事業所名

合理的配慮事例・27022

業種

建設業（除外率設定業種）

従業員数

120名

職種・従事作業

現業関係事務職
［配属先である「内業センター」において、各現場で利用する事前の資料（現地の土地特性を表す地図）の作成業務。具体的には、各種地形図（国土地理院）をピンポイントで引き出しエクセルにて作成しPDF化する作業である。]

障害種別

精神障害

障害の内容・特性

1. 失敗が重なると落ち着かなくなり、冷静な判断ができなくなる。
2. しっかりと睡眠が取れたときは、確実に仕事に集中できる。入社1ヶ月目までは不安定であったが、4ヶ月目以降は安定してきて、現在に至る。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 対象障害者の面接時には、当該障害者が利用する障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」）の方が同席された。
2. 最近では、ハローワーク主催の合同面接会に参加することが多い。その場合にも特に応募者の障害特性を十分に説明していただくことにしている。

その他の配慮

1. 履歴書等に記載されている障害特性の内容を事前に確認し、障害特性を熟知したうえで面接に臨んだ。
2. 採用にあたっては、初めから障害特性と職種を紐付けすると職種の範囲が狭くなるため、職種にこだわらず採用した。
3. 当社の障害者雇用では、採用後に現場のリーダーが障害特性や状況を見て業務を振り分けるようにしているが、結果としてミスマッチが起こる場合もあるので、じっくり各々の適性を見極めている。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 障害者枠での採用の場合も、当社では障害者だからといった特別扱いをするわけではなく、業務に精通した「戦力」として活躍してもらうことを期待している。
2. 対象障害者の入社当初は、チームリーダーが本人の適性を見ながら、まず、簡単な仕事をピックアップし職務を割当てた。その際、例えば「PCを使った仕事が好き」とか「数値の入力が得意そう」などと具体的にあげ、それにマッチングした業務を担当してもらうことになった。現在の地図作成関連の業務がそれである。これは障害のない者にも言えることであるが、どんな人でも必ずどこかに「キラリと光るもの」があると思うので、個々の適性を見つつ、適材適所で業務の配置を行っている。
3. 対象障害者の配属先の「内業センター」には4セクションがあり、それぞれ障害のある人、ない人の混成チームで相互補完しながら、各チームリーダーのもと円滑な作業を行っている。そういう中で、対象障害者は地図作成の分野では勤続5年のベテランになる。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 基本的なマニュアルを整備し、業務変更等に伴い適宜追加・修正があり、その点はメモ等で追記・補足している。現在は、対象障害者自身にマニュアルを整備してもらう状況にまでなっている。
2. 成果物については、チームリーダーがチェックし、かつ使用する現場でもチェックを行うこととしているが、現状は非常に精度が高いので、そのまま活用している場合が多い。
3. また、生産性については1日あたりの完成成果物の数量によって把握している。対象障害者の今までの最高値では、1日あたり24件の成果物が出来上がったことがある。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 当初は状況に応じて、週4日勤務や短時間勤務等、障害特性や体調を考慮して勤務日数や勤務時間を調整するよう配慮した。
2. その後は状況を見ながら、徐々に時間を増やすなど、チームリーダーが確認管理を行い、体調が悪くなった場合には、適宜休憩を取ってもらうような対応をとった。
3. 現在は週5日、9:00～17:00（休憩1時間）勤務で安定している。対象障害者のお休みは日曜日、月曜日である。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

障害者全員に対して、1階に休憩室があり、他にも新館4Fには和室の大広間があって、どちらでも好きなところを利用できるようにしている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

1. 当社は、障害のある人とない人の業務の区分けは行っていない。ただし、対象障害者には終業時間から逆算して処理可能と見込める業務量で調整し、それで終了しない場合は、障害のない者に引き継げるような仕組みにしている。体調等が良いと見受けられた場合には業務量を増加させることもあるが、無理はしないようにしている。
2. 現在は非常に安定しており、作業時間の計算ができる状態なので、ある程度は任せており、繁忙期には残業をお願いする場合もある。ただし、残業は1時間程度で、その都度本人の体調等を確認した上で承諾を得ている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 本人が入社する前に、プライバシーに配慮した上で、事前に社員へは口頭で障害特性等を開示した。
2. 当社が障害者雇用を開始した当初は試行錯誤の連続であったが、今では全員で受け入れる体制ができているため、障害者ということを意識することがほとんどなくなったように感じる。

その他の配慮

1. 業務の質的な部分に障害のある人と障害のない人を区別することがない環境であるため、ギスギスしたところのないアットホームな職場になっているが、そうはいっても、各自が戦力になってもらう意味からも勤務時間中は業務に集中して取り組んでもらっている。
2. 企業としては成果を評価することが重要であり、前述のとおり障害のある人も戦力ととらえ、障害のない人と同等に見ている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等