募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 当院では対象障害者を5人雇用している。基本的に当院の退院精神障害者から本人の体調、主治医の症状情報、勤労意欲等を総合的に判断して採用を決定している。
2. 具体的には、当院内に併設しているデイケア（社会復帰訓練）を利用、又は当法人の就労継続支援B型事業所に通所している障害者から自立意欲及び勤労意欲が強い方を面接し雇用につなげている。特にはハローワークの障害者雇用担当官等の同席を求めていない。
3. 面接時には本人、配置先責任者、総務部長を交えて面談を行っている。雇用条件としては、特に勤務時間が重要となる。長時間勤務は体調に影響を及ぼすので本人の希望及び主治医の意見等を十分取り入れる。その上で、配置先業務（清掃及びリネン管理）の内容について説明を行い了承を取り雇用契約を交わしている。

その他の配慮

1～2週間程度の業務体験を取り入れている。第一段階は各日2時間程度、第二段階は各日4時間程度で行い、指導員（各職種スタッフ）を配置して決め細やかなフォローを行なっている。症状等で判断するが、業務体験は2週間で25時間を限度とした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者の配置先は、デイケアのスタッフである看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士などを交えて検討会議を行った上で決めている。
2. 配置先のスタッフの中から担当の指導員を決め、業務遂行における勤務状況、体調管理等の相談者として配置している。特に体調等は事務部門職員を含めて全員でフォローを行う体制を取っている。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

院内及び施設内清掃業務担当障害者は、次のように時間で清掃個所を決め、業務を定型化している。デイケアの社会復帰訓練として実施していた清掃業務の経験が業務手順の作成に役立った。

1. 病院玄関・ホール・トイレ（7時～10時）
2. 病棟の1階から3階のトイレ・階段（10時～12時）
3. 職員用トイレ・ゴミ回収（13時～15時）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

基本的に院内シフト勤務表による勤務体制を取っている。勤務時間はフルタイム勤務を取っていない。休暇等は事前に勤務表に反映している。突発的な体調不良による欠勤が発生した場合には他職員が対応する体制を取っている。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

対象障害者専用ではないが職員用として各所に休憩室を準備しており突然の体調不良に備えている。症状が安定するまで休息をとらせている。また、場合によっては主治医の診察を受診させている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

業務体験の第一段階、第二段階の時間を勤務時間の基本としている。勤務時間延長に際しては本人の体調等が最優先となる。本人、担当指導員（スタッフ）、主治医の意見を取り入れ話し合いを重ね勤務時間を30時間に延長することを目指している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

各対象障害者の症状等は多少違いはあるが、担当指導員（スタッフ）または事務職員を介して障害の内容は本人の了承を得た範囲以内で行き届いている。