知的障害者の洗濯作業等における合理的配慮事例
2015年度作成
- 事業所名
- 合理的配慮事例・27007
- 業種
- 医療業(除外率設定業種)
- 従業員数
- 229名
- 職種・従事作業
- 洗濯作業等(シーツ、布団カバー、枕カバー等のアイロンがけ)
- 障害種別
- 知的障害
- 障害の内容・特性
- 一度に仕事を覚えることが難しいため、1つ1つ作業を指導し、作業量の調整等を行う必要がある。
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募集・採用時の合理的配慮
その他の配慮
- 求人・面接前の事前相談
求人・面接前に障害特性に合わせた職務創出、勤務時間、配慮すべき点などについて、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター(以下「支援センター」)へ相談を行い、面接時の配慮や採用のポイントなどについて、アドバイスを受け、採用時や職務内容に活用した。 - 面接シートの作成
支援機関のアドバイスをもとに、勤務時間や業務に関する配慮などの項目を設けた面接チェックシートを作成したうえ、面接を実施し、採用の参考とした。 - 職場実習の実施
支援センターのアドバイスのもと、障害者の就労可能な業務を創出し、清掃業務、洗濯業務、環境整備・ゴミの分別業務の3業務について、同センター立会いのもと各3日間の実習を行った。また適性を判断するために12項目からなる実習評価表を作成した。評価表をもとに適性を判断し、職務内容について本人と話し合い、職場の配置を行った。適材適所の配置ができたため、欠勤や遅刻等の問題は特になく、就労している。
採用後の合理的配慮
業務の指導や相談に関して担当者を定めること
- わからないことや不安な点があれば、すぐに相談できるように、対象障害者の所属する現場のベテラン職員を作業指導担当者とした。
- 当法人として知的障害者の雇用が初めてであることもあり、当初は事業管理部の障害者雇用担当者も一緒に作業指導を行い、緊張を和らげたり、迅速な問題解決ができるような体制を整備した。
本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと
採用当初は、リネン類(シーツ、枕カバー、布団カバー)のシーツローラーによるアイロン掛けを行っていたが、徐々に作業効率が上がってきたため、対象障害者と相談の上、現在では環境整備(清掃、窓拭き、草取り)作業を追加した。
シーツローラー作業場
図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと
- 支援センターにアドバイスを得ながら、職場のルールや作業日程表を作成し、加えて、見てわかりやすいように写真や図解した作業手順書を作成した。
- 作業手順は、一度に作業工程を覚えられないため、1つずつ説明した。まず作業指導担当者が実際にやって見せ、その後、本人にやってもらいながら作業の要領や留意点について伝えることとした。さらに事業管理部の障害者雇用担当者も一緒に現場につきながら、声がけを行うことで緊張を和らげたり、確実に作業できるように心掛けた。
- 作業途中で不明な点ややりにくい点が無いか確認しながら、作業をすすめるよう心掛けた。
- 対象障害者の意見を尊重し、作業工程の見直しや変更も行い、柔軟な対応を心掛けた。
作業スケジュール
作業手順書
出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること
- 就労時間に関しては障害者の負担とならないよう、週5日勤務、9時半~15時の1日4時間、休憩時間を90分とし、精神的にも肉体的にも余裕を持ちながら就労できる時間帯を設定した。
- 作業場が高温・多湿となるため熱中症等の予防等の観点から、水分補給や適宜の休憩について声がけや周知を行い、体調不良等があるときは気軽に作業指導担当者や障害者雇用担当者へ相談できるよう迅速な対応ができる環境を整備した。
- 精神的にも肉体的にもゆったりと休憩ができるよう、他の職員が使用していない空き部屋を更衣室にしたりすることで、リラックスし気分転換が図れるような環境を整備した。
本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること
管理者会議にて事前に障害者雇用及び障害者について、各部署の管理者とスタッフへ以下の内容を周知した。
- 障害者手帳を取得していること。
- 環境、作業に慣れるまでは、声がけを行い、分かりやすく丁寧に教える。
その他の配慮
- 日頃からの挨拶やコミュニケーションを心がけ、気軽に相談ができるような雰囲気作りと、定期的な相談時間を設け、相談しやすい環境づくりを行った。
- 安定した職業生活を送るために、生活面等で対応できない場合は、支援センターへ相談することとし、また必要に応じて医師とも連携をとることで、事前・早期解決できる環境づくりを行った。
- 企業だけでは対応できない生活面での相談内容については、支援センターに相談する体制とした。連携体制を整備することで、問題の早期解決につながり、障害者の安心感と定着を図っている。
- 1~2ヶ月に1回、定期的に仕事内容のほかに生活面や職場環境などに問題が無いかなどについて、本人が相談しやすい面談時間を設け、相談を行っている。
- 求人・面接前の事前相談
障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細
- 障害者雇用を検討するに当たり、障害者就業・生活支援センターへ相談した。障害特性や採用方法、労務管理等のアドバイスをいただき、採用後、支援センター立会いで実習を実施した。実習時には、実習評価表に基づき適性を判断し、就労上の特性を把握しながら職務を検討した。本人希望の職種と相違があったものについては、本人と相談の上、了承を得て職務の変更を行った。
- 定期的(1~2ヶ月)に相談をする機会を設けて、仕事に関すること、生活等に関する意見を聴取し、必要に応じて配慮の方法を修正することとした。
- 作業中であっても、作業工程の見直しや疑問に思うこと、問題点を気軽に話し合いができるような環境づくりを行い、作業等の改善に繫がっている。
配慮を受けている障害者の意見・感想等
初めの頃は緊張し、なかなか相談することができなかったが、挨拶や気軽に声がけをしてくれたため緊張が和らぎ、自分からも挨拶するようになり、職場に慣れてきました。仕事に関しては繰り返し説明してくれたり、作業工程についても話し合いながら改善していくなど、丁寧に教えてもらえました。少しずつ仕事の幅も広がって、自分でも自信がつきました。
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