募集・採用時の合理的配慮

面接・採用試験について、文字によるやりとりや試験時間の延長等を行うこと

対象障害者の採用については、次の方法により行った。

1. ハローワークから紹介があって、まず、対象障害者の負担にならないように、おおよそ20～30分程度の面接を行った。
2. 面接後、現場実習を行った。実習は1回あたり約2週間で設定し、計2回実施し、双方合意の下で採用を決定した。

その他の配慮

1. 面接の際、対象障害者に「会社において配慮してほしいこと」を質問し、本人と会社にとって、双方で留意すべき点を確認しあった。
2. 面接会場は、常時バリアフリー設備が整備された場所を利用している。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 当社の障害者雇用は、「障害者の自立支援」をモットーに、人材育成を大きな柱にしている。そのため、個々人が自らスキルアップを図り、お互いの信頼関係をベースにして、社としての運営も含めた大いなる戦力になってもらうことを期待している。また、その指針をベースに、次のような様々な配慮を提供している。
   • 組織面では、各業務単位にチームに分かれ、担当の役職者（障害者職業生活相談員の有資格者）は作業環境を整備したり、人事管理、異常事態への対処等を担当している。
   • 実務については、入社後3ヶ月間は、先輩社員が指導員としてOJTを行い、その後は、チーム内にリーダーまたはサブリーダーとして任命されたベテランの社員が業務指導等を行っている。
2. 対象障害者も上記の配慮の下、スキルアップを図り、今現在は、本人の習熟度合いも高くなり、ピーク時には1日800件超を処理できるまでのレベルになっている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 親会社からは、時限性に比較的余裕があり、量的にも適切な業務量を受託している。
2. 作業手順書や工程表は銀行で使用しているものを当社用にカスタマイズし、図式化して分かりやすいものになっている。
3. 当日の作業については、チーム内で朝礼を行い、対象障害者も含め互いに作業内容を確認している。また、進捗については、本人が業務日誌に記載して報告している。なお、業務改善に関しては、事務作業や環境面についての改善・提案制度を設けており、採用した場合には、賞与で還元することにしている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 当社の通常の勤務時間は、8:40～17:10（1日7.5時間、週37.5時間）、休憩1時間であるが、現在、対象障害者については体調を考慮し通勤緩和への配慮として「短時間勤務制度」を適用し、9:10～17:10で勤務している。
2. 「短時間勤務制度」は、精神障害者等を対象にして、体調への配慮も勘案して導入しているもので、週最大20時間超を短縮することが可能とするものである。本人もその制度適用下で勤務してもらっている。
3. 社内で体調不良が発生した場合は、2階に休憩室があり、そこで休養することができるが、役職者に申し出て早退することも可能である。また、障害者全員に対して、就業規則外で午後30分の休憩（15:00前後）を設けている。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

1. 周囲の視線を気にする場合があるので、PCへのデータ入力作業等は左右をパーティションで区切って、作業に専念してもらっている。
2. 休憩所等はカーテンで仕切りをし、周囲の目を気にしないように対応している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 新入社員の場合は「社内報」に紹介事項を掲載している。対象障害者については個人情報に差しさわりのない範囲で障害特性等も紹介した。
2. 配属時には、チーム内で自己紹介と役職者からも簡単に補足紹介をしている。

その他の配慮

1. 当社では雇用障害者の私生活面に関しては、支援機関に協力していただいている。支援機関の利用がない人は支援機関の登録をお願いしている。
2. 体調の変化等必要に応じて、本人、支援機関、主治医による支援会議を開催し、体調に応じた勤務時間の調整等、定着化に向けた取組も行っている。
3. 社員が働きやすい環境づくりを目指して、年1回「職場定着委員会」を開催している。事前に、職場生活、職場環境、職場の配置、教育等についてアンケートを収集し、社員と話し合いの場を持ち、会社からの回答を行っている