事業所名

合理的配慮事例・27039

業種

製造業

従業員数

31名

職種・従事作業

製造補助作業等（コンクリートの中に入れる鉄筋へのプラスチック部品の装着、その他補助作業）

障害種別

身体障害（左半身麻痺）及び高次脳機能障害

障害の内容・特性

脳梗塞の後遺症により、左半身の麻痺及び高次脳機能障害

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面接で就労支援機関職員の同席はないが、面接に至るまでに公共職業安定所及び障害者職業センター職員と連携を図りつつ、業務の切り出しや候補者の絞り込みを行った。

その他の配慮

1ヶ月間のトライアル雇用を活用し、会社の業務が合うものかどうかを実際に本人に確認してもらった。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

業務の指導や世話などの担当者には、他人に気を配ることができる人間性を見込んで配属現場の班長を選出した。仕事の指示等は、当初はその班長からのみすべて行うこととした。

仕事内容等をメモにする、一つずつ業務指示を行う、写真や図を多用して作業手順を示す等の対応を行うこと

1. 就労当初は、指示の出し方について、一般従業員のようにあれこれとした作業を一括して指示するのではなく、ある程度作業を分け、ひとつひとつ指示するようにした。その際、なるべくひとつの作業で長時間取り組めるようにして、指示を行うよう工夫した。
2. 話して説明するだけでは、本人の理解や記憶に不安があるため、作業の内容を具体的なイメージで捉えることができるように、作業の結果となる製品等の完成形をすべて写真に撮って、マニュアルとしてまとめた。
3. 左手が不自由なことから、次のような配慮をした。
   • 片手でも作業ができるように、レイアウトでは本人の作業スペースを通常の社員より2～3割広く取り、また周辺の整理整頓にも努めた。
   • 作業机は一般の従業員より広いものを用意し、作業対象となる資材はなるべく本人に近いところに配置して取りやすくした。
   • 部品の入る箱には、内容が分かるように名称を表示したシールをすべて貼り、きちんと整理して置くようにした。

「作業環境」（資材名称のシール貼、
大きい机、広くとった作業スペース、整理整頓）

「マニュアル」（完成形の写真）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 出退勤時間等は一般の従業員と全く同じであるが、通院について本人の意向を最大限尊重している。
2. 脳梗塞が障害の原因となったことから、とくに体調については配慮をしており、夏場は水をきちんと飲むこと、必要な用足しをすることなどの注意を促している。

本人の負担の程度に応じ、業務量等を調整すること

1. 採用した当初は、本人がついつい無理をして仕事を頑張ってしまう傾向があったため、疲れすぎないよう意識的に休みを入れるように配慮した。
2. 最初は限定された補助業務だけの担当であったが、本人の仕事への意欲が高く、今までと違う仕事にも取り組んでもらい、担当できる仕事を徐々に増やしていった。現在では、ライン以外の補助業務を幅広く網羅して担当するに至っている。
3. 本人はあるとき年休を取得したが、聞いてみると仕事に関係する溶接関係の技能講習を受けたためであったことが分かり、これは他の社員の範にもなるということで、後日、会社が受講料を支給した。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

それまで障害者を受け入れたことがなかったため、採用前に、全従業員を対象に障害者職業センター職員を講師とした研修を実施し、障害特性や障害者を受け入れるにあたって留意すべき事項などの講義を受けた。

その他の配慮

1. 初めての障害者雇用なので、最初はどういう段取りで進めるのかまったく分からず、公共職業安定所、障害者職業センターと相談し、どんな仕事なら与えることができるのか、どんな配慮をしたらいいのかなど、ひとつひとつ模索して取組を進めた。
2. ボーナスが出たとき、工場長が本人のご家庭に直接持参して手渡し、ご両親に本人の様子を伝え、安心してもらった。時給も少しずつではあるが、順調に上げている。社員の慰安旅行、飲み会なども一般従業員と同様に参加してもらっている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等