事業所名

合理的配慮事例・27011

業種

宿泊・飲食サービス業

従業員数

689名

職種・従事作業

調理補助（盛付け、食器洗浄、清掃等）

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

広汎性発達障害：自分の言いたいことだけを話し、相手の話を聞かない傾向がある。直感的な言動、相手に失礼と思われてしまう受け答えをすることがある。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者は特別支援学校を卒業し初めての就労になる。そのようなことから面接時には、対象障害者に保護者および特別支援学校の教諭が同席し、対象障害者の受け答えを補足する形で、障害特性や就労上の配慮について説明を受けた。

その他の配慮

特別支援学校から対象障害者の職場実習受入れ要請があり、2年時から3年時まで各2週間の職場実習を計3回受け入れた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 事業所としては初めての知的障害者雇用であったこともあり、採用後まもなく配属先の従業員から対象障害者とのコミュニケーションがうまく取れないとの声が上がってきた。このため、障害者職業センターに相談し、ジョブコーチ支援を受けることとした。
2. ジョブコーチと協議して、指導・相談体制を明確にすることにした。業務指導については、配属先の責任者を担当とし、人事担当者が対象障害者と定期的な面談を行うことにし、現在は継続フォローを行っている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 対象障害者は盛付けや食器洗浄、清掃といった調理補助業務を主に行っているが、「他の業務もやらねば」との思いが焦りにつながっているようだったので、ジョブコーチと協議し、作業スケジュール表を作成して作業の流れを明確にした。
2. 作業のポイントを記載した作業スケジュール表を掲示し、一つひとつの作業について、作業のポイントのとおり行ったかについて確認をするように徹底した。特に、スケジュールの時間通りに進まないと作業が雑になることがあったため、「速さよりも確実に」との文言を作業ポイントに追加した。
3. 盛付けでは、品目ごとに盛付け例を用意し、「どの器に、どの食材を、どの程度」盛り付ければよいか、対象障害者が見て理解し、自分でも確認できるようにした。

食堂内清掃作業の様子

作業スケジュール表

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 勤務：週5日（月曜日から金曜日）9：00～16：00
2. 体調：就労当初は疲労を訴えることも多くあり、その都度休憩室で休めるよう対処した。現在は業務に慣れ疲労を訴えることもほとんどなくなった。
3. 休憩：障害のない従業員と同じ場所・時間で休憩を取っている。就労当初はどのように関わればよいのか分からなかった従業員も、ジョブコーチから配慮すべき事項等の説明を受け、自然な形でコミュニケーションが取れるようになった。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

就労当初には、食器洗浄の際、熱くて食器に触れられないと訴えることが多かった。ジョブコーチと協議し、一時的に食器洗浄業務から外したり、厚手のゴム手袋を装着させて業務に当たらせ、徐々に慣れるように取り組んだ。現在では、素手で食器洗浄業務を行えるようになった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

ジョブコーチから同じ職場の障害のない従業員に対して、対象障害者の特性（直感的な言動、相手に失礼と思われてしまう受け答えをすることがある等）および配慮事項について説明を行ってもらった。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等