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯
(1)事業所の概要
昭和22年7月に長崎県ダイハツ総代理店として、自動車の販売・点検整備及び関連用品の販売などを主として順調に業績を伸ばして県内における軽自動車販売台数31年連続県下No.1の販売実績を誇っており、お客様の視点に立った対応を基本とした対応で、信頼とご満足いただけるお客様満足度地域No.1のカーディーラーを目指して全社員一丸となって邁進している。
現在、長崎県内全域に13の販売拠点を展開している。
又本社社屋近くの大型商業施設内に常設の展示エリアを設け新車展示を行っており、施設内ショッピングに訪れた多くのお客様の好評を得ている。
(2)障害者雇用の経緯
平成12年の会社合併を機に、当時の社長が障害者雇用に関して理解を持っていた事が今日の社風となっており、障害者雇用についてあらためて真剣に検討を行うこととなった。
現在5人の障害のある従業員が勤務している。聴覚障害のある従業員1人、下肢が不自由な従業員1人と精神に障害がある従業員1人がおり、それぞれ点検整備された車両の洗車及び清掃を中心とした納車準備作業を行っている。他に2名の内部障害者が営業に従事している。
その中で、障害者が活躍できる職場について、社内で事務的な仕事から体力を要する仕事まで、いろいろと具体的に検討を行っていった中で、当初人員が不足していた車両の洗車と室内清掃業務に焦点があたることとなった。
しかし、障害者の雇用についてほとんど未経験だったこともあり、最初はハローワークへの求人相談の実施や障害者雇用面談会への積極的な参加、就労支援機関や特別支援学校の紹介による職場体験実習を取り入れながら、積極的に障害者雇用に取り組み始めた。
2. 取り組みの具体例と効果
各店舗に配置されている障害者を取材した。
(1)精神障害のある従業員への取材(配置先は本社サービス部門)
「私は、若い時から病院の入退院を繰り返し、仕事も転々とし、人間関係で悩み、薬を飲みながら仕事を続けていました。そのような中、平成19年3月にダイハツ長崎販売に入社、始めの二年間は、職場の仕事の流れになかなかついていけず、戸惑いと苦しい思いをする日々が続きました。
しかし、徐々に時間が経つにつれて、自分のペースで仕事も出来るようになり、又私が人間関係や仕事内容のことで悩んでいる時には、会社の上司や先輩方も親身になって悩みを聞いていただいたことがすごく励みになりました。
私自身の症状や月2回の通院に関して他従業員の理解、配慮等があり気持ちよく通院しています。健康管理は自分自身が行うことであります。
私がここまで継続して勤めることが出来たのも周りの皆さんのおかげだと感謝しています。私は、まだまだ未熟者ですが、これからも会社に一つ一つ恩返していきたいと思います。そしてこれからも皆さんの協力を得ながら、自分自身成長できるよう努力していきたいと思います。」
担当者のコメントとして
勤務条件等は他従業員とかわらず特に勤務時間に関してはシフト勤務等時間を短くすることも検討したが本人の意向で同じ条件とした。又他従業員の理解、協力等が得られて良好な環境となっている。従業員の思いやりの気持ちが浸透してきた。これは雇用していない店舗も含めて全社的な傾向にある。
(2)下肢障害のある従業員への取材(配置先は多良見店サービス部門)
「私は、足に障害がある下肢不自由者です。若い頃は、洋服の縫製をしていましたが、世の中が不況となり、洋服屋のお店の倒産も多くなり、色々な職場を転々とし、足が不自由なことから、立ち仕事や歩く仕事は、体が疲れるようになってきたそのような中で、平成19年4月に採用され入社しました。
高年齢で同じ年齢の人は、定年退職していく中、今までとまったく異なる車両の洗車・納車準備の仕事に従事、苦労もし、決して楽な仕事ではありませんでしたが、今では、仕事のことで指摘されながらも、先輩や上司にアドバイスを受けて、精一杯頑張っています。
これからも、軽自動車販売台数県下No.1の会社で、他社にない色々な見返りもあり、今では入社して本当によかったと思ってますし、これからも頑張って業務に従事したいと思います。
高年齢で業務内容はほとんど立ち仕事でありますが業務に向かう姿勢は衰えていませんし継続雇用を活用して続けていきます。」
担当者のコメント
継続雇用制度を活用して業務に従事していただいている。年齢を感じさせない体力、気力等は他従業員に負けないくらい前向きな姿勢が感じられる。サービス部門で戦力の一員となっている。
(3)聴力障害のある従業員への取材(配置先は時津店サービス部門)
「私は、高校卒業後1年間クリーニング店で働き、その後、千葉県内のカーディーラーで、車両の板金作業と納車準備と洗車作業の仕事に従事いたしました。その後、前職の経験を活かして、このダイハツ長崎にお世話になっています。
作業内容については、不満はありませんが、工場長の作業指示が難聴の為に時々言葉が理解出来ないことがあります。もっとハッキリと指示をしていただければもっと能力が上がると思っています。また私が人間関係や仕事内容で悩んでいる時には、職場の人にアドバイスを頂きながら、毎日仕事に励んでいます。
今後は、洗車及び納付者準備の業務に加え前職で経験した板金の仕事について、もっと勉強していきながら業務に就きたいと思っていますし、自分自身スキルアップしながら成長していけるよう努力していきたいと思っております。」
担当者のコメント
業務へ対しての意思伝達は重要であり、現在業務遂行に関して援助者(補助者)を配置して作業手順等の誤りの発生を防止している。又筆談等を活用している。
コミュニケーションは全従業員に共通することであり、特に聴覚者への配慮は重要と考えている。
本人の過去の職歴である板金業務への取組み志向が強く、今後検討していく。
(4)他障害者の配置先及び業務内容(本社及び多良見店営業部)
内部障害者2人は営業業務に従事している。社歴も長く日常業務に関して特別問題はない。健康管理等は朝礼時等を活用して全従業員へ対して徹底している。
(5)各種助成金の活用
* | ハローワークの活用は以前と変更ないが過去に活用したトライアル・ステップアップ雇用(特開金の活用)は現在活用していない。即戦力雇用を会社方針としている。 |
* | 現在、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(障害者介助等助成金・業務遂行援助者の配置助成金)の助成金を活用している。 |
3. これからの課題と展望
現在は、以前と比較しても障害者の定着状況がよくなってきている。過去にサービス部門へ上肢機能障害者を雇用した経緯があるが本人の事情により退職した。
今後は社内全体として、従業員の障害者雇用及び現在就労している障害者へ対しての、意識・配慮等、しっかりコミュニケーションがとれる人間関係づくりと、安全に仕事ができる職場環境作りに取り組んでいく。
社内全体会議や、店長・工場長会議の開催に際しては、就労支援機関、ハローワーク、県の機関等が発行する文献等を活用して従業員の意識改革の材料にしたい。
又高齢・障害者雇用支援センターの主催する障害者職業生活相談員資格認定講習への出席や障害者雇用促進に係る視察・交流会への参加を積極的に検討していく。
今後の採用については、いきなり雇用するのは難しくても、実習なら始め易いと思うので、「まずは実習から」を合言葉に、仕事の喜びを感じてもらい、やりがいを持って貰えることから理解活動も図っていく。
ハローワークの活用は従前と変更はないが、就労支援機関、特別支援学校等からの実習を多く取り入れていく予定である。
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