2012年度作成

事業所名

株式会社NTTネクシア  さいたま新都心センター
　※2018年に社名変更。記事内の社名（「株式会社エヌ・ティ・ティ・ソルコ」）および紹介内容は、
　　取材当時（2012年）のものであること。
　　

所在地

埼玉県さいたま市（さいたま新都心センター）

事業内容

さいたま新都心センターの事業内容：印刷業務（名刺、封筒、各種資料等）、浸透印作成、新聞クリッピング・配信）、各種データ入力業務等
（（株）NTTソルコの事業内容：コンタクトセンター構築・運営、プログラム受託、人材派遣、研修サービス）

従業員数

25名（さいたま新都心センター）

うち障害者数

22名（さいたま新都心センター）

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	6	受注受付、名刺・封筒作成およびチェック
内部障害	2	クリッピング、ピッキング、発送
知的障害	3	クリッピング、ピッキング、発送
精神障害	11	版下作成、経理、総務

目次

1. 事業所の概要・沿革、障害者雇用の経緯（さいたま新都心センター）
2. 取り組みの内容、障害者の従事する業務・配置
3. 活用した制度および助成金、今後の取り組み

1. 事業所の概要・沿革、障害者雇用の経緯（さいたま新都心センター）

（1）事業所の概要・沿革

株式会社エヌ・ティ・ティ・ソルコ（以下「NTTソルコ」）さいたま新都心センターは、当社の障害者雇用の取り組みの一環として、障害者を中心としたセンター（正式名：さいたま新都心センター）を2009（平成21）年10月1日に開設した。開設に当たっての目的は「今回の新センターの設立を契機に、当社における障がい者の雇用機会の創出や雇用の拡大を図る」こととしている。

①  NTTソルコの概要

②  NTTソルコの沿革

（2）障害者雇用の経緯

NTTグループは、性別や年齢、人種、国籍、障害の有無などに関わらず、多様な人材が活躍できる職場づくりに取り組んできたことから、各事業所に分散して障害者雇用を行ってきた。

一方、NTTソルコにおいても、従来、各事業所とコンタクトセンターで障害者雇用を推進していたが、主たる業務がコンタクトセンター（コールセンター）の運営であり、お客様とのコミュニケーションが提供サービスの前提であることから、現場では人とのコミュニケーションが不得手の精神障害者や発達障害者の雇用が進まず、また環境的にもバリアフリーが行き届いていないコンタクトセンターが多く、身体障害者の雇用機会についても限定的であった。そこで、障害者の雇用機会の創出を検討するにあたり、障害者が働きやすいバリアフリー環境とお客様とのコミュニケーションが特に必要としない業務を「さいたま新都心センター」に整備し、今まで雇用が困難であった重度の身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者の受け入れを行うこととした。

平成21年10月1日のセンターオープン時には、障害者スタッフは13名だったが、段階的ではあるが業務の拡大を図りつつ平成24年9月には22名となっている。今後も各種データのシステムへの入力等新規業務の拡大を図りつつ障害者雇用の拡大を進めていくこととしている。

2. 取り組みの内容、障害者の従事する業務・配置

（1）取り組みの内容

さいたま新都心センターは、埼玉県内の障害者就労支援機関等でトレーニングを受けた障害者を新規に雇用し、リーダーとして育成していくことに力を入れている。現在リーダーは5人となり、全員が障害がある社員である。リーダーは新たに雇用した障害者の業務に関する研修指導を行うとともに、日常的な業務運営の中心として業務に当たっている。

現在の体制は、主たる業務別に障害者を3グループにわけ、5人のリーダーを中心として運営しており、業務予定表の作成から、進捗管理、グループ間の稼動調整などを、各グループのマネージャー（障害のない人）とともに、週1回のリーダー会議を通して管理運営をしている。

障害のある社員の「やる気」「能力」を最大限活用し、社員能力の過小評価による特別扱い等を引き起こさない、真の意味でのバリアフリーな障害者センターを目指している。

取り組みの特徴は、次のようである。

①  障害者の雇用は、身体障害者や知的障害者の雇用のみならず、精神障害者や発達障害者の雇用についても、積極的に取り組んでいる。

②  職場内は、障害者一人ひとりに机やPCを配備するとともに、パソコン等を活用する職務では、単純な簡易作業のみならず、それぞれのスキル・適性に見合った職務を設定できるよう工夫している。また、精神障害のある社員の中でスキルのある社員については、接客（業務にかかる応対や、提案等の商談）も実施している。

