募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面接時には、対象障害者が利用している（通所していた）施設の支援員が同席し、本人のできることや施設で訓練し身についていること等について助言を受けた。

その他の配慮

本採用までは「面接→内定→実習→トライアル雇用→本採用」の流れとした。
実習開始時には障害者本人の様々な不安を解消するために説明会を開催。
説明会では、次の1から4の事項等、会社で働くために必要な情報を写真等を入れたふりがな付きの資料にまとめて説明した。

1. 実習場所や作業の方法・作業スケジュールについて
2. 会社の入り方（正門等があるため）
3. 出勤・退勤の方法（個別に通勤方法等も記載。なお、バス通勤の練習は本人が通所していた訓練施設の支援員が行った。）
4. お弁当の頼み方

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

「ビジネスサポートグループ」には、本人以外にも障害者が働いていることもあり、管理者としてマネージャー1名と補佐（アシスタント）2名の計3名を配置している。

　●マネージャー　→　部門運営上の包括的指示、必要に応じ個人面談（相談・アドバイス）
　●アシスタント　→　受託業務処理に係る指示及び教育・訓練、安全管理上の指導等

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

対象障害者との面談を定期的に行いながら、その都度、本人に向いている作業内容や安定してできる業務量を確認し、作業の選定や業務量の調整を適切に行うよう取り組んでいる。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

『手順書の作成』（添付写真1）
　　様々な現場部署からの発注業務が多いため、誰が教えても同じ指示が出せるように、手順書を作成して統一ルールのもと、やって見せながら、業務を教えている。
　　手順書作成にあたっては、間違いがないよう発注部署の意見も取り入れながら、写真をメインとして次の1から3などを記載する作業手順書を作成している。
　　これらを実施することにより、間違いや作業手順等の混乱を防ぐことができている。

1. 作業の手順
2. 注意点
3. 注意しなければいなけない理由

『わかりやすく、見やすい表示』
　　作業手順書は、必要に応じて表示にふりがなを付け、また道具を置く場所や出入り口等色分けをして、見やすくわかりやすい表示としている。（写真1参照）

写真1　作業手順書

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

『あいさつ運動への参加」
当社では出勤時に部門ごとに正門へ立ち、朝の挨拶を行う取組「社内挨拶運動」を実施している。これに、対象障害者を含む障害者全員の意志確認後全員で参加した。その結果、自然な形で会社全体に障害者の存在が伝わり、声を掛け合う等の交流が可能となった。このことをきっかけに「無理矢理」ではなく、現場から当部署へ業務の積極的な相談が持ち込まれるようになり、仕事の内容が増加している。

『社内ポータルサイトの活用』
社内ポータルサイトに障害者の働く部署について、また働いている障害者について紹介するコーナーを作り掲載して、多くの社員が障害のある人について理解できるように工夫している。
障害者雇用に対する理解が深まり、距離感が徐々に狭まってきている。

その他の配慮

『安全指導』
安全については採用前の2週間の実習中に1人1人に対してきちんと決まり事（ルール）として指導する。
安全イエローカード(添付写真2）を作業ごとに作成し、次の1及び2を記載し作業現場に表示している。

1. 何が危険なのか
2. なぜ危険なのか

この内容については、毎朝繰り返し声に出して全員で確認している。

写真2　イエローカード