募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

採用面接時に、特別支援学校の教師、保護者に同席をしてもらい、対象障害者の受け答えを補足する形で、障害特性や就労上の配慮点について説明を受けた。

その他の配慮

1. 特別支援学校高等部3年時、校外実習経験先として当社を選定し、会社及び作業内容を理解するとともに、特別支援学校教師及び保護者と本人を含めて就職に対する意思確認を行ってきた。
2. 障害者就業・生活支援センターのジョブコーチに就労当初から支援に入ってもらった。一定期間当社を訪問し、対象障害者から話を聞いたり相談をしてもらうことで緊張の緩和を図ることができた。これによって対象障害者は体調を崩すことなく、安定した就労が送れている。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

当社は対象障害者以外にも多くの障害者を雇用しているが、その雇用障害者に対して、実質的経営者である専務取締役が、特別支援学校の教師やジョブコーチと連携を図り、作業内容や勤務時間等の条件設定を行うとともに、指導や相談に当たっている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

当初、周囲からの視線を気にするあまり、材料をセットすることに集中できず、三角の形をした材料を同じ三角の形をした工作機の型に取り付ける事ができなかった。
これに対しては、ジョブコーチからの支援を受けながら、根気強く指導や教育を続けた。そのうちに、本人の真面目な性格と強い勤労意欲が実を結び、現在は、障害のない者と変わらないスピードで作業を行っている。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

当社では、作業者各人別に各人の特性を考慮して「作業ポイント」（作業手順書）を作成している。「作業ポイント」は写真・色・記号を使い簡潔に表示している。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 就労当初は1日4時間の週5日（週20時間）勤務から始め、特別支援学校の教師やジョブコーチと協議をしながら時間や日数の延長をしてきた。半年後には1日6時間の週5日（週30時間）勤務とした。
2. 障害者の体調が思わしくない時は早退させるなど配慮している。

その他の配慮

当社では、作業者の特性に配慮した生産設備の改善にも努めている。

1. 改善前は、材料を工作機にセットする時は工具を使って行っていたが、締める力が均等でないことからの不具合があった為、レバーによるセットが可能となるように改善し、誰でも加工ができるようにした。
2. 作業マシン操作パネルに同じ色のボタンがあり、間違えて押すケースがあった為、使用頻度の低いほうのボタンにプレートを貼り、防止策とした。隠したボタンは細い棒で押すことが可能であり、作業者が第一と考えて工具や設備を作業者の身体・能力に合わせて整備している。

マシン作業風景