事業所名

有限会社ブライトピック千葉

所在地

千葉県旭市

事業内容

家畜の生産・販売、飼料の製造・販売
産業廃棄物・一般廃棄物中間処理業
産業廃棄物・一般廃棄物収集、運搬業

従業員数

54名

うち障害者数

20名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害
聴覚障害
肢体不自由	3	事務、清掃等
内部障害
知的障害	14	開封作業、清掃・洗浄業務等
精神障害	3	開封作業、清掃・洗浄業務等

目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯
2. 障害者の従事業務、職場配置
3. 取り組みの内容、効果
4. 今後の展望と課題

事業所外観

1．事業所の概要、障害者雇用の経緯

（1）事業所の概要

昭和40(1965)年、神奈川県において創業者である志澤会長（代表取締役会長）が個人で養豚を始め、昭和46(1971)年に有限会社ブライトピック（Bright Pig co,Ltd）を設立。株式会社高座豚手造りハム、日本リキッド株式会社、有限会社菜の花エージェント等、サービス部門のグループ会社を設立し、千葉県内に直営農場を開設。平成8(1996)年5月に有限会社ブライトピック千葉を設立し、飯岡農場、東庄農場、銚子農場、森戸農場の4つの農場と溝原飼料工場を開設。事業は、農業（養豚業）経営、飼料の製造・販売業、産業廃棄物・一般廃棄物の中間処理業、産業廃棄物・一般廃棄物の収集、運搬業を行っている。養豚の液状飼料を使った給餌システム（リキッドフィーディング）の要である溝原飼料工場と直営の農場では、平成25(2013)年2月現在、従業員が54名おり、そのうち障害のある人が20名となっている。

（2）障害者雇用の経緯

障害者雇用のきっかけは、障害者就業・生活支援センターとの出会いであった。溝原飼料工場の設立当時、飼料作りには、工程の少ない分かりやすい作業が膨大にあったが、この作業は、業務量が多いこと、忍耐力が必要であることから、業務の対応を考えていた石井部長（取締役部長）が、障害のある人は集中力があることを知り、障害者雇用を検討した。だが、障害者雇用への不安もあり、市役所に相談をしたところ、障害者就業・生活支援センターを紹介される。会社と障害者就業・生活支援センターが、障害者雇用を一緒に考え、平成19(2007)年10月に障害のある人を5名雇用。これを機に、障害のある人を年々雇用し、現在は溝原飼料工場と直営の農場を併せ、20名の障害のある人が働いている。

2．障害者の従事業務、職場配置

現在、雇用障害者20名は、溝原飼料工場と農場に配置されており、それぞれの従事業務及び職場配置については、次のとおりである。

（1）溝原飼料工場

溝原飼料工場では、16名の障害のある人が働いており、飼料の材料となる回収食品の分別、ダンベ洗浄、工場内の清掃、事務等の業務を行っている。回収食品（食品工場やスーパー等からの食品残さ）の分別やダンベ（容器）洗浄では3～4名が一組となり、グループごとに作業を行っている。

障害特性や能力に応じて配置を考え、その人の持っている能力が最大限に発揮され、かつ業務遂行が効率的に行われるように配慮している。必要に応じて、配置換えを行うこともあるが、業務内容を明確にすることで、障害のある人がわかりやすく安心して仕事に取り組むことができている。勤務については基本的に週5日だが、精神障害のある人については、週3日に変更するなど体調に合わせて配慮している。事務については、身体障害（肢体不自由）のある人2名が配置されており、搬入車両の受付、書類整理、電話応対等を行っている。1名が車いす、もう1名が杖を使用しており、事務所内の机や棚の配置を工夫し、動きやすいように配慮している。

ライン作業の様子

開封作業の様子

ダンベ洗浄の様子

搬入の様子

（2）農場

農場では、知的障害のある人4名が働いており、主な業務は豚舎の洗浄である。高圧洗浄機を使用し、壁の汚れを落としている。業務が明確にされていることで、わかりやすく、安心して仕事に取り組むことができている。

3．取り組みの内容、効果

（1）取り組みの内容

①  労働条件

②  労務管理の工夫

③  各種制度の活用

（2）取り組みの効果

障害のある人への指示の出し方、対応の仕方等は障害のある人を継続雇用している中で、徐々に理解してきている。従業員間のコミュニケーションは、一人ひとりがより意識をして取り組むようになったことで、雇用当初は、会話ができなかった重度の障害のある人でも、今ではコミュニケーションができるようになってきている。

また、業務については、障害のある人にとって分かりやすい明確な内容にしていくことを意識するようになった。それは、障害のある人にとって分かりやすい業務内容を基準にすることで、誰もが働きやすい職場環境につながると考えるためである。複雑な業務についても、工程を細分化することで、障害のある人でも十分対応できる業務があるということを従業員が学んだことは非常に大きい。障害のある人の能力を見極め、適材適所に配置することが大切であり、今後も配慮していきたいと考えている。

4． 今後の展望と課題

有限会社ブライトピック千葉では、障害者雇用において心掛けていることがある。それは「ボランティアをしない」ということである。つまり、責任を持って業務に取り組んでもらい、給与を支払うということであり、法律により義務的に雇用するのではないということである。従業員には、業務の処理能力により、能力に見合った仕事量とし、自分の仕事に責任を取れるように配慮している。障害のある人が、安定して仕事を継続していくために、今後も障害者就業・生活支援センターとの連携を密に行い、職場の配置換えやジョブコーチの活用等状況に応じて相談をし、また家庭との連絡調整等をお願いしていきたいと考えている。