事業所名

合理的配慮事例・27025

業種

医療・福祉

従業員数

90名

職種・従事作業

特別養護老人ホームに入居される高齢者の生活スペースである新館3階フロアの清掃等の業務

• 共有スペースの手摺、トイレ、浴室、入居者の承諾を得た居室内等の清掃
• 入居者の居室内リネン等の交換・整理
• 各食事の後片付け、テーブル清掃など

障害種別

高次脳機能障害

障害の内容・特性

1. 記憶障害があるため、作業手順や指示内容を忘れやすい。慣れてくると徐々に覚えられるが、時々作業が中抜けになることがある。
2. 体幹のバランスを保ちにくいため、歩行はゆっくりで、安全面でも配慮が必要である。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 初めての障害者雇用のため、ハローワーク及び障害者職業センターに相談し、職場実習を経て採用とした。
2. 職場実習を行う前に、施設見学と面談を実施したが、その際に障害者職業センターのジョブコーチが同席した。

その他の配慮

お互いの理解を図るため、職場実習終了後、3ヶ月間のトライアル雇用を経て本採用とした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 事務担当の介護福祉士を対象障害者の担当職員として選任し、当初からその担当職員、就労現場の新館3階のフロアリーダー及び障害者職業センターのジョブコーチが中心になり、業務指導や相談等に対応している。
2. 当日作業終了後の業務日誌等は担当職員が毎日、内容の確認を行っている。
3. 新館3階フロアの作業全般については、フロアリーダーが担当して、状況等の確認をしている。
4. 日々の作業進捗や完了チェックは、毎日新館3階フロア職員も参加してダブルチェックを行っている。
5. 随時、問題点やご本人から改善点などの提案があった時は、担当者間で検討している。
6. 職場内でどうしても判断できない場合は、障害者職業センターのジョブコーチに相談している。

仕事内容等をメモにする、一つずつ業務指示を行う、写真や図を多用して作業手順を示す等の対応を行うこと

1. 障害者職業センターのジョブコーチからのアドバイスにより「作業手順書」を作成し利用してもらった。この際作成した「作業手順者」は、ご本人からの意見でもっと作業効率の良い改定「作業手順書」になった。併せて、1日の「勤務スケジュール表」も作成して活用してもらっている。
2. 「作業手順書」はチェックリストにもなっており、毎日作業終了・チェック後は回収BOXに提出してもらっている。
3. 「作業手順書」に明示できない作業上の禁止事項や留意事項については、作業現場の壁に掲示して注意を促している。

勤務スケジュール表

作業手順書・一例

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. トライアル雇用時は、1日6時間、9:00～16:00勤務としていたが、本人からの希望もあり、本契約開始から本年5月までは、1日7時間、9:00～17:00勤務、本年6月からは1日8時間、8:30～17:30勤務で働いてもらっている。
2. 休憩時間は、当初お昼に60分休憩としていたが、現在はお昼休憩45分で、午後の区切りのよいところで15分休憩としている。作業に没頭するあまり、休憩を取らない場合があるので、休憩取得についても作業手順書に取得時間の記入を行ってもらい、休憩取得の漏れがないようにしている。また、勤務スケジュール表にも休憩をきちんと取得するよう明示している。
3. 体調管理の方は特に問題なくできており、今まで無欠勤である。

本人の負担の程度に応じ、業務量等を調整すること

1. トライアル雇用期間中（3ヶ月）は、障害者職業センターのジョブコーチ支援における「支援計画」をベースに、業務量を調整した。
2. 担当してもらう業務については、3階フロア職員が洗出しと切出しを行い、業務量を絞込んだ。
3. 切り出した業務内容と業務量に基づき、「作業手順書」を作成した。
4. 今はほぼ毎日、固定的なスケジュールと適切な業務量で勤務してもらっている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 障害者雇用は初めてのため、障害者職業センターのカウンセラーに、対象障害者を配属する予定の2階、3階フロア職員を対象に、「障害者雇用について」という説明会を開催していただいた。特に、対象障害者の障害特性や留意事項等も含め、障害者雇用に対する理解を図った。
2. 結果的に、3階フロアへの配属となったが、担当のフロアーリーダーをはじめ職員全員がオープンマインドをもって、対象障害者に接してもらっているので、親しみやすい環境になっていると思う。

その他の配慮

1. 歩行時にバランスを崩す場合があるので、専用のワゴンを提供し、ワゴンには作業手順書や作業に必要な道具を設置している。
2. 今のところは、障害者職業センターのジョブコーチに協力・支援をお願いしているが、近隣にある「障害者就業・生活支援センター」の支援担当者に生活指導面も含め、徐々にシフトしつつある。

作業風景

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等