事業所名

合理的配慮事例・27010

業種

建設業（除外率設定業種）

従業員数

59名

職種・従事作業

事務補助作業（文書作成、ファイリング、郵便集荷、データ入力等）

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

注意欠陥多動性障害（ADHD）：忘れっぽい、うっかりミスが多い、一箇所に落ち着いていることが難しい。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者は、当社が労働局の「精神障害者等雇用促進モデル事業」に採択され、当事業の流れにそって地元のハローワークからの紹介により雇用した方である。ハローワークに障害者専用の公開求人を提出し、面接を実施した。面接時には、対象障害者を支援する就労支援機関の職員に同席してもらい、対象障害者の受け答えの補足および障害の特性や就労上の配慮事項について説明を受けた。

その他の配慮

面接と併せて職場見学を実施した。採用された場合に配属される職場の環境と業務を実際に見てもらい、具体的イメージの中で必要な配慮事項等について確認を行った。また、対象障害者の職場見学を受け入れることで社員の事前理解につながった。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

労働局の「精神障害者等雇用促進モデル事業」に採択されたことが契機になって、本社全体で障害者雇用に取り組む意識が生まれた。
指導・相談体制の構築に当たっては、障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用し、ケース会議には直属の上司（指導・相談担当）だけでなく同じ職場の同僚も参加し、対象障害者、障害者職業センターのカウンセラーおよびジョブコーチを交え対象障害者が抱える問題を共有し、解決に向けての配慮事項等を協議していった。その結果、特定の指導・相談担当者を配置するのではなく、直属の上司と、周りで気づいた同僚が適宜対応できる体制となった。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

対象障害者はこれまで障害のない者として他の民間会社で主に技術系（SE、CAD）の業務についていたが、やるべき業務の量や種類が多く、何をやっていいのか分からなくなり、業務につまずいた。その後、発達障害の診断を受けた。

1. 対象障害者が以前の職場でつまずいた背景から、業務に優先順位を付け、集中して業務に取り組めるように十分な時間配分を行った。このことにより単純なミスを防ぐことができるようになった。
2. 業務指示に関しては、口頭ではなく紙面で行い、複数のことを同時に指示しない、複雑な業務は細分化する等の配慮を行った。
3. 業務手順書（業務マニュアル）の作成は、落着いて業務に取り掛かれる職場環境下で対象障害者本人が自ら作成した。

業務の様子

作成した業務マニュアルの一部

業務日報

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

勤務は、体調に合わせて10：00～17：00（6時間）、週5日（月曜日から金曜日）としている。また、週1回の通院および日々の服薬の時間についてもきちんと確保できるようにしている。現在、適切な勤務時間設定と定期的な通院・服薬により症状は安定している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象障害者の了解のもと、本社社員に対し採用の経緯、障害特性、配慮事項等を社内メールにより周知した。

その他の配慮

職域拡大に向けた取組：他部署の業務を切り出すなど業務量の確保を行い、フルタイム雇用への移行を目指して職域拡大に取り組んでいる。例えば、他部署の郵便物の集荷を新たな業務として行っている。また、集荷業務を行うことで対象障害者と他部署社員との交流を図る機会にもなっている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等