包装材の未来を創造し、進化を続けるグローバル企業へ
- 事業所名
- 株式会社 日東ディード
- 所在地
- 「本社工場」 神奈川県横浜市
「神奈川工場」 神奈川県横浜市
「北上営業所」 岩手県胆沢郡 - 事業内容
- 段ボール用抜き型、段ボール梱包材・プラダン・携帯トイレ・コルパットの加工販売
- 従業員数
- 34名
- うち障害者数
- 6名(障害者年齢内訳:50代1名、40代4名、30代1名)
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 内部障害 知的障害 6 組立・打ち抜き・カス取り・貼り合せ・カット加工・捺印・カウント・運搬・結束・清掃等 精神障害 発達障害 高次脳機能障害 難病等その他の障害 - 目次
![]() 本社工場外観
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![]() 神奈川工場外観
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1. 会社概要、会社沿革、障害者雇用の経緯
(1)会社概要
株式会社日東ディードは、環境への取組として「KES・環境マネジメント・スタンダード・ステップ2」を取得し、次の「基本理念」と「方針」を掲げて活動をしている。
≪基本理念≫
株式会社日東ディードは、生きるもの全てが共存できるように、限りある自然の環境保全と環境に配慮した商品開発、製造、販売を推進、社会に奉仕し、地域社会から信頼される企業として活動する。
≪方針≫
株式会社日東ディードはダンボール用抜型、ハニカムボード、携帯トイレ、コルパット等の設計・製作・販売に係る全ての活動、製品及びサービスの環境影響を低減するために、次の方針に基づき環境マネジメント活動を推進して地球環境との調和を目指す。
- 当社の活動、製品及びサービスに係わる環境影響を常に認識し、環境汚染の予防を推進するとともに、環境マネジメント活動の継続的改善を図る。
- 当社の活動、製品及びサービスに係わる環境関連の法的その他の要求事項を順守する。
- 当社の活動、製品及びサービスに係わる環境関連のうち、以下の項目を環境管理重点テーマとして取組む。
・事務用紙の削減
・工場周辺の清掃等啓発活動
・勉強会開催
・品質不良の削減 - 一人ひとりが環境負荷低減活動を積極的に実践できるように、この環境宣言を全従業員に周知するとともに一般の人々が入手できるようにする。
- 地域の環境活動に積極的に参加する。
- 上記の方針達成のために目標を設定し、定期的に見直し、環境マネジメントシステムを推進する。
(2)会社沿革
昭和38(1963)年 1月 | 段ボール抜き型製作を目的として「㈲日東木型製作所」を設立 |
昭和53(1978)年12月 | 横浜市神奈川区羽沢(羽沢工場)に工場移転 |
平成3(1991)年11月 | 社名を「㈱日東ディード」に変更 |
平成5(1993)年 1月 | 日石プラパール㈱プラパール販売特約店となる |
平成6(1994)年10月 | 段ボール緩衝材商標名ワンダーボックスを販売 |
平成8(1996)年 8月 | 商品名(携帯用トイレ)ハンディーブース、うんち君を販売 |
平成9(1997)年 5月 | 三菱製レーザー加工機を再導入し、コルパット(紙製緩衝材)の販売を開始 |
平成12(2000)年10月 | 同箕輪町にコルパットを主体の貼り加工工場(現本社工場)を設立 |
平成13(2001)年 5月 | 段ボールパレット(あっぱれ)を販売 |
平成16(2004)年 8月 | 横浜市経済局推奨「異業種交流 サンクスガジェット」会員になる。 |
平成19(2007)年 4月 | 「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2」を取得 |
平成21(2009)年 6月 | 株式会社フクダの業務を改善し、業務の引継ぎを開始。 |
平成21(2009)年10月 | 羽沢工場を神奈川工場とし、多品種小LOT対応の生産拠点とする。 |
平成24(2012)年 2月 | 海外拠点として大連に日東帝徳(大連)国際貿易有限公司、香港に日東帝徳(香港)国際貿易有限公司を設立。中国の生産・物流拠点とする。 |
(3)障害者雇用の経緯
当社の障害者雇用のきっかけとなったのは、遡ること32年前(昭和56(1981)年)になる。社長がたまたま高等養護学校(現在の特別支援学校)の先生と知り合いになり、色々な話の中で、障害者でも反復作業であれば充分戦力になることを聞いて、当社も作業の多くが反復作業であることから、試みに高等養護学校の卒業生を1名雇用したことがきっかけである(その時採用した障害者の社員が現在も勤務している)。
その雇用が上手く行ったことから、今後どのような雇用の方向がベストかを検討することを含めて、社員としてではなく会社内に請負的に作業を行なう「作業所スペース」を作り、その作業所には母親が一緒に通い、作業を共にしながら指導を行うという方法を取ったのである。それにより非常に良い結果が得られ、多い時で母親の付き添いが10名にもなったのである。しかしながらその形態は仕事量の変化、母親の都合等で約2年という短い期間で閉じたのだが、その中から社員として採用したり別途養護学校から採用したりして今日に至っている。
当社では、作業の内容が日々変化して多品種、少量化していく中で他社との差別化で特化して行かざるを得ない状況にあるが、障害者の雇用を確保して行きたいと考え日夜奮闘している。
2. 障害者の作業内容、当社の特徴
(1)障害者の作業内容
![]() ①井桁仕切りの組立
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![]() ②段ボール、発泡品の打ち抜き及び補助員
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![]() ③打ち抜き品のカス取り
