事業所名

合理的配慮事例・27085

業種

卸売業、小売業

従業員数

222名

職種・従事作業

食料品・加工食品・日用品などの移動販売

障害種別

内部障害

障害の内容・特性

＜じん臓機能障害＞
保存療法では改善不可能な状態であり、週に3回は人工透析を行なっている。
体力がなく、疲れやすいなどの症状がある。

募集・採用時の合理的配慮

面接時間について、体調に配慮すること

障がい者就業・生活支援センターの支援を受けている方の応募であったため、面接前から当該センターの所長はじめ職員の皆様に病状や通院頻度等詳細を確認した。また本人にも透析の予定や健康状態をよく聞き、面接日時、時間帯を設定した。当日も健康状態を確認しながらではあったが、本人の想いと会社の考えを充分摺り合わせることができ、双方納得のいく面接となった。

その他の配慮

急性腎不全から人工透析をしなければならないという事態になり、本人は生きる希望をなくしていた。「自分に出来る仕事があれば何でもやりたい、このままでは人間として駄目になってしまう」という悲痛な叫びが聞えた。『このままで人生を終わりたくない』という熱い想いが伝わってきた。とにかく世の中に役に立つ仕事で働きたいという熱い想いと意志が強く感じられた。12月半ばの事であったので年内は職場実習期間とし、本人、会社双方のマッチングを確認する期間とした。2週間程度ではあったが最初は半日徐々に6時間7時間（透析の日は当然配慮し）と増やしていき、本人にも適性があるかかどうか確認し、同意を得、新年から正式採用することとなった。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

内部障害者の雇用は経験がなく、主に事務管理スタッフとして健康管理を担当するⅠさんと業務を中心に日々管理指導するOさんの二人をこの障害者の担当とした。二人は1年半以上たった今も、常に本人の状態に気を配り、声かけを欠かさず行っている。

移動販売の風景

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

通常勤務時間は8：30～17：30であるが、透析治療の日は1時間半の短縮勤務（月・水・金曜日は8：30～16：00）としている。また、透析治療のない日は、前日に治療終了後、帰宅が遅くなり就寝が遅くなるので治療後の体調変化に留意できるよう、30分勤務開始時間を遅らせ、30分早く退社できるようにした。（火・木曜日の勤務時間は9：00～17：00）

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

対象障害者に限らず障害のある従業員には、本人に充分確認し、ご了解を得た上で、業務上必要な障害内容・特性などはすべての従業員に話をしている。特に同じ業務をするメンバーには、毎日のように外に車で出かけ交通事故のリスクがあること、また直接お客様と接する業務であるのでクレームのリスクも伴う。出来る限り細かく障害内容・特性・させてはならない事等説明している。

その他の配慮

無理をさせてはいけないという思いから、毎日顔色を見ては、「無理をしないように、休むように」と声をかけている。本人はあまり意に介する事もなく頑張っている。本人から話があれば親身になって傾聴する。飲食店を経営していたという経歴からか、移動販売で廻る地域の人々の話を聞いては新しい取扱い商品を考えたりしている。特に本人からの提案等は事業として許される限り『やりましょう！！』とポジティブに受けている。採用面接のとき、本人が言っていた世の中のために、という点は十二分にかなえられているのではないだろうか。それだけではなく、担当地域のお客様にとっては（特にお年寄りには）なくてはならない存在なっている。元気に出かけてい行く後ろ姿を見送る日々である。

高齢者施設や病院、各種イベントへの出張

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等