事業所名

合理的配慮事例・27080

業種

金融業・保険業

従業員数

4,663名

職種・従事作業

事務作業

障害種別

精神障害

障害の内容・特性

人とのコミュニケーションが苦手（挨拶などマナーに関する知識が乏しく、再三の注意・指導にも関心が薄い。）

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

障害者との面接時において、必要に応じて支援者等の同席を認めているが、対象障害者の場合はハローワークからの紹介の際に障害者職業センターを支援者として応募があり、事前に支援者から障害特性や性格などの詳しい情報を得ていたことから、単独での面接を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

入社後1ヶ月間は、障害者職業センターのジョブコーチに毎日同席してもらい、ジョブコーチを通じた対象障害者への業務指導を行うなどの支援を受けた。その後の1ヶ月間は、週1回程度、入社後3ヶ月目には月に1回程度の支援を受けた。
対象障害者は、社内のワークサポート・センターという比較的障害の程度が重い障害者が勤務する部署に在席している。同センターには8名の障害者が所属しており、個別に担当者を配置することは行っていないが、業務指導等は障害の無い社員3名（業務指導担当者）の連携による部署全体の指導体制としている。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

対象障害者は、業務全体の流れのどの部分を担当し、その部分が欠落することで全体に与える影響がいかに大きいか、自らの仕事の重要性を理解し納得することで、根気よく真面目に業務する傾向が強い。
そうした認識のもとで、業務指導する上で活用したのが、本人に「ノートを取らせる」ことを習慣づけ、ノートを取ることの意味を理解させたことである。見て・聞いて覚えることに加え、書いて覚えることとしたことで、人に聞く前に自分でノートを見るなどの工夫が見られるようになった。
また、部署内に「自分だけでなく皆が同じように業務をしている。」といった雰囲気をつくり、一人ひとりが自らの業務に対する責任を感じるために、適度の競争原理を導入している。例えば、一つの作業を一生懸命行っている社員を見たとき、『頑張っているね』と声を掛けることで、他の社員もそれに触発されることがよくある。些細なことではあるが、全員を同じ基準で激励することが、働きやすい環境を整えることにつながると考えている。
しかし、対象障害者は、入社するまでマナー教育を受けたことがほとんど無く、社内において常識的なマナーが履行できないことへの批判が少なからずあるので、そうした現場において常に言って聞かせるものの、障害特性からか、同じことを繰り返すことが多い。
この部分については、他部署からの苦情窓口をセンター長に集約し、センター長において同じスタンスで何度も言って聞かせるなど、気長に指導する必要性を感じている。

週間単位の注意事項はカレンダーへ記載！

入れる方向のメモを貼り付け

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

職場の7階部分に医師が常駐する診療所が設置してあり、所属する障害者全員の障害に関する情報も把握していることから、体調不良となった場合にはすぐに受診させ、場合によっては主治医への通院を勧めることとしている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

軽度の体調不良時には、職場の隣室に一人になれる場所として専用の休憩室を設置し、室内は畳敷きの床としており、仮眠程度はできるようにしている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

基本的に本人は「仕事をしたい」と思っており、常に手持ち無沙汰にならないように、時間的に余裕のある業務の切り分けを行っている。仕事量とはかどり具合を見ながら、手持ち無沙汰になっていると思われたときにその業務を行わせることとしている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

ワークサポートセンターという部署自体が比較的重度の障害者が勤務する部署となっており、それぞれの障害特性に応じた対応や配慮が必要なため、部署内の業務指導担当者が各障害者の障害特性などを把握することについて、入社時に各障害者より同意を得ている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等