障害者の笑顔を咲かせるチカラとなる職場環境を目指す
- 事業所名
- 福井信用金庫
- 所在地
- 福井県福井市
- 事業内容
- 金融業
- 従業員数
- 772名
- うち障害者数
- 13名
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 11 内部事務、預金業務全般 内部障害 1 計数管理、業務遂行にかかる支援業務 知的障害 精神障害 1 パソコン入力作業等 - 目次

1.事業所の概要
(1)概要
当金庫は、昭和5(1930)年に「福井信用組合」として営業を開始し、昭和26(1951)年信用金庫法の制定により「福井信用金庫」に改組された。平成13(2001)年に福井、福井中央、鯖江の3金庫が合併し、現在に至っている。
現在(平成25(2013)年1月)は48店舗を有し、主に福井県嶺北地区を営業地区とする協同組織の金融機関として、地域経済の発展に貢献することを社会的使命と考えて業務展開している。地域のみなさまからお預かりした大切なお金(預金積金)は、地域のみなさまの事業の発展と豊かな生活づくりのためにご融資する形で還元させていただくとともに、みなさまの様々なニーズにお応えすべく、経営支援機能の強化など各種金融サービスの充実に努めている。また、金融サービスの提供にとどまらず、文化的・社会的な地域貢献といった面も視野に入れ、広く地域のみなさまのお役に立ちたいと考え、「信頼度・貢献度・好感度第一位の金融機関」を目指した経営ビジョンを掲げている。
(2)企業理念
地元企業の育成と発展に寄与し、地域産業の活性化を図り、金融という仕事を通じて地域社会に貢献する。
(3)企業風土
「人」中心の金融機関。「企業は人なり」をモットーに「お客様から愛される」人材育成に力を注いでいる。
(4)企業特徴
「笑顔を咲かせるチカラになりたい」を合言葉に、地域で一番頼りになる金融機関として、お客様にたくさんの笑顔を咲かせるため日々努力している。
(5)CSR(企業の社会的責任)への取り組み
環境問題への取り組みとしては、地球温暖化が進み環境問題が取り沙汰される中、平成21(2009)年より「エコともの輪」と称する環境活動を行っている。「エコともの輪」では、「循環型社会の輪を広げる活動」、「環境保全の輪を広げる活動」、「エコの輪を広げる活動」、「エコ金融商品を推進する活動」の4つの活動を柱に、地域の人々と共に環境問題に取り組むこととしている。
文化活動への取り組みとしては、地域社会活性化のために、公共的な団体が行う諸活動を支援し、地域社会の進行発展に寄与することを目的とする「ふくしん地域振興協力基金」を運営している。その他、「ふくしん文庫基金」の設立、地域の芸術文化振興の実現のため「冠コンサート」の開催、地元県民球団「福井ミラクルエレファンツ」のスポンサー企業にもなっている。
地域貢献活動への取り組みとしては、例年6月に福井県信用金庫協会主催による駅の清掃活動を行っている。また、地域の人々に振り込め詐欺への意識を高めていただくため、福井県警察の協力の下、振り込め詐欺未然防止活動を実施している。
福祉社会向上への取り組みとしては、視覚障害者へのサービス強化を図っており、音声方式で対応する視覚障害者対応ATMの設置を順次拡大し、通帳および通帳ケースに金庫名、店番、店舗名、口座番号、お客様名を点字で表示するサービスを行っている。また、ATMによる振込み手続きが困難な視覚障害をお持ちのお客様には、窓口受付の振込手数料を一部減免(ATM扱いの振り込み手数料と同額でのご利用)としている。その他にも、ATMをご利用いただく際に杖をかけられる杖ホルダーを全ATMに設置したり、耳の不自由な人が聞き取りにくい時のために、携帯補聴器を全店に設置したり、店舗、設備のバリアフリー化を推進することで、障害をお持ちのお客様にも安心して当金庫を利用していただけるように取り組みを行っている。
(6)人材育成と活き活き職場作りの取り組み
職員が趣味や家族団欒といった生きがいのある時間をもてるように、ワーク・ライフ・バランスの充実にも取り組んでいる。その一環として、毎週水曜日の定時退庫や年2回の定時退庫習慣の設定、有給休暇の取得促進を行っている。育児・介護休暇制度の運用、職員やその家族が利用できる外部のカウンセリングサービスの活用、各種保養施設の充実といった心身の健康に配慮した環境づくりに努めている。
また、当金庫は、職員が仕事と子育てを両立することができ、職員全員が働きやすい環境づくりに努めている。すべての職員がその能力を充分に発揮できるようにするため、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・実行し、平成20(2008)年および平成24(2012)年の2回、「次世代認定マーク(くるみんマーク)」を受けるとともに、平成22(2010)年には福井労働局より「均等・両立推進企業表彰(ファミリー・フレンドリー企業部門福井労働局長奨励賞)」を受け、平成24年には内閣府より「子ども若者育成・子育て支援功労者表彰」において「内閣府特命担当大臣表彰(子育て・家族支援部門)」を受けている。