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![]() ④貼り合わせ(糊、両面テープ、ボンド)
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![]() ⑤カット加工補助員
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![]() ⑥製品への捺印
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![]() ⑦数量カウント
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![]() ⑧組立(部品組立から完成品まで)
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![]() ⑨社内工程間の運搬(台車、エレベーター操作)
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![]() ⑩完成品の結束
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![]() ⑪その他の清掃等
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(2)当社の特徴
当社では雇用している障害者達のここが他社と比べて特徴があるとは考えたことはないが、他の企業からお話を伺うと、次の事柄が非常に上手く行っているということが分かった為、下記Ⅰ~Ⅴの通り紹介させて頂く。
- 挨拶の励行
障害者の社員同士あるいは外部からの来客に対して、元気の良い挨拶を交わすことが当たり前になっており、逆にこちらがきちんと返さないと返すまで繰り返し挨拶をしている。朝「今日も頑張ります」帰りには「今日一生懸命やりました」と言って帰る障害者の社員もいる。
- 勤怠状況
当社では現在の勤怠状態が通常と考えているが、一般に障害者雇用に関してこれが一番に頭の痛いところであるとの話を聞く中において、非常に恵まれている状況である。現在出勤率は90%を超えており、休みは定期的に通院する場合がほとんどであり、一般社員の出勤率と遜色はない。それにより作業工程計画が容易に組み立てられている。
- 注意書き等の掲示物
作業場、トイレ、手洗い場には、通常の掲示物以外障害者の社員向けの注意書き等の掲示物はほとんどないのである。作業中無駄話をしない、用のない機械には触らない、挨拶をする、走らない、手洗いの励行等の注意は、日々のOJTの効果により掲示物がなくてもそれらが順守されている良い状態が保たれているからだと思う。
- 勤続年数
勤続年数は最低で18年、最長で30年になり定着率は非常に良く全員が大ベテランの域にあり、本人達にも自覚と落ち着きがある。これは本人達の努力ももちろんだが、指導者が個々をよく理解した上での努力も大きいと思われる。
- 部分作業から最終完成品まで
以前は井桁の組仕切りの組み立て作業が主であったが、現在は少なくなっている。それに伴って障害者の社員達の作業が多岐に渡り、必要に迫られて多くの作業を覚えるようになった。指導者は繰り返し何度も教えなくてはならずそれなりの苦労が有ったが、作業内容が部分組立から、完成品まで手がけるようになったことにより、一つの作業をずっと続けている時より集中力が保たれるようになったと思われる。
3. 課題とその取組
(1)課題とその取組
前項に当社の障害者の社員達の色々な特徴を列記したが、このことは障害のある社員達に恵まれたと思っている。しかしながら全く問題がないわけではなく、それらの一例と対処の仕方をここに報告させて頂く。
- 障害者の社員同士の喧嘩
これは作業中集中力が途切れた際に起こることであるが、作業をしている仲間にちょっかいを出し始めて、身体を触っているうちに喧嘩になってしまい興奮状態になってしまうのである。この際は別々の場所に椅子に座らせて興奮状態が落ち着くのを待ち、いけないところを反省させている。落ち着かなければ彼らの保護者に連絡して引き取ってもらっている。このようなことは年齢とともに少なくなり落ち着いてくるのだが、このような余計なトラブルを防ぐ意味でも、食堂での食事の席は必ず障害のある社員同士が並ばないように、一般社員が間に座るように席次を決めている。また作業中は集中力の途切れた兆候を察知するように、個々の特徴をよく掴んだ上で常に目配りをしている。 - 通勤での問題
当社では障害者の社員達の送迎は行なっておらず、バス・電車での通勤である。朝の通勤では問題が発生することはない。帰りの際、大部分の障害のある社員はあらかじめ家に今から帰る旨を連絡して真っ直ぐ帰るのだが、一部遊んで帰るとか、趣味のチラシ集めをしていて、彼らの保護者から未だ帰らないとの連絡があったりすることもある。これは保護者に注意してもらう等、このような傾向にある障害のある社員には帰りの際に真っ直ぐ帰るように常に言い含めている。
(2)その他今後の課題
障害のある社員達も次第に高齢化していくことへの対処が必要になってきており、体力、能力等を考慮して作業を進めることと、内面のケアの方法もそれに伴って変化していかなければならない。作業内容がどうしても多品種少量化が進み、反復作業で継続する仕事が減っていることから、可能な限りできる仕事の幅を広げていかなくては今後の安定した雇用の確保が難しくなる。指導者の質の向上も必須である。
また、保護者の高齢化の問題も有り、より密接な会社と家庭の関係を築いて障害のある社員達の将来が明るく安心して働ける場所を提供するとともに、彼らが一歩会社を出ても地域社会で自立して行ける様、各方面からご協力を頂き努力することが使命と考えている。
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