募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

採用面接は、対象障害者を支援する障害者職業センターのカウンセラーおよびジョブコーチに同席してもらい、対象障害者の受け答えを補足する形で、障害特性や就労上の配慮点について説明を受けた。

その他の配慮

面接には、対象障害者の配属部署の責任者である看護部長および看護副部長が加わり、採用を予定している対象障害者の理解に努めた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

同じ病棟で同じ仕事をしている看護補助者を、対象障害者の業務指導や相談に当たる担当者（指導・相談担当者）とし、指導・相談担当者は内容により病棟責任者（看護師長）および看護副部長、看護部長と連携をとりながら指導・相談に当たっている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

就労開始時から障害者職業センターのジョブコーチ制度を活用し、スムーズに職場に定着できるよう取り組んだ。就労開始からの3ヶ月間は毎月ケース会議を開催した。会議には、病院側から看護部長および看護副部長が出席し、対象障害者、障害者職業センターのカウンセラーおよびジョブコーチを交え、今抱えている課題の解決に向けた取組（必要な配慮事項）についての話し合いを行った。結果については、病棟責任者（看護師長）から職員に周知を行い情報を共有し対象障害者の職場定着に向けた環境整備を行った。

1. 就業開始時：知的能力には問題ないが、曖昧な指示や突然の業務変更への対応ができない特性を踏まえ、「作業項目・時間・作業方法」を視覚的に確認できるように業務手順書（作業指示書）を作成した。その結果、自分のペースで一つ一つの業務を丁寧確実に仕上げた後に次の業務に取り掛かることができるようになった。
2. 現在は任されている作業には自信を持って取り組めるようになり、手順書も必要なく、作業（勤務）時間も順次延長して、担当業務も就労当初の「4業務」から「10業務」まで拡大した。

業務手順書の一例

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 勤務日数は月曜日から金曜日まで週5日。勤務時間は、8時30分が始業で、就労開始当初は午前のみの勤務とし、その後は15時30分まで、現在は17時30分までのフルタイム勤務となっている。対象障害者の体調等に合わせて順次勤務時間を延長しており、欠勤等することなく勤務は安定している。
2. 看護師や看護助手とは異なる休憩時間帯を設定し、静かな環境で十分に休憩を取れるよう配慮している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

本人の了解のもと、対象障害者の特性および配慮事項等について、看護部長から配属病棟の職員に対して周知し情報の共有を行った。