くるみんマーク取得
2.障害者雇用の取り組み
(1)障害者雇用の現状と従事業務
平成25(2013)年1月現在雇用している障害者は13名である。障害の内訳としては肢体不自由11名(うち重度障害3名)、内部障害1名、精神障害1名となっている。
肢体不自由11名のうち、9名は本部に在籍し、様々な部署に配属されており、多様な業務に従事している。うち3名は、部署を統括する重要なポジションを担っている。他の2名は営業店に在籍しており、内部事務を担当し、預金業務全般においてその能力を発揮している。
肢体不自由者は、上肢障害が3名、下肢障害が5名、上下肢障害が3名となっている。障害者の仕事内容としては、パソコン入力がメイン業務となるが、荷物を運ばなければならないような場面では、当然のことながら障害者に負担がかからないよう、周囲の職員が配慮する自然な雰囲気ができ上がっている。
車の運転ができない障害者は、公共交通機関を利用しての通勤となるが、当金庫の通勤手当上限を超過する地域から通勤している障害者が1名いる。障害のない職員であれば通勤手当の支給は上限でカットしているが、障害者雇用への取り組みの一環として、この障害者に対しては交通費全額を支給している。また、車通勤の職員が、バス通勤の障害者をバス停で見かけると、自分の車に乗せて一緒に通勤する場面も見受けられる。
内部障害者1名は本部に在籍し、営業店の業績にかかる計数管理や業務遂行にかかる支援業務に従事している。この障害者は心臓機能に障害があるため、体への負担を考慮して残業が発生しないよう仕事量を調整するなど、上席の職員が配慮している。
精神障害者1名は本部に在籍し、パソコン入力作業等により営業店支援に従事している。以前は営業店に在籍していたが、営業店の業務ではその能力を十分発揮するまでには至らなかった。しかし、現在の部署に異動となってからは、仕事に対する意欲も高まり、情報処理関連の国家資格の取得を目指すなど積極的に業務に取り組んでおり、営業店職員からも頼られる存在となっている。
(2)障害者の採用
当金庫は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき障害者を積極採用した結果、障害者の法定雇用率をクリアしている。今後も障害者の適正や能力を考慮し、必要の都度、障害者雇用について検討していく方針である。
(3)障害者雇用の環境整備
現在、雇用している障害者の中に車いす使用者はいないが、平成13(2001)年の3金庫合併に合わせて新築した本店別館はバリアフリー構造となっており、4階のトイレは車いすでも利用しやすいよう、広くスペースを取っている。また、店舗を建て替える場合にもバリアフリー対応を進めており、車いす使用者でも不自由なく働ける環境を整備している。




3.今後の課題
当金庫にとって、障害者を雇用することは義務であり、社会的責任を果たすことであると捉えている。しかし、単に障害者を雇用することだけを目的とするのではなく、障害者自身が仕事に魅力を感じ、高い目標を持って働けるような職場環境づくりが必要であると考えている。また、障害者を雇用するにあたっては、雇用される障害者の障害特性と、障害者が何を求め何を感じているのかを、人事担当者だけではなく、障害者を受け入れる部署やそのまわりの役職員も、同様に理解していくことが重要であると認識している。
当金庫のケースで見ると、営業店では能力を十分に発揮できず、芳しい成果をあげることができなかった障害者が、本部に異動となってからは、業務に対する意欲が高まり、資格を取得して活き活きと働いているという事例がある。このように、障害者自身がやりがいを感じることができる業務とめぐりあう機会を増やすことができるよう、障害者と十分なコミュニケーションを図りながら、各部署への配属後のミスマッチをなくす努力を続けていくこともとても大切なことであると考えている。
平成25(2013)年4月から障害者の法定雇用率が引き上げとなることから、当金庫にとっては、障害者雇用への取り組みが、今後もますます重要性を増していくものと思われる。このような環境の中で、当金庫では、障害者の更なる活躍に期待しており、管理職への登用を初め、障害者が安心して働き、能力を活かすことのできる職場環境の整備を目指している。今後は、店舗のバリアフリー化などハード面だけではなく、ソフト面においても、障害者との交流を深めるためのレクレーションを設けるなどして、障害者が活き活きと働くことができる環境を充実させていきたいと考えている。
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