③  さいたま新都心センターのマネージャーは、日々障害者の体調管理を細やかに行い、社員一人ひとりの体調の波にも気を配る配慮を行っている。

④  センターは、さいたま新都心の都会的な街並みの地域に位置し、NTTグループの保有施設内にあり、建物やセンターへの入り口はスロープ・自動ドアが整備されており、車椅子用トイレも男女別にある。

⑤  支援機関（埼玉障害者職業センターを含む）の見学や実習については積極的に受け入れており、業務内容の説明や実際の会社生活などの説明を障害のある社員が行っている。

⑥  NTTソルコ社は、全社員を対象とした従業員満足度調査を年1回実施しており、結果に基づき職場環境の改善にも努めている。

（2）障害者の従事する業務・配置

センター発足当時の業務は、他会社でも広く実施している印刷業務（名刺作成、封筒印刷、各種資料印刷等）や浸透印の作成をリーダーを中心に全員で行ってきた。その後、スキルアップとともに作業能率が向上、あわせて障害者の採用を拡大したこともあり、現在では、段階的ではあるものの、新聞クリッピング（日刊紙4紙を対象に、NTTグループ各社の関連記事等をキーワードに基づいて切り抜き、各職場へ日々配信）、システムの各種データ入力作業等にも取り組んでいる。

新たな業務の実施に当たっては、障害者に対する研修・育成を本社内各部門の担当者が「さいたま新都心センター」まで出向いて丁寧に繰り返し実施するなど、障害者に対し優しい指導を行うとともに段階的に業務を移管するなどの工夫を行っている。そのため、障害者は安心かつ着実に業務スキルを向上させている。また、研修については、業務関係以外でも、企業倫理・人権啓発研修＜コンプライアンス・パワハラ・セクハラ＞（リーダーは毎年、障害者は3年に1回受講）や情報セキュリティ研修（毎年受講）など、全社的な取り組みにも一般の社員と同様に研修を受講することとなっており、企業の一員としての育成・意識の向上も図られている。

障害者の配置についても、個々のスキル・適性や障害者本人の希望を踏まえ、マネージャーが総合的に判断して決めており、可能な限り障害者一人ひとりが働き甲斐を持つことのできる業務に従事できるよう配意している。

3. 活用した制度および助成金、今後の取り組み

（1）活用した制度および助成金

当社の障害者雇用に際しては、ハローワーク浦和が中心となり、埼玉障害者職業センターおよび埼玉県障害者雇用サポートセンターとの連携を図りながら、事業所と求職者の双方のニーズが満たされるよう支援するという初めての取り組みを実施した。

まず、事業開始前にリーダーとなる障害者を先行して雇用した。そのうえで、リーダーとなる障害者には、職業準備支援のフィールドを活用したOJT形式の研修を実施するという埼玉障害者職業センターからの提案に基づき、障害者職業総合センターにおける「職業リハビリテーション実践セミナー」の受講、埼玉障害者職業センターにおける講義型の学習、障害者雇用を推進している事業所の見学及び職場実習を経て、職業準備支援のフィールドを活用した研修を受講させている。また、ジョブコーチ支援への理解を深めることを目的とした講義の受講、就労支援機関・職業訓練機関の見学等も行った。

発足時の障害者スタッフの採用に当たっては、埼玉県内の障害者就労支援機関およびハローワークの支援を得た。なお、雇用された知的障害者については、雇用開始と同時にジョブコーチ支援が実施された。

助成金に関しては、障害者作業施設設置等助成金（第1種作業施設設置等助成金および第2種作業施設設置等助成金・障害者介助等助成金）を活用した。

（2）今後の取り組み

NTTソルコでは、今後も障害者の社会参加を支援し、活躍の場をより一層広げるために全社一丸となって障害者の積極的な採用と雇用機会の拡大に努めていくこととしている。

今後も障害者と障害のない人との協働を進め、社内業務の見直しを通じた業務移管を行うなど、障害者が従事する業務領域および業務量の拡大を図るとともに、更なる雇用人員増を目指すこととしている。

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