事業所名

合理的配慮事例・27084

業種

サービス業（他に分類されないもの）

従業員数

67名

職種・従事作業

工場内ラインにおける資源ごみ（空容器ビン・かん・ペットボトル・その他プラスチック）選別作業等

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

当社で働く知的障害者は、ほとんどが自閉症の症状を持つ人たちである。言葉で聞いたことは覚えられない者、数字が分からない者、常に何かしゃべっている者というように個人個人でその特性がバラバラであるため、その特性に応じた配慮が必要である。

その他

障害者職業生活相談員

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 面接前に県内特別支援学校の生徒に対して、事業所見学及び職場実習（2回）を行い、職場実習終了後、業務可能か本人の意志はどうか等特別支援学校の先生、保護者を交えての確認を面接として行った。
2. 実習は2年生時および3年生時で受け入れ、3～4ヶ所の工程作業を体験させ、本人に合った作業を見極めた。また、夏（酷暑）や冬（極寒）などその季節も体験させた。

特別支援学校職場見学

その他の配慮

通勤用バスを用意した。知的障害者にとって、会社への通勤（乗換え、交通事故、寄り道等）がネックとなっていたが、通勤バスを用意したことで、最寄の駅まで来ることができれば就職が可能となった。

特別に要した費用　（　）はうち助成金充当部分※
通勤用バス購入 約360万円（約240万円）

※配慮を講じるに当たって、特別に要した費用や助成金の支給を受けた場合の金額を記載しています。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 当事業所の担当者は人事部長である。人事部長は障害者職業生活相談員（以下「相談員」）の資格認定を受けている。また、他の事業所にもそれぞれ相談員の認定講習を修了したものを配置し、障害者の相談にすぐに対応できるよう配慮している。
2. 卒業までは特別支援学校が支援し、卒業後は障害者就業・生活支援センター等（以下「支援機関」）が支援することとしているが、入社するまでにどの支援機関を窓口とするか等を決定している。事業所・家族・特別支援学校・支援機関等が連携をとって本人の仕事だけでなく生活面もフォローしている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

作業内容は主にベルトコンベアの選別ラインに入り、ペットボトル・缶（アルミ・鉄）・びん（着色有・無し）などの選別を行っているが、習熟度が高まるにつれ選別スピードが速くなり、選別間違いが少なくなっていく。障害の適性からライン業務が適さないものは他の業務（内容物廃棄、不純物取り除き等）に配置するなどの配慮を行っている。

ラインでの選別作業

キャップの選別作業

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 簡単な手順書は準備しているが、実際の作業方法は先輩（障害者）からのOJTによっている。先輩の作業を見てやり方のコツなどをつかみレベルアップを図っている。
2. 作業場には必ず先輩の障害者を配置している。その中には障害者でチームリーダーを任せている者もおり、障害者だけで作業を行っている部署もある。
3. 本人らの特性に合わせた掲示物での表示等を行い注意喚起しており、安全、効率を確保している。

【掲示物の事例】

注意文書掲示物事例

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、体調に配慮すること

1. 出退勤時間は、一般従業員と全く変わらない。
2. 健康維持と余暇の活用ということから、水泳、マラソンなどを勤務外の活動として薦めており後援をしている。障害者の体力づくりとコミュニケーションの向上に役立っている。県の大会等にも参加しており、障害者にとっては、ひとつの目標となっている。勤務外のこのような活動は、社員がボランティアで応援している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 選別作業については熟練した障害者と高齢者に任せており、その人たちがいなければ業務が進まない状況となっている。
2. 一緒に働いている障害のない従業員は対象者がどのような障害をもっているかは配属時に説明がされ理解している。日々の業務では障害者であることを意識することなく自然体で接している。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等