事業所名

合理的配慮事例・27052

業種

医療、福祉（除外率設定業種）

従業員数

71名

職種・従事作業

院内及び院外環境整備担当
【院内エアコン清掃、産業廃棄物（医療用手袋等）の廃棄前圧縮作業、院外の床タイル清掃、草取り作業、患者のおむつや病室のシーツ整理等のリネン作業】

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

集中力を持続させることが困難であり、継続して作業を行うことが苦手なことから、作業が中途半端となってしまうことがあるため、繰り返しの指示が必要となる。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

採用面接時には対象障害者を支援している障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」）の職員が同席して、面接担当者からの質問や対象障害者からの回答等をサポートし、面接をスムーズに進めることができた。

その他の配慮

障害者職業センターと支援センターに対象障害者の担当する業務について相談した。また、障害者職業センターからジョブコーチの派遣を受けて、配属時（採用時）に対象障害者の作業指導及び職場での適切なコミュニケーションについて助言を受けた。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者への業務指導及び勤怠管理については、主に当事業所の事務長が担当している。
2. 対象障害者の担当業務である清掃業務については、当該事業所の外部委託業者（清掃業）と協力しながら清掃業務を行う場合もあり、その清掃業務や休憩時間を利用して、他の職員とコミュニケーションを図るなどして、リフレッシュしながら業務を行っている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. ジョブコーチからのアドバイスを基に対象障害者の障害程度、障害特性に合わせた業務スケジュール、業務量を定めている。
2. 一方的に業務を任せるのではなく、通常業務から派生してくる業務を含めて通常業務をより確実にこなすための方法などについて、対象障害者自身が自発的に考えて行動できるようになることを目指し、対象障害者の自主性を尊重するとともに、さらなる成長を促すようにしている。
3. 現在の対象障害者の担当業務においてはパソコンを使用する機会はないものの、パソコンでの文書作成や表計算の練習ができるように休憩室にパソコンを配備し、対象障害者が事務処理能力等のスキルアップを図れるように、対象障害者の将来を見据えた環境整備を行っている。

写真（廃棄物圧縮作業）

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 対象障害者の障害特性に配慮し、理解しやすい作業マニュアル、指示書を作成して提示し、それに基づいて業務を遂行するように指導した。作業マニュアルは、文書のみはなく、図を用いたりした。また、対象障害者自身で業務の進捗状況を確認できるようにするため、直接書き込みができるような業務進捗状況確認票（チェックリスト）も作成した。
2. 作業日誌を作成し、管理者が対象障害者の作業内容や進捗状況を確認できるとともに、対象障害者自身も日頃の業務の振り返りができるようにしている。
3. アクシデントレポートを整備し、業務中に発生したトラブルや業務の失敗をメモに残すことで、対象障害者自身に改善策を考えさせるようにしている。

作業マニュアル①
【感染症予防】

作業マニュアル②
【事務所整備】

業務進捗状況確認表
【チェックリスト】
(作業マニュアル②に付随するもの)

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 対象障害者の出勤については、家族の意向及び本人からの希望により、自家用車での通勤ではなくバイクでの通勤を行っている。このため、通勤ラッシュの時間を避けて通勤できるよう安全面に配慮し、また、通勤にかかる負担を考慮し、通常の勤務開始時間よりも1時間遅れての勤務開始となっている。
2. 対象障害者の通院については約3～4ヶ月に1度の頻度のため特別な配慮は必要としていないが、通常の勤務時などに体調が悪化した場合は休憩や休暇を取らせるようにしている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 採用時に院内の各担当責任者に対象障害者の障害内容、特性について通知した。
2. 当事業所が医療機関ということもあり、ほとんどの職員が障害者に対して柔軟な対応を行うことができ、全体として障害者の受け入れ体制が構築されている。

その他の配慮

1. 採用当初から障害者職業センターのジョブコーチの定期的な訪問による支援を受けた。
2. ジョブコーチからは、事業所側としては作業マニュアルの整備など、対象障害者にとっては作業方法などについてレクチャーを受けたが、このようなことにより、対象障害者はジョブコーチのみならず当事業所職員との信頼関係も築くことができ、業務を行いやすい環境が整備されたため、継続した就労ができている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等