事業所名

合理的配慮事例・27028

業種

サービス業（他に分類されないもの）

従業員数

126名

職種・従事作業

事務的業務　（給与、社会保険等の事務）

障害種別

精神障害

障害の内容・特性

＜統合失調症＞
医師から軽度の疾患と言われていることもあり、頑張り過ぎる傾向がある。好奇心旺盛なため、周囲の会話が気になったり、疑問を解消しないと次に進めないことがある。優先順位をつけるのが苦手である。

その他

特例子会社、障害者職業生活相談員

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者が利用していた人材紹介会社の担当社員が同席した。基本的には見守るだけだったが、サポート役の人がいることで本人は安心できた様子であった。

その他の配慮

当社の採用担当者が人材紹介会社を訪問し、利用者同士のグループディスカッションに参加して考え方やコミュニケーション力などの確認を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

障害者職業生活相談員でもある社員1名を担当指導員に任命し、対象障害者を同指導員の隣の席に配置することですぐに相談できる体制をとった。また、指導員が長時間席を外す等すぐに対応できない場合は、周囲の社員に対応を依頼した。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す。作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 自分で優先順位をつけることが苦手なため、毎朝朝礼後にスケジュール表を一緒に確認（スケジュールの共有）。業務の説明や優先順位等の確認を行い、その日にすべきことのチェックも実施している。
2. 入社当初は、朝、昼、夕方と3回業務状況を確認した。
3. 最初の5ヶ月間は業務日報を書き、その内容をもとに指導員がフィードバックした。業務に慣れてきた6ヶ月過ぎからは、朝、夕方の口頭確認に変更した。
4. 対象障害者本人の習熟度にあわせて、次のように業務内容を高度化していった。
   • 電話対応
     他者の電話応対を聞く→ビジネスマナー研修で電話応対の基礎を学ぶ→応対例を紙に書いて貼る→電話を受けてつなぐ(3ヶ月後)→社内電話をかける→社外電話応対(4～5ヶ月後)
   • 労務
     定型業務(伝票起票、配付物)→入社時の社会保険処理→その後の対応→退職に関する手続き→変更業務(氏名・住所等)
   • 給与
     勤務シートチェック→データ入力→給与変更事項の対応(通勤費・扶養・介護保険等)

スケジュールの共有

業務日報

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 就業時間は9時30分から17時30分の勤務（労働時間7時間、昼休み1時間）。
2. 指導員が常に隣にいて体調管理をしていて不調が見えたらすぐに上司や定着推進課への報告を徹底している。
3. 頑張り過ぎる傾向があるため、日報に体調を記入して常に体調管理をしている。
4. 疲れやすいので基本的に残業はさせないようにしている。
5. 休憩取得については、入社時に説明しているがその都度声かけをしている。
6. 体調不良時は自分から相談できるので、相談があれば休憩あるいは早退を促す。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

1. 外の空気を吸いに出たり、フリースペースで休憩できるようにした。
2. 座席は端の席にしてなるべく周囲が気にならない配置にした。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

1. 指導員が体調に合わせて業務量の配分を行った。
2. 体調不良時には書類整理、シュレッダー等、考えずにできる単純作業をしてもらった。
3. 指導員と2人チーム体制で急な休みが発生しても業務をフォローできる体制を取っている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

入社前に支援機関から対象障害者の特性（【本事例に係る事業所情報】の「障害の内容・特性」欄に記載した事項）及び配慮事項※の説明があり、本人の了承を得た上で皆が最低限の情報の共有化を図っている。
※配慮事項：特別扱いはしないが、高圧的な態度は避ける。マニュアルや文書化された情報で業務指示をする。それが難しい場合は口頭指示に対し、メモを取る時間を十分に取る。

その他の配慮

1. 職場でスムーズに業務ができるよう、入社時にビジネスマナー研修、障害基礎理解研修を行った。
2. 入社後半年は、人材紹介会社の担当社員および障害者職業センターの障害者職業カウンセラーに定期訪問を行ってもらったが、その後は障害者就業・生活支援センターの利用登録をして同センターの支援者に定期訪問をしてもらい対象障害者の私生活を含めた悩みの相談に乗ってもらっている。その中で会社で配慮が必要な事項については共有している。
3. 会社で契約している臨床心理士が、月2回来社し希望者は30分間の面談を受けられるよう配慮している。
4. 仕事以外でチャレンジできる場（アビリンピック、障害者ワークフェアへの出展、チャリテイ駅伝、のど自慢大会、ソフトボール大会等）の参加支援を行っている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等