募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

すぐに面接するのではなく、まずはどんな職場環境か、実際にどんな仕事を任せるつもりなのかを事業主側が説明するための職場見学会を開催した。その際は支援機関職員、両親が同席した。

その他の配慮

1. 最終面接の際には、単独で通勤することができるか確認のため1人で職場まで来てもらい、本人自身の就労意思や気持ちの確認のため1人での面接とした。
2. 採用時からジョブコーチ支援を活用し、本人の障害特性に応じた就業環境の整備等についてアドバイスを受けた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 担当者の属性
   同僚（半年早く入社した同年代の先輩職員）
2. 対象障害者と担当者の具体的関わり方
   上下関係ではなく同僚（先輩）として近い距離感で話せる関係。席は向かい合わせではなく隣り合わせとしていつでも話しやすい配置とした。
3. 指示の仕方
   一つ一つの作業を一緒にやってみながら、どの作業ができてどの作業はできないのかを確認し、できる作業を増やせるように徐々に教えていく。指示を聞きながらメモを取る等の同時作業が不得手なため一度に作業指示をしない。
4. 担当者とその他社員との連絡方法等
   入社当初は全ての連絡・指示を担当者を通して行うこととし窓口を一本化した。仕事、人、環境に慣れてからは、徐々に指示等をする職員を増やしていった。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

一連の作業に対してまとまったマニュアルを作成するというよりは、一つ一つの作業を一緒にやってみて、できることできないことを整理し、その場で教えるようにした。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

電車、バス等を乗り継ぎ約2時間かけて通勤している。事業所も最寄バス停からは徒歩30分の距離であるため、バス停近くの民家に自転車を置かせてもらい、自転車で通勤できるように事業所側で準備した。

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

水に濡れること（汗をかくこと、雨風に濡れること等）に過敏に反応する傾向があった。カッパや長靴を整備することで洗車のように水を使用する仕事もできるようになった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

採用時に職員に対し、発達障害等の研修会を行った。
業務上で直接関わりのある職員には、会議等の場をとおして定期的に障害や対象障害者の状態について周知を行っている（表面的に見えにくい障害であるため、時間がたつにつれて、周りの職員の側が障害に対する配慮意識が薄れてくるため）。

その他の配慮

就業の状態・対象障害者の意識等を把握するため、対象障害者と担当者の両名ともに日誌を作成させている。この方法によることによって、対象障害者・担当者双方の視点での業務実態が把握でき、意識のずれや問題点等の発見に役立てている。